かつて大きな需要を生み出してきたこの「団塊の世代」が財布のひもを固くしぼるだけではありません、ほとんどの人は、なにがしかの病気をかかえています。

この病気は本人だけの問題だけではありません。医療費はほとんどの高齢者は1割負担です。9割が若い人たちの保険料にかかってくるのです。

例えば、独身男性と寝たきりの母親がいたとします。男性は、働きに出られないので収入がありません。その上、親の医療費や生活費もかかります。この二人を国は見捨てるわけにはまいりませんから、保険料で負担することになるのです。

このような極端な例ではないにしても、結果として多くの高齢者の医療負担が保険料として天引きされ、実質賃金が抑えられるが今の姿です。

相当な資産家や貸家・不動産業など多額の収入のある場合でも高齢者という特権で医療費は3割負担です。あとの7割が苦しい家計の若い世代にかかってきているのです。こんなことがあっていいでしょうか。

政治家が高齢者を優遇する理由は選挙です。この図のように突出した大きな人口は、選挙では大きな票田であり各党もこの票を狙いますから、「団塊の世代」には足を向けては寝られないのです。

このように「団塊の世代」は、かつて日本経済には高度成長という大きな波を起こしましたが、今はむしろ医療という面で日本の大きな負担となってのしかかっているのです。

しかし、この層はそれぞれにかつて蓄えた不動産、預金、株などの資産を持っています。

この先20年のうちにはほとんどが亡くなるので、その資産の運用が今後の大きな課題となります。その活用とこれから先どうしたら景気は戻ってくるかについてを次に書きます。(つづく)