誰も居ない、ロビー。

院長・高井が怒りながら現れる。
後ろから幸恵と景子も現れる。
高井「(出産は)絶対、許さんからな!プンプン
幸恵「お父さん、ちょっと!アセアセ
景子は不安そうにしている。

騒ぎを聞いた大島がバックヤードから現れる。
個室の準備を終えた花子も下手奥通路から現れる。


景子の彼氏・翔太が病院に戻ってくる。
翔太「景子ちゃん、さっきは逃げてごめん!アセアセ
翔太「でも、やっぱり、景子ちゃん一人に背負わせるわけにはいかない!」

高井「よくも大切な娘を!プンプン
翔太「すいません!アセアセ
高井が翔太の胸ぐらを掴み、
高井「亡くなった妻も景子を応援してたんやぞ!」
高井「お前のせいで、バレエで日本一になる夢も奪われてしまう!」

幸恵「お父さん、やめて!アセアセ
幸恵「翔太君も勇気を出して戻ってきたのよ!」

高井が翔太から手を離す。

翔太「話を聞いてください!、お父さん!アセアセ
高井「お前に『お父さん』と言われる筋合いは無い!プンプン

花子「じゃあ、お母さん?口笛笑い泣き
高井「黙っとれ!ムキー


そこに、平山建設の社長・平山が現れる。
平山「そろそろサインしていただけないでしょうか?」

平山は翔太を見て驚く。
平山「翔太!びっくり
翔太「お父さん!びっくり
平山「翔太、お前、こんなところで何をしとんや?」

高井「おたくの息子が私の娘を妊娠させたんです!プンプン

平山「翔太、ほんまか!?」
翔太が頷く。
平山「翔太は悪くない」
平山「相手が翔太を誑かせたに決まっとる」
高井「なんやとーっ!プンプン

喧嘩になりそうなところを大島がなだめる。
大島「二人とも落ちついて!アセアセ
幸恵「今は、翔太君と景子が二人で話し合って気持ちを確かめ合うことが大事では?」

高井が冷静になり、平山に対し、
高井「院長室で話しましょう」

幸恵も景子たちのことが気がかりで、花子に現場を任せようとする。
幸恵「ここをお願いできるかしら?」
花子「データ入力で忙しいので、無理ですアセアセ

幸恵「人手が足りないわね…」


その時、病院入り口から辻本の声がする。
辻本「お任せください!ニヤリ

辻本「お手伝いは我々に!、」
本来はアキ・森田と三人で「お任せください!!!」を言うはずが、
言葉が揃わず、登場しない。

舞台袖を見て、演者が笑い出す笑い泣き

辻本・アキ・森田がヤクザの時と同じ色の女性用看護師服で登場する。
しかし、辻本だけは白タイツを履いておらず、すね毛だらけの生足が見えている。 笑い泣き笑い泣き

辻本「…履き忘れたんや。(苦笑)」
辻本「裏はドタバタやった。(苦笑)」
辻本『タイツは四階にあるから、もう間に合いません!アセアセ
辻本「そしたら、森田が『僕の履いてください!アセアセ』って脱ぎ出して」
辻本『僕、毛深く無いから大丈夫です!アセアセ
辻本『お前とワシではサイズが合わん!アセアセ

辻本「…しゃあないから、そのまま出てきたわ。(苦笑)」 笑い泣き

涙目になる、辻本。
アキ「アニキは泣いてない!ニヤリ笑い泣き

森田「下、見るなよ!ニヤリ
アキ「アニキの足、見んな!ニヤリ
毛むくじゃらの生足に注目させようとする、弟分の二人。 笑い泣き笑い泣き

辻本「…そろそろ脱毛行こう、思うてたとこやった。(苦笑)」 笑い泣き
辻本「初めてや、舞台でほんまに泣いたん。(苦笑)」 笑い泣き

台本に戻る。
大島「なんですか、その格好!?」
辻本「ワシらコスプレが好きやから、車に置いてたニヤリ

高井「入院患者さんに手伝っていただくわけには…」
辻本「困った時はお互い様じゃないですか、…『お父さん』ウインク
辻本・アキ・森田「まだ早い!、まだ早い!チュー笑い泣き

高井「では、お言葉に甘えて、お願いいたします」
幸恵「辻本さん、ありがとうございます」
辻本「水くさいことを言うな、『幸恵』ウインク
辻本・アキ・森田「まだ早い!、まだ早い!チュー笑い泣き
 
高井「緊急時は連絡してください」
辻本「分かりました」
幸恵「辻本さんって、頼りになる方ですね照れ

森田「アニキ、好感度!、」
辻本・アキ・森田「アップ、アップ、アップ!パーチュー笑い泣き

 




三人ヤクザの辻本・アキ・森田
売店店長の大島
看護師・花子
院長で、景子の父、高井
看護師で高井の娘、景子の姉の幸恵
景子と翔太
平山建設の社長で、翔太の父、平山。
十名。

辻本たちが病院を手伝う話をしているところに、
MRカンパニーのレイと椎森が現れる。
椎森は普段のカツラを被っている。

レイは平山に対し、
レイ「サインの件、院長を説得できましたか?」
平山「今はそれどころじゃないんです。もっと大切な話が…」
レイ「俺らは今日中にサインもらわんとあかんのや!プンプン
レイ「もう、ええ!俺らでやる!プンプン


レイたちのやりとりを見ていた森田が辻本に対し、小声で、
森田「チャンスですよ!ウインク
森田「アニキがあいつらを追い返したら、幸恵さんはアニキに惚れます」
辻本「よっしゃ、分かった!ニヤリ

レイが高井に近付こうとすると、辻本が遮断機のように手で道を塞ぐ。
レイ「やめろ、おいっ!…って、なんや、その格好!アセアセ

レイが辻本の毛むくじゃらの生足を見て、半笑いする。 笑い泣き

アキが病院のレイに対し、
アキ「下を見るなよ!ニヤリ笑い泣き笑い泣き
辻本「傷口に塩塗ってんの、お前や!。(苦笑)」 笑い泣き笑い泣き

辻本「看護師(=辻本)、看護師(=アキ)、家政婦(=森田)やニヤリ笑い泣き
確かに、森田だけ家政婦風に見える。
首をすくめて戯ける、森田。 笑い泣き


レイ「サインせえ!プンプン
辻本「せえへん言うとるやろ!プンプン

レイ「なんや、やるっちゅうんか!」

辻本「ワシを怒らせたら、嵐が起きるぜ!」
アキ・森田「ビュー!!チュー
と、服を引っ張り、はためかせる。

通常は少し引っ張るだけだが、
アキは、観客に辻本の毛深い生足を見せようとスカートを捲りあげる。
辻本はスカートを必死で押さえ抵抗するが、
アキの捲り上げが勝ち、辻本のスパッツまで見せる。 笑い泣き笑い泣き
辻本「待て、待て!アセアセ…セクハラやぞ!(苦笑)」 笑い泣き

滅茶苦茶したアキが小声で辻本に、
アキ「兄さん、すいません。(苦笑)」 笑い泣き
辻本「『兄さん』って、何やねん!(苦笑)」


もり「いてまうぞ!プンプン
椎森が辻本に殴り掛かると、
辻本ニヤリは椎森の手首を掴み、軽々と捻り倒す。
もり「痛たたっ!アセアセ
椎森はカツラを落とすが、気付いていない様子。

今度はレイが辻本に殴り掛かる。
辻本ニヤリはレイの手首を掴み、殴ろうとする。
幸恵「暴力はやめて!アセアセ
辻本「はいっ!おねがい
辻本が拳を下ろし、起立する。 笑い泣き


レイ「覚えとけよ!アセアセ
レイと椎森が逃げ去っていった。

辻本は床に落ちたカツラを見て、
辻本「カツラやんけ…」
辻本「あいつ、カツラ被っとったんかタラー

幸恵が辻本に感謝する。
幸恵「辻本さん、助けてくださって、ありがとうこざいます!おねがい

辻本「ホゥ!チュー笑い泣き
辻本「…キョロキョロ(→幸恵)」
辻本・アキ・森田「まだ早い!、まだ早い!チュー笑い泣き

森田「アニキ、好感度!、」
辻本・アキ・森田「アップ、アップ、アップ!バイバイチュー笑い泣き


高井が平山に対し、
高井「父親同士で話しましょう」

高井と平山が院長室に向かう。


景子が幸恵に対し、
景子「お姉ちゃん。私、赤ちゃんを産みたい!」
幸恵「出産したら、高校もバレエの夢も諦めることになるのよ?」
幸恵「覚悟はできてるの?」
景子が頷く。

幸恵「分かったわ照れ…私も説得してみるわね」
景子「ありがとう。(涙)」

幸恵が院長室に向かった。


大島が景子と翔太に対し、
大島「二人は店の奥でゆっくり話したら?」

景子と翔太がバックヤードに消える。

花子が大島に対し、
花子「私はお茶を入れるわね、あなたおねがい
大島「結婚してません!アセアセ
花子と大島も売店のバックヤードに消えた。

その様子を見ていた、辻本たち。
辻本「なんや。あの二人(大島・花子)、付き合ってんか」
アキ「そうみたいすね」
 
 
その15に続く