終結プロセスとは、プロジェクトやタスク、契約上のすべての活動を完結させるプロセスです。プロジェクトで作成したすべてのデータや資料を整理・保管し、計画されたすべての作業が完了していることを確認、プロジェクトの成果物が期待に沿っていることをテストやレビューしたり、プロジェクトのポストモーテム会議を開催して教訓を話し合、教訓登録簿を作成します。

 

 さらに最終報告書を作成してプロジェクトの成果と次のステップを伝えたり、チームメンバーを解散させて新しい仕事に移行させます。プロジェクト終結プロセスは、プロジェクトに明確な終わりをつけるだけでなく、将来のプロジェクトに役立つ教訓や知見を残すことも目的としています。
 

  • 教訓登録簿とは

 教訓登録簿とは、プロジェクトから得られた教訓をまとめた資料のことです。教訓とは、プロジェクトで成功したことや失敗したこと、その原因や影響、改善策や推奨事項などの知識のことです。

 

 教訓登録簿は、プロジェクトの反省会で教訓を収集し、文書化して作成します。教訓登録簿は、組織のノウハウの蓄積やプロジェクトの継続的改善や教育に役立ちます。教訓登録簿は、プロジェクトが終了したら教訓リポジトリや教訓データベースとして保管され、組織知として活用されます。

 教訓登録簿の作成方法は、プロジェクトで管理しやすい方法を用いますが、通常、教訓登録簿には、①教訓の名前②タイトル③教訓の種類④カテゴリー⑤成功したこと/失敗したこと⑥影響、教訓/推奨

 

 などの項目を記載します。教訓登録簿は、プロジェクトの反省会で教訓を収集し、文書化して作成します。教訓登録簿は、Excelやグループウェアなどのツールを使って管理することができます。

  • 教訓登録簿の活用

 プロジェクトの反省会で教訓を共有し、今後のプロジェクトに役立てます。教訓登録簿は、プロジェクトの成功や失敗から学んだノウハウや改善点を記録した文書であり、組織知の蓄積に貢献します。教訓登録簿を活用することで、

 

 ①試行錯誤することなく、成功する方法を繰り返し実行できる②失敗する方法は周知され、また事前にチェックできる。そのため、過去のミスを繰り返さない③より良い方法を考えるヒントになる④業務改善のモチベーションがアップする⑤新人のプロジェクトマネージャーの教育にも使用できる。

 

 教訓登録簿を活用するためには、プロジェクト管理ツールやグループウェアなどのツールを使って管理し、メンバー全員がアクセスできるようにすることが必要です。また、類似のプロジェクトを開始する前に教訓リポジトリを検索して、同じ失敗を繰り返さないようにすることも大切です。
 

 終結プロセスは、プロジェクトを成功させるために重要なステップです。プロジェクトマネージャーとしては、終結プロセスを計画的に実施し、プロジェクトにまとまりと次のステップを持たせることが求められます。

 

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