日本のGDP(名目GDP)
2025年にインドに抜かれ世界5位へ
5月25日、インド国家開発委員会(NITI Aayog)の最高経営責任者(CEO)であるBVRスブラマニアン氏が、国際通貨基金(IMF)のデータを引用して発表しましたた。各種報道でも、日本の名目国内総生産(GDP)が2025年中には、インドに抜かれ、世界5位になる見通しとなったことは、昨年来言われていたことです。
国際通貨基金(IMF)が昨年4月に公表した推計でも、インドのGDPは4兆3398億ドル、日本は4兆3103億ドルとの見通しをたてていました。円安でドル換算が目減りしており、インドに抜かれるのは時間のもんだいでした。
インドの人口は世界最大の14億人を超え、高い経済成長を維持しています。IMFによれば、2023年の実質成長率は日本の1・9%に対し、インドは7・8%とのこと。内需の強さに加え、インド政府は外国企業に国内での生産を促しており、日本の大企業が生産拠点を海外に移転させ利益を上げるという方針とは真逆です。
日本のGDPは2023年にドイツに抜かれて4位に転落したのは記憶に新しいところです。日本のGDPは高度成長期の1968年に旧西ドイツを抜いて世界2位となりました。
・・・が、バブル崩壊後の不況が長引き、2010年に中国に追い越され3位になり、2023年には、今度はドイツに抜かれ4位になり、さらに今回インドに抜かれ5位となったわけです。
円安でドル換算での目減りもあるが
・・・賃金低下・消費低迷による円安そのものが、日本経済の低迷を示している
名目GDPは、物価の上昇で押し上げられるほか、国際比較では為替相場に左右されます。円相場は、昨年の4月29日に一時、約34年ぶりの円安・ドル高水準となる1ドル=160円にまで達しました。
しかし2022年来の円安は、経済の長期低迷を反映しているとも言えます。長引くデフレと賃金の低下、大企業の下請け単価切り下げ等コスト削減による利益確保至上主義は、長期の消費不況を招き、GDPそのものを停滞させました。今や日本経済は不況下のインフレという最悪の事態を迎えています。
日本のGDP向上には、大企業優先の政策を改めること!
メディアに登場する経済評論家は、「円安とデフレ傾向からの脱却を機に企業は投資を増やし、経済が成長する構造を目指すべきだ」などと無責任な論評を口にしています。「円安とデフレ傾向からの脱却」には、まずは労働者の賃金引上げで消費を増大させ、需要を喚起することです。それが生産を向上させ、企業の設備投資を促すのです。
行政の大きな役割もたくさんあります。大企業の優越的立場を利用してのコスト削減は、全労働者の7割を雇用する中小企業を苦しめ、賃金引き上げを困難にしますから、これには行政の厳しい指導が求められます。時給1500円の早期実現も行政側の積極的な役割を果たすべきです。
東京国公は2025春闘でも官民の共同闘争の中で、「賃金大幅引上げ→消費購買力向上→消費拡大→売上増→生産・設備投資拡大→景気伸長」のより良い循環を作ることを訴えてきました。
物価を抑えて賃金上げて景気回復を!
国民と労働者の暮らしを守るためには、賃金の引き上げと共に、物価を抑えることが必要です。個々の商品価格を政府が低価で抑えることはできませんから、物価を抑え込む即効性という点では、やはり消費税の減税です。問題はその財源です。一部野党には安易に「国債発行」を主張する向きもあります。しかし東京国公はそれには絶対くみしません。富裕層や大企業に応分の負担を求めるべきです。とりわけ資本金10億円を超える大企業の内部留保は539兆円(539兆円)に上ります。その一部に課税すれば十分財源は得られます。これは政府と国会がやろうと思えば直ちに実現できます。民間労組の皆さんや国民諸階層の皆さんと連帯・共同して是非実現したいものです。
