【4月9日・日曜日】
高級部の新入生の確保に苦慮し、一クラス減るのではないかと危惧されていたが、どうにか前年度と同じく五クラスが維持された。
会場の体育館前には、「入学をお祝いします」と書かれた大きなポスターの隣に、クラス別に新入生の名前と出身校が記されていた。サッカーをしたくて「越境」下生徒もいると聞いていたので、名簿を目で追った。記念写真を撮ったり、ミニ同窓会状態で話し込むオモニたちがいたりして、確認はできなかった。

中、高の新入生が同時に入場。保護者たちは二階席から拍手を送っていた。卒業式に比べて少ない。前年度の卒業生が多かったということもあるが、雨降りで、祖父母の足が多少遠のいたようだ。

まずは、祖国の配慮により無料で配布される教科書の伝達。つづいて、「異国の地の雨風がいかに険しくても…退け…」との共和国の教育委員会からの祝電が紹介された。
総連本部の趙委員長の祝辞と慎校長のあいさつで強調されたのは、昨年学校創立七〇周年を迎えたが、今年は百年を目指し力強く第一歩を踏み出すということと、今年が祖国から教育援助費と奨学金が送られてきて六〇周年を迎える「意義ある年」だということだった。
一九四八年に制定された三ペンの徽章、一八年前に落成した校舎と体育館の耐震工事など三世代にわたる「学校愛」に関する慎校長の話には、創立百周年の主人公になるであろう新入生・在校生への熱いメッセージと期待が込められていた。

入学式では、金剛保険東京支社から「贈り物」として、校内の無線ラン設置が発表された。東京中高でもいよいよICT教育への取り組みが本格化するようだ。
雨足が強まり、従来運動場で予定されていた記念写真の撮影は体育館の中で。
学級別に保護者たちと写真に収まる中級部四二人、高級部一二九人の新入生の笑顔を見ながら、卒業するころには、少しは「情勢が好転」し、より明るい途が開かれればと思った。
***加筆して、五月下旬に刊行する『朝鮮学校のある風景』43号に掲載します。