Fake Plastik Trees by Radiohead

 

 

 

 

 

 Her green plastic watering can

 For her fake chinese rubber plant

 In the fake plastic earth

 

 

 緑色のプラスチックのじょうろは

 作り物の 空っぽの地面に植えられた 

 中国製のゴムの造花のため

 

 

 That she bought from a rubber man

 In a town full of rubber plants

 To get rid of itself

 

 

 彼女はそれをゴムの男から

 ゴムの造花であふれた街で買った

 消し去りたくて

 

 

 It wears her out

 It wears her out

 It wears her out

 It wears her out

 

 

 それに彼女は疲れてしまう

 

 

 She lives with a broken man

 A cracked polystyreneman

 Who just crumbles and burns

 

 

 彼女が一緒に住むのは壊れた男

 ぼろぼろに焼け焦げた ポリスチレンの男

 

 

 He used to do surgery

 For girls in the eighties

 But gravity always wins

 

 

 彼はかつて整形手術を

 80年代 女の子たちにやっていた

 でも重力には逆らえない

 

 

 And it wears him out

 It wears him out

 It wears him out 

 It wears him out

 

 

 それに彼は疲れてしまう

 

 

 She looks like the real thing

 She tastes like the real thing 

 My fake plastik love

 

 

 彼女は本物に見える

 彼女は本物に感じる

 僕の作り物の空っぽの愛

 

 

 But I can't help the feeling

 I could blow through the ceiling

 If I just turn and run

 

 

 でも感情は止められない

 背を向け 走ったなら

 天井を突き抜ける風を吹かせるだろう

 

 

 And it wears me out

 It wears me out

 It wears me out

 It wears me out

 

 

それに僕は疲れてしまう

 

 

 If I could be who you wanted

 If I could be who you wanted

 All time

 All time

 

 

 君が求める人でいられたら

 ずっと

 

 

 

RadioheadのFake Plastik Treesを訳しました。

この曲は1995年発表のRagioheadの二枚目のアルバム『The Bends』に収録されています。

他にも『High and Dry』や『Just』、『My Iron Lung』、『Street Spirit』といったベストアルバム級の代表作が収録されています。

1995年はoasisの『Morning Glory』やblurの『The Great Escape』、pulpの『Different Class』が発表され、ブリティッシュバンド界が大変華やかだった年です。

 

皮肉や社会の閉塞感をポップなメロディーで歌うブリットポップがブームになった中で、とことん絶望や虚無感・脱力感を切なく美しいメロディーで歌ったRadioheadは他とは一線を画す存在だったのではないかと思います。(私は世代じゃないのでここは想像です…)

 

 

訳ですが、この歌詞はあまり論理的に言葉を追うような歌詞ではなく情景や雰囲気を想像して感じ取るものだと思います。きっちり訳せなかった言い訳です。

Plasticは安っぽい、代替品という意味を含んでいると思うので、「空っぽ」と訳したのですが…

fakeで「作り物」は使ってしまっているし、かと言ってプラスチックが何回も出てくるのは日本語だと美しくないような気がしたんですなんとなく宇宙人くん

考えるほどよくわからなくなった結果こうなってしまいました。plastic脳みそです。 

 

 He used to do surgery for girls in 80s は、彼が外科医だったという意味なのか、彼が(女の子にもてるために)整形手術を受けたという意味なのか、どちらなんでしょうか?

彼が整形手術を受けたとすれば、A cracked polystyreneman  Who just crumbles and burnsの部分は時とともに男の顔が崩れてしまったというわかりやすい解釈ができるのですが、"He used to do"となっているので、ここは手術をするほうだったのかなと思いました。

「手術を受ける」だとdoではなくhaveやget、undergoを使いますよね…たぶん。

まあこの多義性にこそ多くの人の心に響く世界観が存在しうるんですよね!!(やけくそ)

 

Radioheadは歌詞もメロディーも大好きなバンドなので、これからもたくさん訳していきたいと思います。

添付した動画は2003年のGlastonburyです。最後の盛り上がりの部分、照明さんよくやってくださいました…!ジョニーのブチ切れっぷりが素晴らしいです。

 

 

 

Fake Plastik Treesとは全く関係ありませんが、なんとなく同じ雰囲気を感じたので『ミスター・ロンリー』を載せます。

 

あまり有名ではないこの作品ですが、監督は『ガンモ』で美しくも気持ち悪い映像をみせた映画界の不思議ちゃん、ハーモニー・コリンです。

マイケルジャクソンに憧れマイケルのそっくりさんとして生きる男性が、マリリンモンローに憧れマリリンとして生きる女性に出会う という物語です。

ストーリーからして笑っちゃう感じですが、それでも不思議ゲテモノ映画で片づけてしまうのはもったいない、とてもエモーショナルで切ない人生の映画だと思います。

僕以外の誰かになりたい、大好きな憧れの人の人生を生きたい…そんな思いがありながら、結局は自分の人生を自分でいきなければならないという、不器用で痛々しい人々の生き方をゆっくりと描いています。

ジェームズディーンやチャップリンなど、他にも何人かそっくりさん仲間が出てくるのですが、このそっくりさん達は全員(自称)なのでもれなく全く似ていません。そんな人たちの生活模様は笑っていいのやら引いていいのやらでもう見ていられないくらい痛々しいです。

ちなみにチャップリンはマリリンの旦那さんです。

こちらは予告編ですが、私はこの映画の「かりものの人生の、ほんものの幸せ」というコピーが大好きで、初めて見た時はこの映画の本質をついた素晴らしい言葉だなあと惚れ惚れしました。

fake plastik loveという、作り物の空っぽの自分が本物に見える君に感じる愛、というFake plastik treesの歌詞の雰囲気となんとなく似ている気がました。

もはや選んだ理由はその一点のみです。

 

今回ちょっと語りすぎてしまいました。すみません。

もっといい訳、もっとぴったりな映画がたくさんあると思うのでぜひぜひ教えてください羊