その36・朝鮮からの激励メッセージ(2月20日・水曜日)
久しぶりに新校舎の建設現場へ。工事の作業予定を見ると、月曜日が「基礎鉄骨工事」で前日から三日間は「圧接工事」、そして金曜日からは再び「基礎鉄骨工事」となっていた。
「圧接工事」? グーグル検索すると、「圧力と熱を加えて鉄筋を接合(一体化)する方法」とある。

大きなクレーンが何かを現場に下ろしている。あまりに高くそれが何かを確認することができない。囲われたテント越しに現場を見る。前回、一月前に来たときは、更地だったが、校舎を支える基礎工事の真っ最中だ。 向かいのジョナサンの二階の階段の踊り場から工事現場をのぞく。いよいよ建つんだ、そんな思い、嬉しさがこみ上げてきた。


もう少し見守っていたい。ジョナサンに入り、工事現場が見えるチェーサム側に席をとる。
長居しそうだ、嬉しさもあいまってドリンクバーだけではなくパンケーキも注文した。
東京中高に寄って、祖国を訪問した慎吉雄校長から受けってきた、妹からの手紙を取り出す。『風景』に連載中の「平壌から『今』を伝える」長文の手紙が入っている。それに加えて、帰国したチェーサム卒業生の新校舎応援メッセージが二通。
一通はウリマル、A5四枚にタイピングされた長文だ。
김광윤(キム・グァンユン)。
文末に「18期卒・一九七二年帰国、朝鮮民主主義人民共和国農業研究院自然植物研究所副所長、功勲科学者、博士、副教授」

もう一通は、鄭悧佳―29期卒
彼女はA5二枚、ウリマルではないが日本語でタイピングされている。金日成総合大学生物学部に通ったようだ。
朝鮮から届く私的な手紙はすべて手書きで、タイピングされた文章を受け取るのは初めて、向こうもそんなご時世になったようだ。
妹(金圭蘭・18期卒・一九七二年帰国)の手紙にも、「第三の思い出・建設激励」として、조성현(チョ・ソンヒョン)と윤명숙(ユン・ミョンスク=15期)、최윤(チェ・ユン)と김오양(キム・オヤン=17期)、それに東京第七出身の김경미(キム・キョンミ)さんの話がつづられていた。チェーサム出身ではないキム・キョンミさんは「外から見たチェーサム」についてだ。
手紙を読みなから時折、ブラインド越しに工事現場をのぞく。とても良い感じだ。
妹の手紙には「引き続き送ります」と。
皆がウリハッキョで学んだ思い出を大切にし、朝鮮で暮らしながら母校の新校舎建設に大きな関心と期待を寄せている文面に胸が高鳴った。
編集部より・鄭悧佳さんの手紙は今号に、キム・グァンユン、妹の手紙は次号から順次掲載する。