EntertainmentISM 〜 娯楽至上主義者の独り言 〜

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ここ最近
木皿泉さんのドラマ
『セクシーボイス アンド ロボ』を
DVDで見直しています。

そのなかに
「プッチーニ」という回があります。

観るのは三回目ぐらいですが
今回観て
改めていろいろなことに気付きました。

これは
前編後編に分かれているのですが
全編にわたって
「死」というのがテーマになっています。

木皿作品にとって
死というのは
一番重要なテーマですが
そのなかでも
この「プッチーニ」は
それが濃密に描かれています。

物語は
三人の看護師がプッチーニと名乗り
死にゆく患者さんの最後の望みを叶えるという仕事をしている。
ある患者の最後の望みが
ロボとニコをスパイとして雇っている地蔵堂の社長真境名マキと
一緒に死なせて欲しいというもの。
そこでプッチーニは真境名を殺そうとする。
そのなかロボはプッチーニの一人のことを好きになる。

なんてとこがあらすじですが
クライマックスの
プッチーニが真境名を殺しにくるシーンは
名台詞のオンパレードです。

木皿泉の死というのは
個人的な死ではなく
別れのひとつとしての死なんです。

別れというのも
木皿作品の重要なテーマですね。

つまり
誰かが死んでも
世界が同じなんてことはない。
誰かが死ねば世界は変わる。

第一話に
〈私たちはこの世界に関わっているのよ。どうしようもなく関わってるの〉
という真境名の台詞がありますが
木皿作品を観ていると

人と人との繋がりだけがほんとうだ

って言われてるような気がするんですね。

「死」が通奏低音のように響くなか
「信じる」「許す」なんかも語られていて
「プッチーニ」の回は
いまのぼくに必要なことが
すべて入っているような気がします。


木皿作品のなかでは
あまり目立たない
『セクシーボイス アンド ロボ』ですが
他の作品以上に濃いですよ。



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