売店アルバイト・茂造
売店店長・大島
看護師・花子

三人。

高井と幸恵が院長室から出てくる。

高井は思い詰めた表情でテーブル下手の椅子に座る。
高井「どうか間違いであってくれ…」
辻本「院長…」
辻本が高井の背後に立ち、肩を軽く揉むように両手手を当て、
励まそうとするのかと思いきや、
辻本「間違いないって口笛笑い泣き

辻本「ワシの勘では妊娠3ヶ月ニヤリ


北代医師と景子が重い表情で処置室から現れる。
北代「妊娠3ヶ月です」

茂造「はい、正解!ニヤリ
と、売店のチャイムを『ピンポン』と鳴らす。 笑い泣き

大島「要らんこと、すな!アセアセ


景子が高井に対し、
景子「お父さん、私、赤ちゃんを産みたいの!アセアセ
高井「許さん!プンプン
景子「どうして…?」
高井「この歳で子供を産んだら苦労をすることが目に見えている」
高井「親が娘の幸せを願うのは当然や!」

景子「お父さん。エコー検査を見せてもらったの」
景子「私のお腹の中で、まだ小さな赤ちゃんが一所懸命に動いている姿が見えた」
景子「その姿を見て決心したの」
景子「『この子を産もう』っておねがい


茂造が大島を見て、
茂造「大島さん。エコー検査を見せてもらったの」
茂造「私のお腹の中で、まだ小さなサナダムシが一所懸命に動いている姿が見えた」 笑い泣き
茂造「その姿を見て決心したの。(涙)」
茂造「『サナダを産もう』って。(涙)」 笑い泣き

大島「勝手に産め!」
大島「ほんで、なんで泣きそうになってんの!?」 笑い泣き

 
 

⒔ 終

辻本・大島

高井・景子・幸恵

花子・北代

七人。

景子の出産について、親子の考えが対極になり答えが出てこない状況。

その時、永田の叫び声がして、入り口通路から走って入ってくる。
永田「イヤーッ!ガーンアセアセ

吉田・手島・谷川・サキが永田を追いかけてくる。
吉田「ぶち殺す!ムキー
手島「絶対逃がさんぞ!ムキー
谷川「俺の身体を返せ!プンプン
サキ「良輔さーん!アセアセ


永田は今度は下手奥通路に逃げ込み、吉田・谷川・サキが追う。

手島が下手奥通路に向かおうとすると、
茂造が仕掛けを発動させ、剣山のような茂造が通路入り口に現れ、
手島が腰を抜かす。
手島「何、さらすんじゃ!ムキーアセアセ


手島「大事な娘を捨てやがって、もう、許さんぞ!」
手島「先回りしてやる!プンプン
と、手島が階段を上っていく。

茂造に千載一遇のチャンスが到来。
茂造が壁を杖で叩くと階段が坂になり、手島が滑り落ちる。

茂造は観客席の方を見て、人差し指を上に掲げながら、
茂造「『今日中に落とす宣言』、達成!ニヤリ上差し笑い泣き

大島「言うてる場合か!アセアセ


第一部 終

 

 

暗転

 

 

 

・景子と翔太の恋、お腹の子供
・心と身体が入れ替わった、永田友梨と谷川良輔
・院長にレジャービル建設計画賛成のサインを迫る、レイと椎森
・松本の借金返済
・襲撃された組長
大小様々な問題が起こり、解決しないまま、第二部へ。


その12に続く