宝島社の『田舎ぐらしの本』2023年2月号で、恒例の「2023年版　住みたい田舎ベストランキング」が発表され、ランクインした自治体がその宣伝に務めている。

わが大分市が「人口20万人以上のまち」の「子育て世代部門」で1位となった。

2023年版「住みたい田舎」ベストランキング（人口20万人以上のまち）「子育て世帯部門」で大分市が第１位！ | お知らせ | 大分市移住応援サイト移住定住,大分市移住応援サイト,大分市移住応援,おおいた,大分,大分市,Oita,移住,応援,定住

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【2023年版第11回「住みたい田舎」ベストランキング発表】過去最多！人口別７グループ、４部門を設置！株式会社　宝島社のプレスリリース（2023年1月4日 12時00分） 2023年版第11回[住みたい田舎]ベストランキング発表過去最多！人口別７グループ、４部門を設置！

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こういうランキングは、実情を知る地元民としてマユにツバをつけて見るものだと僕は考えている。

ランキングの指標がどうなってるかに僕には不信がある。実情を反映しないランキングは多い。例えば、かの有名な都道府県別の魅力度ランキングというのがあって群馬県などは風評被害を言い立てるまでなっているが、北関東の県が下位を独占する、というのは指標が北関東に不利なものになっている、ということだとしか考えられない。

ただ、このランキングとは別に、大分市が子育て世代にとって都会からの移住に適した地域であると、僕は考えている。

単身者・若者向けでも大分市は上位に来てるのは僕の実感に反する。指標のとり方にやはり偏りがあると思う。チェックしたければ『田舎ぐらしの本』2月号を買うしかないw

大分市の見えにくい移住者にとっての利点は実は「特徴がない」ということだ。

特徴のない街には違和感も覚えにくい。クセが小さいということだ。普通は欠点だと思われるところが、こと移住にとっては利点となる。

どこにでもあるような都市部と、どこにでもあるような田舎が近接してあるところだ。

違和感を覚えにくい、というのは移住者にとって実は重要なことである。クセが強い地域だと実際に移住してみなければわからないことが多すぎる。

大分市はかなり広い※が、緑や虫にうんざりするようなド田舎から、緑に飢えるような都市部の両方が車で30分圏内にある。田畑しかないエリアも、荒れ放題の山林も、都市部からさして遠くないところにある。

海だって山だって、清流すらもある。

郊外型大規模店はあちこちにあるし、探せば個人商店もなくはない。都市と過疎地がごく近くにある地域だ。統一性や一体性のない自治体だが、逆にいえば市内各地の環境がダイバーシティ/多様性に富んでいる、ということだ。

都市型の生活も田舎型の生活のどちらでも選べるし、気に食わなければ、大分市内での近距離引っ越しも容易。失敗した、こんなはずじゃなかった、と思っても、地元情報で近距離引っ越しで適地を探せる。

大都市部とのいちばんの違いは、地価や家賃だと思う。単身者向けの安い物件はあまりない（中級物件はそれなりにある）が、子育て世帯向け物件のコスパはすごくいい。

子どもの教育についても、東大に行かせようとでも思わなければ、選択の幅がある。中学受験をさせようとするかどうかを選べる、つまりどちらかでなければならない、という同調圧力がない。これは移住者にとって重要な利点ではないかと思う。

中学受験をさせようとしても、それ自体をあれこれ言われる土壌はない。（それにともなう人間関係のあれこれは大分市特有のものではない）

中学受験の選択肢は少ないがいくつかはある。中学受験に失敗して公立中学に行くことは、当事者にとっては心の傷になるのはどこでも一緒だろうが、それを恥ずかしいこととする風潮は一切ない。

車一台あれば、生活のあり方の選択肢がいくつもある。大都市部の富裕層向けのお店はないが、逆に庶民向けの全国チェーン店はそれなりにある。コンビニとドラッグストアも選べるくらいにある。

都会みに飢える人々には、とりあえず、博多に行ってみることをおすすめする。高速道路やJRで3時間程度で福岡市にたどりつく。

スーパーの刺身が普通においしい。漁港からの流通が容易で新鮮だからだ。もちろん、佐賀関や市外の近接の漁港エリアまで行けば、もっと美味い魚介類が食える。都会で高い刺身を食うのがバカバカしくなる。

大分市からブチ旅行すれば産地に行けて、海産物だって肉だって野菜だって果物だって、おいしいところに簡単に行ける。特産のしいたけなどは、都会では高価な良質なものが、スーパーのありふれた食材であり、居酒屋メニューだ。同じことが、関アジ・関サバだろうが、フグだろうが、おおいた和牛だろうが、地鶏だろうが言える。旬になれば、ビワとかミカンとか梨とかがすごく安くておいしい。

道の駅とか農産物直売所とかも、ちょっと行けばある。何なら市内にもある。産直コーナーがスーパーにあったりする。

コミュニティ・カフェもあれば、都市型のお店もそこそこある。オーガニックだとかは、都会でどんな価格なのか知らないが、大分市ではプチぜいたくの範囲だ。

「おんせん県おおいた」とは、全国的にも知られている。名だたる温泉地にもごく近く、別府までは20〜30分、湯布院までは1〜2時間（地域による）。平日休みでも取れば、比較的安価にマイクロツーリズムが楽しめる。大分市内だって銭湯イコール温泉だ。おんせん県民にとっては、温泉はありふれた身近なものだ。

地元民になれば簡単に入手できる情報で、都会人が喜びそうな秘湯的なものの情報は、その気になればふんだんにある。

マイクロツーリズムで行ける観光地の幅が広い。大分市内には一級の観光地はないが、ごく近いところにごろごろあるのだ。あまり知られていないところでは、豊後大野市とか、宇佐市の内陸部とかには見応えのある滝がやたらにある。とても回れないほどにやたらにあるのだ。

2級でよければ、大分市内にも実は見どころは枚挙にいとまがないくらいある。遠くの一級地に行かなくても、近場ですませられるものが割とそろっている。古い街並みとか史跡とか。

念のために、大分市の短所をあげておく。これを書いた方が説得力が増すことを僕は知っている。

大分市は良くも悪くもバラバラで統一性がないが、何かのコミュニティに属せばコミュニティ内の同調圧力は高めだ。これは大分市の経済が臨海部の大規模工場群に依存した、複数企業による企業城下町の面があるからだ。

田舎の逃げ場のない同調圧力とは違うが、経済的なしがらみによる同調圧力なので、田舎とは違った独特のモノが言いにくい空気がある。ゆえに大分市民は極めておとなしい。ただし、大分市は政治的には自民党が弱くて、何かのコミュニティというときには労組も入ってくる。いわゆる保守王国とは違う雰囲気だ。

健常者や定型者には暮らしやすいが、何らかのマイノリティになることがあれば、息苦しいところだと思う。

車を運転できない状態になったら、途端に暮らし良さが歴然と低下する。

基礎的な生活物資の物価は安くはない。それだけだったら、大都市部の下町の方が安いだろう。

「住みたい田舎ベストランキング」のその他の項目について、大分県内自治体について少しだけ雑感を述べると

相変わらず、豊後高田市が強い。もはや移住者慣れしてるところも、高田の強みだ。移住者にとってはクセの小さいところだ。

他に大分県内では国東市、宇佐市、臼杵市がランクイン。あまり実情を知ってるわけではない。国東市には大分空港があり、大分県内で最も本州の大都市部に「近い」ところだ。羽田にひとっ飛び

なぜ別府市がランクインしてないのか？単なる指標のとり方の問題ではあるが、クセがすごいまちだから、あそこはw

※「平成の大合併」で大分市より広い基礎的自治体は珍しくなくなったが、大分市の原型は「昭和の大合併」の時期の1963年にすでにできあがっていて、当時は全国有数の面積の広い自治体だった。「平成の大合併」では、大分市とつながりの深い、旧佐賀関町と旧野津原町を吸収合併した形になった。昭和のころから不自然に広い市だった。

大分市が移住に適してるのは、特徴がないまちだから