庭猫していた親子です。
のんびりと風ちゃんらしい生活でした。
自宅前の歩道で少しでも大声や聞きなれない声がすると
すぐにサンルームの床下をすり抜けて裏庭に隠れました。
見慣れないお客さんや弟など男性が訪れても
アッという間に親子で隠れました。
風ママに教え込まれて
家猫で生まれて育ってもスミは用心深く私と家族以外は隠れました。
仔猫の時も一番最後に姿を表しました。
可愛いけど抱けなくて
女の子と思い込んで菫(すみれ)と名付けてしまいました。
この子だけは10年近くたっても
ずっと母親と一緒でマルコのように敷地内で[母をたずねて三千里]です。スミ•マルコなのです。
昨年末に風ちゃんが怪我をしてからしばらくして離れて眠るようになりました。
風ちゃんは私の枕元の窓際で静かに眠って居ました。
風ちゃんが逝くと
今ではその場所でスミが眠ります。
他の三匹(ルナ•ブン•ココ)は
私の足元で眠り
コジはバアバの足元かストーブの前で眠ります。
あとの
[ココちゃん被害者の会]の
三匹(キキ•ユズ•マリン)は
二階で娘夫婦と眠ります。
風ちゃんの不在に慣れない私とスミは肩寄せ合って眠ります。
スミは夜になると私に頭をグイグイ押し付けて甘えてきます。
仔猫のように。
スミの次のルナとブンは三年になります。
キキ•ココ•コジの
生後半年くらいで亡くなった胡桃ママの
子どもたちは二年目。
ユズとマリンはようやく半年を過ぎました。
スミは
今は一番年長さんですが
風ママとずっと一緒だったので
心は仔猫のままで母を恋しがります。
ルナとユズとマリンは
優しいお兄さんのスミが好きですが
他の子は苦手なんです。
キキはココの意地悪のせいで猫嫌いなので
スミだけ苦手なのではありません。
スミは外の子には強い存在ですがウチの子にはとても優しいです。
ココちゃんはルナだけ大好きで
他の子には常に威嚇して
特に二階の三匹には容赦ないので鉢合わせしないように
三匹を一階で遊ばす時は
ココを二階に隔離します。
このココが三匹をイジメられなくなってから
スミを追い掛け出して
(本気出したら絶対にスミが強いです。)
年を重ねて丸くなって
特に寒くなって家猫になって
目立たないように静かに余生を
暮らしていた風ちゃんが
スミをイジメた時だけ
ココを追い掛けて睨みを利かせ
ていたので
ココは風ちゃんだけは怖くて
傍に寄りませんでした。
同じ意地悪さんでも
ここが風ちゃんとココちゃんの違いです。
元野良の風ちゃんは
自分とファミリーの立場を守る為に他者を排除しようとしますが
直接に体にダメージを与える事は相手がしない限りはしません。
但し
それ以上に存在が威圧感半端ないのです。
ギリシャ神話のメデューサのように視線だけで相手は石のように固まってしまいます。
まだ若い頃は野良やお隣の飼い猫ちゃんたちが
風ちゃんの姿を見るだけで隠れていました。
胡桃ママもコンビニの駐車場に捨てられて
半年くらいは一匹狼でお客さんからパンやお惣菜を貰って生きていた子で
妊娠して暫くして
コンビニから姿を消して
流産したのか娘の会社の倉庫に迷い込んだのを保護して来た時は
風ちゃんは優しく無視して居ました。
風ちゃんは弱った病気の子や
エイズ末期でわが家に辿り着いた居座り猫には優しかったです。
人情味のある苦労して生き抜いた子なのです。
そこは三ヶ月頃から知り合って
成長を見守り続けた私が
どうしても目が離せずに居た
風ちゃんの魅力でした。
生活の為にファミリーの為に
心を鬼にして過ごした風ちゃんの野良魂は一途でした。
ココ(心)ちゃんの心の闇は何なのだろう?
それが解ればウチの子八匹が平和なんだけど?
風ちゃんの最後の元気な姿は
仏間から猫ルームにココちゃんを追い掛けて走る後ろ姿でした。
またスミちゃんをイジメて
ココちゃんは風ママに叱られるな。
そんなふうに思って見た翌日に
口元を何処かにぶつけたのか?
猫ルームで静かに寝ている風ちゃんを見つけました。
風ちゃんの物語③










