⒎
⑴
景子と英治の紹介が終わったところで、
今度は、長男の佳輔(吉田佳)が数年ぶりに旅館に戻ってくる。
長身の佳輔は20代後半の好青年に見え、景子同様清水家の育ちの良さが窺える。
(リアルでは、今公演の台本制作も兼任)
佳輔「ただいま」
すると、清水より先に茂造とアキコが
茂造「おかえり、」
茂造・アキ「佳輔!」
大島「だから、なんで知っとんや!」
佳輔は新人アルバイト茂造夫妻のことを当然知らず、
佳輔「…誰ですか?」
すると、茂造たちが挙手しながら、省略気味に
茂造「茂造」
アキ「アキコ」
茂造・アキ「夫婦」
大島が佳輔に説明し直す。
大島「アルバイトの茂造さんとアキコさん」
佳輔が茂造たちに自己紹介する。
佳輔「長男の佳輔です」
⑵
清水「佳輔、おかえり」
佳輔「親父、ただいま」
佳輔「シェフからお墨付きを得た料理、後で試食してほしい」
清水「それは楽しみやな」
茂造が佳輔に尋ねる。
茂造「試食ってどんな料理?」
佳輔「夏のフグとも呼ばれる高級魚・コチを使った~」
と、ここからフランス料理名の長台詞。
(作り手の意図どおりだが)演者も観客も料理の絵が一切浮かんでこない。
佳輔「(省略)~を食べて欲しいんや」
清水「…(ポカン)」
清水「…、これは旅館の目玉になりそうやな」
茂造「分かってへんやないか!」
茂造がマキザッパで清水の後頭部を叩く。
次の瞬間、
茂造「油断するなよ!」
と、テーブル席に座る英治の頭をマキザッパで思い切り叩く、茂造。
茂造「ズル剥けやから、めっちゃええ音する。(苦笑)」
何かにつけて叩かれる、英治。
⑶
(佳輔→←清水←←茂造・アキコ、の立ち位置で)
佳輔が清水に対し、
佳輔「親父、大切な話があるんや」
清水「…?」
佳輔「実は結婚したい人ができたんや」
佳輔「挨拶したいって言ってるから、会ってくれるか?」
清水「えっ?」
茂造が佳輔に対し、
茂造「(相手、)呼びなさい!」
圭輔「はい」
大島「なんで言うこと聞くんですか!?」
佳輔が旅館入り口通路に呼び掛けると、
肉襦袢のような肌色ドレス?を着た中年女性・サキ(五十嵐サキ)が現れ、
客席が大きく盛り上がる。
サキ「失礼します」
茂造「トドやん!」
ここから、
・ザット イズ ア シーライオン
・何なのよ、あなた!→あなたの調教師です
・アザラシ?→いがらしよ!
・ザッザッザッ、ビチャビチャビチャ
・鳴き声アアアー→アーアー
等、定番ネタで沸かせる。
⑷
清水がサキに対し、
清水「あの、お幾つですか?」
清水「50です」
清水「50!?、同い年!?」
茂造「反対や! なあ、オーナー!」
清水「あっ…ああ、はっ、反対や!」
茂造が英治の頭をマキザッパで叩き、
茂造「どけ!」
と、テーブル席から強制的に退かせる。
次にサキに対し、
茂造「座れ!」
サキがテーブル席上手側に座る瞬間、後ろで「ブッ!」とオナラの音を作る、茂造。
大島「子供か!」
佳輔もテーブル席下手側に座る。
⑸
茂造が佳輔を尋問する。
①
茂造「どこで出会ったんや!」
佳輔「料理修行中、どうしても食べすぎてしまうので、」
佳輔「ダイエットで通ったダンス教室で出会いました」
茂造「えっ、ダンス!?」
茂造のキーワード『ダンス』をきっかけに、NiziU『Make You Happy』が流れ、
佳輔とサキが笑顔で舞台最前に出て、楽しげに踊り始める。
観客も手拍子で加わる。
佳輔の方は終始軽やかだが、サキは次第に疲れ始め、
仏壇を拝むようなポーズを見せ始める。
NiziUのPVを知っていると面白さが倍増する場面。
茂造の着信音だったようで、音楽終わりで倒れ込む、サキ。
茂造「アザラシ、ちゃんと踊れてない!」
茂造「途中、拝んどったぞ!(苦笑)」
大島がサキに声をかける。
大島「大丈夫ですか?」
サキ「すみませんけど、起こしてください」
大島「自分で立てないんですか!?」
サキ「はい」
大島が仕方なく起こし上げると、
サキは息切れしながら椅子に座り、スカートを足首まで下ろす。
茂造「前から見たら、オバQや!(苦笑)」
②
サキ「はぁ、はぁ…」
サキが茂造に対し、
サキ「ストレス発散には、ダンスで体を動かすのが一番なんです」
茂造「体を動かしてたら、デブにはならんやろ」
茂造「ちゃんと習ってんの!?、ダンス!」
すると、再度、NiziU『Make You Happy』が流れ、
佳輔とサキが笑顔で舞台最前に出て、踊り始める。
佳輔の方は終始軽やかだが、サキは早急に疲れ始め、
力士のごっつぁんポーズを見せ始める。
(黄色スーツ・アキのお神輿ネタの時のように)楽しそうに見守る、茂造。
やはり、茂造の着信音だったようで、音楽終わりで倒れ込む、サキ。
茂造「アザラシ、ちゃんと踊れ!」
茂造「勝利した力士みたいなポーズしやがって!(苦笑)」
サキが大島を見る。
大島「自分で起き上がれないなら、倒れんといてください!(苦笑)」
大島が仕方なく起こし上げると、
サキは息切れしながら椅子に座り、スカートを足首まで下ろす。
③
ここで、茂造は座っている佳輔の着ている服が気になり、
茂造「素敵なジャケットですね」
と、襟元を捲って覗き込み、
茂造「メイドインU.S.A?」
すると、「♪U-U-U.S.A」とDA PUMP『U.S.A』が流れ、
佳輔とサキが舞台最前に出て、踊り始める。
佳輔の方は終始軽やかだが、
サキは最初から疲れていて、ぎこちない動きをする。
その様子を楽しそうに見守る、茂造。
やはり、茂造の着信音だったようで、音楽終わりで倒れ込む、サキ。
茂造「男性の方は軽やかやけど、」
茂造「アザラシの方はチェーンの切れた自転車漕いでるみたいや!(苦笑)」
足を東向き(客席から見て←)にして仰向けになったサキが、
北向き(↓)にサキを見る大島に対し、自分を起こすよう視線を向けアピールする。
大島「こっちを見ないで、自分で起きてください」
すると、サキが床上でクルリと90度回転し、足を(↑南向きに)大島の方に向ける。
茂造「それは(軽やかに)出来んねや」
サキは自分で起き上がるつもりはないようで、大島が仕方なく起こし上げる。
サキは息切れしながら椅子に座り、スカートを足首まで下ろす。
④
茂造が畳み掛ける。
茂造「ほんま、体、ダイナマイトやで!」
すると、BTS『Dynamite』が流れ、
佳輔とサキが舞台最前に出て、踊り始める。
佳輔はあくまで軽やかに、
一方、サキはリズムに動きを合わせる余裕が無く、終始苦しそうに踊る。
その様子を楽しそうに見守る、茂造。
やはり、茂造の着信音だったようで、音楽終わりでサキが倒れそうになるが、
大島が間一髪、サキの背後から両脇に手を入れる形でサキの転倒を防ぐ。
サキの奮闘と大島のカバーに客席から拍手が起こる
茂造は大島に対し、
茂造「(サキの)脇、ビチャビチャやろ?」
サキが息切れしながら椅子に座り、スカートを足首まで下ろす。
⑹
四曲踊り終わり、それでも爽やかな表情の佳輔と、息も絶え絶えのサキ。
佳輔が爽やかに、
佳輔「サキさんのような素敵な女性と出会えて、幸せです」
茂造「この空気でよう言えたな!(苦笑)」
サキ「わっ、私もよ」
茂造「死にかけやないか!(苦笑)」
サキ「失礼ね!」
茂造「やかましいわ!、カブトムシの幼虫みたいな体して!」
(↑サキは中途半端に痩せた段階で、今は三段腹の状態であるため)
アキ「茂造、それは言い過ぎでしょ!」
と、ここから『カブトムシの幼虫チャンピオンベルト』の件に。
⑺
景子が高齢の英治を連れてきたのみならず、
佳輔が中年のサキを連れてきたことについて、清水は困惑し、
清水「なんでこんなことになったんや…!」
と、片手で顔を覆う。
茂造「ははっ、食べ過ぎや」
サキのお腹をマキザッパで指す、茂造。
清水が気にしているのは、サキの体型ではなさそうだが。
⑻
茂造のテンションが上がり始める。
茂造「これは面白くなってきたぞ!」
茂造「長女が連れてきたのは、ズル剥け息切れジジイ」
茂造「長男が連れてきたのは、カブトムシの幼虫」
茂造「次男はどんなバケモン連れてくるんやろ~!?」