令和2年2月21日渡邊章範院長が、朝日放送のニュース番組『キャスト』(15時50分から19時)から、クルーズ船の全員が下船したことを受け厚生労働省のクルーズ船での検疫における隔離はどう評価すべきかについて解説しました。
取材メモ
令和元年1月10日から13回にわたり、ABCのキャストから、スタジオ出演並びに取材による出演の過程で、番組スタッフや国内外から独自に収取した情報を、医学博士として、生物学的に分析の結果、クルーズ船の全員が下船したこのタイミングで、クルーズ船の厚生労働省の対応は適切であったかどうかの総括をしました。
総括として番組内で、
①【クルーズ船の隔離は失敗だったこと】
②【クルーズ船の基礎疾患の無い84歳女性が死亡したことは、船内に発熱後も1週間船内に閉じ込めていたことによる、厚生労働省の不作為による人災であること】
③【世界から日本の対応に批判をうけていること】
という医師としての見解を出しました。
これらの見解については、令和2年2月21日に結果を見て後出しで意見を述べたのではなく、令和2年1月9日の中国政府による59人(うち7人の重症者)の武漢での新型コロナウイルスの発生を受け、翌日の令和2年1月10日から13回にわたるABCのキャスト出演で、RNAウイルスは甘く見てはいけないと様々な警告を出してきた結果、最悪の結末を迎えたことを踏まえての科学者としての公式な見解です。
令和2年1月9日の発表を受けて、国立感染症研究所の忽那医師は、ヤフーニュースなどに、新型コロナウイルスを恐れることはないと3つの理由という記事を出しました。その理由として、感染者数が少ない、重症者が少ない、ヒトヒト感染はしないとしていました。この国立感染症研究所の忽那医師の判断が、日本の初期対応の遅れの大きな原因になったことは明らかです。この当時は、このような楽観論が、メディアでもネットでも主流派でした。煽りすぎという意見もよく出されていました。これらは、RNAの恐ろしさを知らない、医師・ジャーナリスト・コメンテーター・一般人によるものと思われます。忽那医師は、死亡した2人に抗HIV薬の実験的投与を行っていること、そして、患者の情報を、今後に治療に参考にしたい医師のカンファレンスでも医師にも重要な情報を十分に出しませんでした。
日本が、世界から失敗であったと思っている根拠。
①多くの海外メディアが、日本の検疫による隔離は失敗と報道している。
②ドル円相場が、109円で推移していたが、クルーズ船の隔離から2週間たって、下船の始まった2月19日から21日にかけて、111円に円安になっています。為替はいろいろな要因がありますが、日本における新型コロナウイルスの対応が、安心できないことを受けての円安と思われます。
2月18日(火)のドル円相場は、109.657-111.946(109円)
2月19日(水)のドル円相場は、109.849-111.591(109円~111円)
2月20日(木)のドル円相場は、111.11-112.255(111円)
2月21日(金)のドル円相場は、112.186-111.47(111円~112円)
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター国際感染症センター
〒162-8655 東京都新宿区戸山1-21-1
電話番号:03-3202-7181(代表)
くつな さとし
忽那 賢志
国際感染症対策室医長
山口大学医学部卒業
関門医療センター初期研修医
山口大学医学部附属病院救命センター
奈良県立医科大学附属病院感染症センター
市立奈良病院感染症科
日本内科学会認定内科医
日本感染症学会専門医
インフェクションコントロールドクター
Certificate in Travel Health™ (International Society of Travel Medicine)
一般感染症、病院内感染症、免疫不全関連感染症、海外渡航後の感染症など幅広く診療する機会をいただいております。
(参考)
死亡女性、発熱から搬送まで1週間 菅氏「医師の判断」
2/21(金) 11:39配信 朝日新聞デジタルから引用
菅義偉官房長官は21日午前の閣議後会見で、新型コロナウイルスの集団感染が起きた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗客で、20日に死亡した東京都の80代女性について、「船内の医師の判断で、乗客の健康を最優先に対応していると聞いている」と述べた。
何でも医師の責任にしてますが、緊急事態のイギリス領土において、医師が意見を言える状態であったのでしょうか?
「医師の判断」 で1週間も放置されていたとなれば、当然、医師は殺人罪に問われますね。
殺人罪に問われるのは、厚生労働省ではないでしょうか?
遺族の判断を待ちたいと思います。
①令和2年2月21日、クルーズ船のすべての人が下船しました。
上本町わたなべクリニック
医学博士・院長 渡邊章範医師
総合診療科で、高血圧が専門。トラベルクリニックも運営している。
微生物病研究所などにてRNAの研究を行ってきた。
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