帰りの車の中、二人とも無言だった。
重たい空気の中彼が怒りまじりの声で話す。
「あの先生なんや!?なんやあの言い方!!」
「うん…」
家に入ると父親が居た。彼が父の前で無言で佇む。
何か言いたいのだろうけど、口に出せないのだろう。
「どしたん?」
「流産宣告されたわ。」
「そうか。残念だったな。」
彼を連れて部屋に入ると、箍が外れたのか堰を切った様に彼が泣き出した。
「俺のせいや!ごめん!!」
「なんでそんな事言うの…?」
ずっと泣いてた彼を心配して、父が部屋に来る。
「誰のせいでもないし、出来るって事は判ったんだから、また頑張ればいい。これからも頼むな!」
「…はいっ!」
この時の事を彼はずっと覚えているらしい。
私もある意味ずっと覚えている。