全国数名の読者のみなさん,こんにちは。

 

最近,訪韓していないので,今回はこのブログでもたびたび記事にしています鉄道に関してです。

 

鉄男,鉄子でない方はここで退出願います。

 

 

2016年から,SRTという新しい高速鉄道が営業運転を開始しました。

 

このSRTKTXと何が違うの?と多くの方から問合せをいただいておりますので,その件に関して書きたいと思います。

 

 

SRTですが,水西(江南や蚕室のやや南)と釜山を結ぶ高速鉄道で,天安牙山以南は従来のKTXと全く同じ路線を走ります。

 

逆に言えば,釜山から大田ぐらいまでなら今までのKTXと何にも変わらず,単に列車の本数が増えたと考えて構いません。

 

結局,ソウル駅まで出るのが面倒な江南に住む大金持ちが

 

「ちょっとぐりゃあなら出資したるがや。だで,わざわざソウル駅まで行かんでもえ~ような路線を新設しろて!」

 

と名古屋弁でゴネたかどうか知りませんが,とにかく,水西から天安牙山あたりまでの高速鉄道専用線を作ったのです。

 

 

確かに江南地区に住む人が釜山に行く場合,高速バスだと4時間半。KTXでもソウル駅までの時間を考えると4時間ぐらいかかるので不便ですけど。

 

というわけで,江南地区に住む”韓国人”の利便性向上のために”ほぼ税金”を投入して新設したのでしょう。

 

”ほぼ税金”と書いたのは,韓国鉄道公社(Korail:日本の国鉄に相当)が75%出資し,残りをSRという会社が出資してるようなのです。

 

天安牙山以南はKTXと完全にかぶるため,天安牙山から南(釜山方面,木浦方面)KTXとの競争になります。

 

日本でもJR(国鉄)と私鉄の併走区間では,運賃を安い私鉄に合わせるために料金を安く設定していることをご存知の方も多いでしょう。(例えば京都-大阪,大阪-神戸,岐阜-豊橋など。それをうまく活用して区間を分割して乗車券を購入すれば,普通に乗車券を買うより格安でJRに乗ることができます。お問合せお待ちしております。)

 

これは私の考えですが,SRTもこの例のように,路線がかぶる天安牙山から南の区間では,KTXよりも料金を安く設定し,KTXよりSRTを利用してもらうためだと思われます。出資に対するリターンを稼ぐ必要もあるわけだし。ちなみに割引率は10%前後。最大で15%程度です。

 

考えられるもうひとつ理由は,KTXは自由席と指定席があり,当然指定席のほうが高いわけです(日本ほど差はないが)。しかし,SRTは全席指定席なので,ここら辺を考慮すると,全体として少し安く設定できるのだと思います。

 

5000円の自由席100枚,5500円の指定席100枚の計200枚のチケットと,5250円の指定席200枚のチケットは売上げ的には全く同じですよね。

 

Q.車両の違いはあるのでしょうか?

 

A.はい,あります。(いきなりQ&A方式w)

 

SRTは使用している車両が主に湖南線で使用しているKTX山川(サンチョン)と同型で,車体の色が白・あずき色(ここがイイ!)で,一般室(普通車)の全席コンセント完備,車内も明るく,シート前後の間隔も若干広くなっています。

 

特室(グリーン車)も明るい雰囲気ですが,リクライニングが従来のKTXと異なり,背もたれ部分がそのまま傾く構造になっていて,後ろの座席の方に若干気を使います。KTXは,お尻部分が前にスライドして角度を稼ぐタイプなので,後ろの方には何の気兼ねもなくリクライニング全開できます。

 

KTXの初期の車両はフランスのTGV型20両編成。KTX山川は韓国国産の車両で10両編成。KTXで不評だった回転できないシートはKTX山川では見直され,進行方向に対して正対できるようになりました。

 

そんなこんなで,韓国に行ったら料理やカフェ,コスメ,お酒だけでなく,鉄道の旅を楽しむのもオススメです。