⒑
⑴
屋台のアルバイト・アキコ
大将・大島
二人。
3年前に自分のもとから消えた彼女を探している、忠志が現れる。
忠志「すみません、もう一人探している人がいまして…」
忠志「妹なんですが」
アキ「もしかして、刑事?」
忠志「はい」
アキ「だったら、忠志さんの彼女を探していますよ」
忠志「妹が探してくれているのか。嬉しいな」
アキ「意味が違います」
アキ「あなたは素敵な思い出として、彼女を探しているかもしれない」
アキ「でも、妹さんは、詐欺の犯人として探しています」
忠志「それは、どういうことですか!?」
忠志が直子に電話を掛ける。
忠志「もしもし、直子か!?」
忠志「すぐに来てくれ!」
⑵
忠志が電話を切った直後、直子が現れる。
忠志「直子、俺の彼女に何やってんねん!」
直子「詐欺師だから、追ってるのよ!」
と、高橋靖子と書かれた靖子の指名手配書を見せる。
忠志は手配書の写真と名前を見て、
忠志「…誰や?」
直子「お兄ちゃんの前から消えた女よ!」
忠志「偽名やったんか…?」
忠志「顔写真は似ているように思うけど…」
忠志は靖子のことを彼女とは言い切らず、
その後の展開に幅を持たせ続ける。
⑶
警官の伊賀がハンディファンを持ち、戻ってくる。
伊賀「(靖子は)居てなかった」
大島「扇子から扇風機に変わってる!」
伊賀がハンディファンを前に出し、
伊賀「名付けて、『台風』!」
観客から募集した三つのお題(甲子園・台風・すいか)のひとつをクリアする。
残りは甲子園のみに。
⑷
忠志「写真は多分、彼女やと思う」
忠志「でも、彼女はそんなことをする人じゃない!」
直子「お兄ちゃん、何をいってるのよ!」
直子「この女(=靖子)から、千枚お札を買わされたじゃない!」
大島「千枚限定なのに、僕も二枚買ってますよ?」
アキ「忠志さんは、千枚分のお金を請求されただけかもしれない」
アキコが何とか辻褄を合わせようとする。
⒒
⑴
屋台のアルバイト・アキコ
大将・大島
彼女を探している、忠志
兄・忠志の彼女を詐欺容疑で追う、刑事の直子
警官・伊賀
五人。
そこに、『掃除のおっちゃん』・池乃(池乃めだか)が
自分より丈の短いほうきを持ち現れる。
ほうきを立てながら、皆に尋ねる。
池乃「なんで、このほうきを持っているか、分かるか?」
全員「…?」
池乃「優越感に浸れるからや」
⑵
池乃「腹減った」
アキ「食べていきます?」
池乃「たこ焼きをひとつ貰おうかな」
池乃「そやけど、」
池乃が一言セリフの入った箱から紙を一枚引き、書かれたセリフを喋る。
池乃『こってりラーメン食べたら、喉めっちゃ渇くねん』
池乃「…」
池乃「実は食べてきたんや」
池乃「喉が渇いたからって、水だけも貰うのも悪いかと思ってね」
⑶
忠志が靖子の手配書を池乃に見せる。
忠志「この人、見ませんでしたか?」
池乃が上手袖を見て、
池乃「向こうで見たわ。…でも、詐欺師には見えんかったな」
忠志「ありがとうございます!」
忠志・伊賀・直子が靖子を探しに上手袖に消える。
⑷
大島が池乃にたこ焼きを渡す。
池乃「熱っ!」
アキコが池乃に、
アキ「熱々のたこ焼きを食べるええ方法、知ってます?」
アキ「それは、」
アキコが一言セリフの入った箱から紙を一枚引き、書かれたセリフを喋る。
アキ『マクドはチーズバーガーに限るね』
アキ「…(苦笑)」
またしても、言葉を失う、アキ。
⑸
大島が池乃に、
大島「ゆっくりしていってくださいね」
⒓
⑴
奈臣実がガラポンを回しにくる。
大島に100万円の札束を渡す、奈臣実。
奈臣「家が金持ちなんで」
なんとしても舞台上に居たい心理も働く時間。
奈臣実がガラポンを回す。
大島「大当たりです!」
奈臣「景品、何?」
大島「このお店(=たこ焼き屋台)です」
アキ「冗談ばっかり」
行き過ぎたセリフをアキコが即座に修正する。
⑵
大島が奈臣実に尋ねる。
大島「あなたは刑事じゃないんですか?」
奈臣「女子高生です」
直子は、女子高生にも成りすます程、手の込んだ潜入捜査をしている様子。
その7に続く