子どもたちと愛をはぐくむあなたへ




先日、

皮膚科に行きました。
夕方の待合室は、
人が少なく静かでした。





その静けさを
やぶるように
入ってきた
お母さんと1歳くらいの男の子。



男の子は、

自動ドアから入るやいなや
大きな声で泣き出しました。



お母さんは、
だっこしながら

「だいじょうぶ。
だいじょうぶだよ。

今日は、ちっくんしないから。
だいじょうぶだよ。」



落ち着いたやさしい様子で
何度も何度も
なだめていました。




それでも、男の子は、
全く泣き止みませんでした。



「注射の痛い思い出が
あるんだなぁ。」と、

思っていると、



突然、お母さんが


「じゃあ、おうた、歌おうか?
何がいいかな?じゃあ…」


そう言って、歌いはじめました。



「あたま、かた、ひざ、ぽん…」






ろう学校で
幼稚部の子どもたちに

よく歌って聞かせていた
思い出の
手遊び歌のひとつでした。



すると、

男の子の泣き声が
ピタッと止まりました。



そして、


楽しそうに声をあげて、
笑い出しました。




あんなに大声で泣いていたのに…


まるで
魔法を見ているみたいでした。



大好きなママが、
大好きな声で
大好きな歌を歌ってくれる。



それは、
こわかった思い出も
一瞬で
吹き飛んでしまうくらいの
幸せな愛の歌声



音程が正確じゃなくても

リズムがあってなくても


大好きなママの歌う歌って、
子どもたちにとって、

「とっても心地よい響き」

なんですよね


病院内に響き渡るくらい
全身で泣いていた男の子

その泣き声を一瞬で
笑い声に変えた歌声。



「幸せな瞬間」に立ち会えました。




障害があっても
子どもたちは、
歌が大好きです。


障害があるお子さんたちが、

大勢でうたうと
とてもにぎやかになります。



音程もリズムも気にせずに

身体をゆらしたり、
手をたたいたり、
ジャンプしたり、


ほんとに楽しそうなんです


いっしょに歌っていると、

ついつい
笑顔になってしまいます。



ただ  ただ  歌を楽しんで、

心がときはなたれる感覚





今、
音楽の時間に
歌を歌うことはできません。



音楽は、
楽器の演奏や鑑賞の時間に
なっています。


子どもたちと
また、楽しく歌をうたう



そんな日がはやく来ることを
願っています。



つらいとき、
悲しいとき、


歌の力を思い出して
その力を借りてみるのも


いいと思います。



歌の力は、

すごいです。


「不安」や「おそれ」を

一瞬で取り払える「愛」の力


「歌」には、そんな力があると思います。





大好きなあなたも

あなたの大好きな子どもたちも

もっともっと幸せになれました。