先日の講師室での休み時間のこと。
同僚の先生が
「『後徳大寺左大臣』って
頭に突然浮かんだんだけど、
どこから来たんだろう?」
と言い出した。
直感から出てきた物について説明させる。
かなり無茶ぶりもいいところの話だ。
でも、普段それをよくさせているのは。私の方。
「あの歌、誰のだっけ?」
「あの話、『源氏物語』のどこの巻だっけ?」などなど。
彼女とは専門が同じ古典で、さらに同じ『源氏物語』なだけに
知識が集中しているあたりが共通する。
しかも、私より知識が深いから、
いつも的確な答えを出してくれて、助けられている。
たまには彼女の役に立ちたいと、
間違っても広いとは言えない我が知識から検索してみた。
後徳大寺左大臣・・・・・・
彼女が持っている授業・・・・・・
教科書の文章・・・・・・
ピーン![]()
結果として出てきたのが
「L●の問題集(我が校が授業で使っている物)の
小侍従が出てくる話。」
「ああ!それだー!」
と叫んでくれたので、もっと説明を深めようかと、
「後朝の別れで、小侍従が詠んだ和歌に引っかけて、
なんかの鳥が出てきて、夜明けの別れが辛い的な和歌の話?」
と言ったら、
「そこまで出てくるの、すご~い!」
とおだててくれた。
この問題集、昨年度に使ったばかりだったから、
なんとなく覚えていただけだけど。
ここまでにしておけばよかったのだが、
豚もおだてりゃ木に上る
。
どんな和歌だっけ?と引っ張り出そうとして、私の口から出てきたのが
『ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば
ただ有明の月ぞ 残れる』
これについては「何か違う気が……。」と掌を返した的確なご指摘
。
2人で件の問題集を確認した結果、正解は
『ものかはと 君が言いけむ 鶏の音の
今朝しもなどか 悲しかるらむ』(十訓抄)
出典までは合っていたけれど、
鳥は鳥でも、ホトトギスではなく鶏
で、かなり大きな勘違い。
「鳥」・「明け方」のキーワードが脳内で勝手に結びついて、
偶然出てきただけの歌だったらしい。
では、『ほととぎす・・・・・・』の歌はどこから来たんだ?
というのが次の私の疑問。
口ずさめる和歌なんて限られているのだから、
どうせ百人一首だろうと本を調べたところ、
作者:後徳大寺左大臣
本気で驚いた。とりあえず叫んだ。
国語科教師として恥ずかしい話だが、
私は百人一首の歌は知っていても、作者までは全ては覚えていない。
『ほととぎす・・・・・・』の作者も知らなかったし、
全く予想もしていなかった。
その私が引っ張り出したの和歌が、
偶然にも最初のキーワードに結びついていたという奇跡。
彼女と2人でこの奇跡に感動した。
(彼女は「後徳大寺左大臣だからその和歌を出したと思っていた」
そうで、後から考えれば、私自身の知識不足を暴露しただけ
だったけど。)
かすかな知識と全くの勘違いが糸をつむいだ奇跡の一幕でしたとさ。