(第二景)
⒐

小学三年生・藍
浅香家の執事・信濃
藍の姉・ゆう
藍とゆうのボディーガードで、ゆうの元彼氏・太田
4名。

ロビー下手から太田、少し離れてゆう・藍・信濃の順に並ぶ。

太田「すみません」
太田が頭を下げて謝ると、『プー』とオナラの音がする。

太田「すみません、まさかヘロナに感染しているとは…タラー
ゆう「私の方こそ、さっきはごめんなさいタラー

 

ゆうたちは医者を呼んだようで、
ゆう「お医者さんが来てくれるから」
信濃「ヘロナ用の注射を持ってきてくれるみたいですよ」

太田「(オナラをしないようお尻に力を入れておきます。すみません」
太田が頭を下げて謝ると、また『プー』とオナラの音がする。

すると、藍が太田に対し冷たい言い方で、
あい「帰れよ!屁こきえーニヤリ」 笑い泣き
信濃「言い方!」


太田を診察するために花月病院の医師・辻本(辻本茂雄)が現れ、自己紹介する。
辻本「手術に失敗するので、ニックネームは殺人鬼ですニコニコ
信濃「ダメじゃないですか!アセアセ
辻本「嘘ですニコニコ

辻本「仲間からは『J』って呼ばれていますニコニコ
信濃「J?」
辻本「ジェイソンのJですニコニコ
信濃「殺人鬼じゃないですか!アセアセ
辻本「冗談ですニコニコ

 

医師・辻本は変わり者キャラのよう。


辻本「で、どなたが?」
太田「私です」
と太田が辻本に近づくと、辻本が手のひらを前に出し、
ヘロナ感染している太田から距離を取る。
辻本「あまり近づかないでくださいパー



辻本「では診察しましょう」
辻本が診察用のクリップボードとペンを手にする

辻本「ソファに体育座りしてください」
客席から横向きに見えるように、太田が長ソファで体育座りする。
辻本「前に屈んでください」
太田が丸くなる。
辻本「もっと」
太田が更に丸くなる。
辻本「もっと!」
太田が一層丸くなる。

辻本「分かりました」
クリップボードに筆記しながら、
辻本「引き篭もりですニヤリ」 笑い泣き


太田「あなたがやれ言うたんでしょ!アセアセ


辻本「上着を脱いでください」
太田「…?」
太田が上着を脱ぐ。
辻本「上着を着てください」
太田「…?」
太田が上着を着る。

何回が繰り返すうち、
太田「さっきから何させられてるんですか!プンプン

辻本「分かりました」
クリップボードに筆記しながら、
辻本「反抗期ニヤリ」 笑い泣き


太田「なんでですか!アセアセ


辻本「笑って」
辻本「泣いて」
辻本「怒って」
これを何度も繰り返させる、辻本。

辻本がクリップボードに筆記しながら、
辻本「情緒不安定ニヤリ」 笑い泣き

信濃「さっきから何してるんですか!、ちゃんと診てください!」
辻本「冗談ですウインク
辻本「診察時は緊張される方が多いので、緊張を解きほぐしているんです」


辻本「四つん這いになって、オナラをしてください」
太田がソファで四つん這いになり、辻本が聴診器を太田の肛門に当てる。

『ブー!』
辻本「ほほほっ!チュー
太田のオナラになぜか歓喜し、テンションが上がる、辻本。 笑い泣き

『ブー!』
辻本「ほほほっ!チュー

『ブー!』
辻本「ほほほっ!チュー

辻本が聴診器を下げ、
辻本「、ヘロナですニコニコ
信濃「そりゃそうでしょタラー」 笑い泣き
辻本「いえ、普通のオナラとは音が違いますニコニコ


辻本が太田に対し、
辻本「注射を打つので手を出してください」

太田は袖のボタンを止めたまま。
辻本「なんで次の段取りしてないんですか?(苦笑)」 笑い泣き
太田「…アセアセ
緩めでにこやかなダメ出しも、太田が慌てて袖を捲る。


辻本は舞台と客席両方に話すように、
辻本「ワクチンにはヘデルナとヘイザー、二種類あって、」 笑い泣き
辻本「ヘイザーはすぐ埋まるんですけど、ヘデルナは警戒されがちです」 笑い泣き
辻本「でも、どちらでも大丈夫です。打つことが大事ですニコニコ

信濃「先生、注射は?」
辻本「忘れましたニコニコ
信濃「えっ?」
辻本「直ぐ取ってきます!ウインク

辻本がポケットから薬瓶を取り出し、太田に渡す。
辻本「注射を取ってくるまで、これでお願いします」
辻本「一時的に屁を止める薬です。屁が出なければ感染しませんので」
辻本「ただ、短時間しか効かないので注意してください」

辻本が急ぎ足で注射を取りに向かった。


信濃「全く、なんちゅう医者や!えー
すると、辻本が下手袖から現れ、
辻本「辻本や!ニヤリ」 笑い泣き
信濃「びっくりしたっ!アセアセ

辻本が去っていった。


その7に続く