本日の帰りの電車内。
私が座ってウトウトしていた頭の斜め上から、音楽が聞こえてくる。
発生源をたどれば、席の傍に立っている女子高生。
電車に乗る時間はたかだか十数分だが、頭痛がひどいところに
音楽が響いてくるのではたまらない。
「もう少し音量を下げていただけませんか?」
と恐る恐るお願いした。
胡散臭げに視線をよこした女子高生。
音楽の合間から私の言ったことを理解したようで、
たっぷり2秒は経ってから目を見開いて反応した。
(マスクはしていたが、結構美人な子だった。)
「音漏れしていましたか!?すいません!!」
よほど驚いたのだろう。
わたわたとイヤホンを外して鞄にしまい、勢いよく頭を下げてくれた。
無言で睨みながら音を消すという、よくあるパターンの反応を疑わなかった私は、
予想外の反応に内心驚いた。
苦情をぶつけるには、相手が良い子すぎたのだ。
言ってしまった言葉を取り消すことはできないので、とりあえずニッコリと頷いておいた。
それで終わりのはずだったのだが、
彼女は予想のはるか斜め上を行く良い子だった。
その数分後に降りる駅が同じだったのだが、
降りようとドアの前に立ったところで、彼女から改めて声をかけられた。
「うるさくしてしまって、申し訳ありませんでした。」と。
しかも、私に改めて丁寧なお辞儀をしただけではなく、
私の傍に座っていた周りの人達にも会釈をしてから電車を降りていった。
あまりのことに、私の方が申し訳なくなった。
心が狭くてごめんなさい!
頭痛くらいで、楽しんでいるところを邪魔してごめんなさい!
うるさいババアでごめんなさい!
彼女は音漏れを気にして、当分あのmp3プレーヤーを使えないだろう。
音漏れがしていたのは事実とはいえ、本当に申し訳ない。