先日、佐伯市を訪れて、こんな建物を目撃した。

おい、この自動車修理工場、倒壊しかかってるぞ、と驚いてよく見てみると

事務所スペースはなんだかちゃんとしてるようだ。

これはわざと建物を傾けたうえで、かなり強固な補強をした、むしろ堅固な建物だという推察をした。

なんてすごいことをする人が佐伯にはいるもんだと、感心した。傾奇者とは、いにしえの奇抜な不良たちだが、ちょっと傾奇は見ててすごく面白い。桃山・江戸初期の傾奇者たちと同様に、ある程度は財力がないとこれはできない。

柴田モータースという会社らしい。さびれ気味の佐伯市中心市街地にある。

https://goo.gl/maps/e5BkD2oJt3NnqrSs5

柴田モータース · 〒876-0844 大分県佐伯市向島２丁目２２−１２〒876-0844 大分県佐伯市向島２丁目２２−１２

goo.gl

この写真をFacebookに投稿したら、友人が「さかさレスト」と称するこんな建物があるよ、と教えてくれた。

http://tekdiver2.sitemix.jp/html2/arakawas/backn009/tontinka/tontink1.html

さかさレスト・とんちん館（1）

tekdiver2.sitemix.jp

さかさにするのと、傾けるのとはだいぶ違う。強度という点では、傾ける方が難しいこともあるのではないか。

「傾いた建物」でネット検索してみると、ピサの斜塔関連とか、ドバイのいかにもカネのかかってそうな建築物とかが出てくる。芸術としての建築物の領域だ。

スペインのマドリードのもののリンクをはっておく。

https://ishirabe.com/puerta-de-europa/amp/

プエルタ・デ・エウローパ（Puerta de Europa） | 建築・インテリアに関する石材メディア

ishirabe.com

柴田モータースの何がすごいって、「汚し」のテクニックだ。とにかく、普通に眺めていたら、本当に倒壊しそうな建物にしか見えない。まっすぐだったころの建材をそのまま使っているとしても、汚れた部分をきれいにあえてしないで、あるいはリノベーションできれいになってしまった部分は意図して「汚し」ているのだろうと推し量れる。

柴田モータースを画像検索してみても、傾いた建物は出てこない。ストリートビューでは、もちろんちゃんと写っている。

佐伯市民や大分県民は、もっと柴田モータースを話題にしていいと思う。

まちの自動車修理工場は、長らく構造不況業種で、生き残ることも厳しかったはずだ。近年は、自動車修理ができる人手が不足しているらしいので、状況は変わってるのかもしれないが、詳細は知りようもない。

佐伯市でなんかすごい建築物を見た