売店アルバイト・茂造
売店店長・大島
売店アルバイト・永田
院長・高井
看護師で院長の娘・幸恵
看護師・花子
六人。

松本が首を押さえながら、リハビリ室から戻ってくる。
松本「痛たた…」
花子「リハビリ、終わったんですね」
松本「はい」


ヤクザ風の出囃子が流れ、
ダダダダ…と大きな足音を立て、下手入り口通路から誰かがやってくる。

現れたのは、黄色い借金取り・アキ(アキ)。
アキ「ハァ…、ハァ…アセアセ

 

客席から大きな拍手が起こる拍手

大島がアキに応対する。

アキは息を整えた後、
アキ「なに~?口笛笑い泣き
大島「急に来て『なに~?』はおかしいです!」
アキ「急に来て『なに~?』はおかしいな。緊張してたみたいや、アッハッハ爆  笑
大島「…タラー
アキ「何、笑とんじゃい!ムキー
大島「笑ってませんけど…」
アキ「笑うてないんか。ややこしい顔やでえー
アキ「ちゃんとしようぜー!えー
大島「ちゃんとしてます」
アキ「その顔でちゃんとしてるんか?、…フフフッチュー笑い泣き

大島「…タラー


アキ「ちょっと待っとけ!えー
アキ「もう一人、連れてきてるから」

アキが入り口に呼び掛ける。
アキ「おーいっ!」

ダダダダ…と大きな足音を立て、下手入り口通路から誰かがやってくる。
現れたのは、緑の借金取り・森田(森田展義)。
森田「なに~?口笛笑い泣き

 

観客の大きな拍手が起こる拍手

アキ「今、俺が言うた~!爆  笑
森田「えっ、アニキ、『なに~?』言うたんすか!?爆  笑
アキ「同じこと言うた~!爆  笑
森田「アニキに呼ばれたから、『なに~?』って言うたんすけど」
アキ「さっき言うた~!笑い泣き

森田「さっき言うたんすか!?
森田「むちゃくちゃ恥ずかしい爆  笑アセアセ
顔を押さえる、森田。
森田の顔にポンポンと触れる、アキ。
仲睦まじく戯れ合う二人。 笑い泣き

アキ「もう~、お前は~!チュー
アキが森田の腰に手を回し、抱き上げる。
森田が嬉しそうにする。 笑い泣き

アキと森田は急にテンションを戻し、大島を睨みつけ、
アキ・森田「何、笑とんじゃい!ムキー
大島「全く…タラー


(森田・アキ→←大島・松本・茂造、という立ち位置で)
アキが松本に対し、
アキ「おい、松本ーっ!プンプン
茂造「なに~?口笛笑い泣き

茂造がアキと森田に近付く。
茂造「今、『辻本』言うたから!」
アキ「俺、『松本』言うた~爆  笑
茂造「えっ、松本言うた?」
アキ「『なに~?』も俺が言うた爆  笑
茂造「言うた?めっちゃ恥ずかしい爆  笑アセアセ
三人でキャッキャウフフする。 笑い泣き

茂造・アキ・森田は急にテンションを戻し、大島を睨みつけ、
茂造・アキ・森田「何、笑とんじゃい!ムキー笑い泣き

大島「茂造さんまで加わって!」
大島「こっちに戻ってきてくださいタラー
茂造が上手に戻る。

アキ「ジジイ、勝手に入ってくんな!ムキー
茂造「さっき、喜んどったやん!…二重人格やタラー笑い泣き


アキが松本に対し、
アキ「借金の300万、早よ返さんかい!」
松本「真面目に働いて返そうとしたんですけど、」
松本「交通事故で入院費も嵩んでアセアセ
アキ「知らんな!」

松本「もう少し待ってください!アセアセ
アキ「返されへんちゅうんかい!」
アキ「おい、森田!払わんかったらどうなるか、教えたれ」
森田「えっ…、ワシがすか?(苦笑)アセアセ
アキ「変な入り方すな(=「わかりました!」で入れや)えー笑い泣き

森田が松本に対し、
森田「地獄を見てもらうぞ!プンプン
松本「えっ?」
森田「自慢の拳で地獄を見せたらーっ!ムキー
森田が拳を振り上げ、松本に殴りかかる
…と見せかけて、
森田「♪アンコ~便りはぁぁぁぁ~っ口笛
と、『アンコ椿は恋の花』を歌い始める、森田。
松本「そっちのコブシかい!」
松本が弱いツッコミで森田を払いのけ、
森田が倒れこみ、恥ずかしそうにする。

一人の観客だけが暫くの間、大きな拍手を続ける拍手

茂造が森田に近付き、
茂造「お前が地獄見とるやないか!てっぺんハゲ!ニヤリ

茂造「お前のたった一人の熱狂的なファンが大拍手してくれた。(苦笑)」 笑い泣き
茂造「普通は拍手は広がるもんやニヤリ
茂造「広がらんから、熱狂的ファンも諦めて拍手を止めた。(苦笑)」 笑い泣き

茂造「帰れ、カッパーッ!ニヤリ

森田「帰りたいよ…(涙)」 笑い泣き


騒ぎを聞きつけ、北代医師が診察室から現れる。

アキが森田に対し、
アキ「下がっとれ!、俺が行くー!プンプン

アキが松本に対し、
アキ「返さんかったらどうなるか、きっちり教えたろやないかい!」
アキが松本に殴りかかろうとすると、『Bad』が流れ、
アキが軽快に踊り出す。

直ぐに『夢想花』に切り替わり、大島がアキをテーブルへと促す。

アキがテーブルに上がり、
大島・森田・永田・北代がテーブルの担ぎ役を務め、
『飛んで飛んで』のネタに。

観客も手拍子で盛り上げる。

アキ「一回、降ろして!アセアセ
四人が疲れてきて、茂造の方を見る。
四人とも茂造の着メロと気付いている体。
しかし、茂造は客席上方の一点を見つめ、顔を動かさない。
アキが手を叩き、大島たちが床に足を叩きつけ、音で茂造にアピールするが、
茂造は微動だにしない。 笑い泣き

すると、観客が手拍子を強め、飛んで飛んでの継続を要望。

再びアキが宙に舞う。
アキ「降ろせって!ガーンアセアセ
アキは大島の髪の毛を掴んでバランスを取る。
大島がアキの手を離そうと頭を動かすと、
アキは大島の髪を毟り、森田の頭頂部に振りかけて植毛しようとする。 笑い泣き

茂造はアキ達の方を見て、嬉しそうにしている照れ

『飛んで飛んで』を何度も何度も繰り返し、

四人がアキの乗ったテーブルを持ち上げる力が無くなってくる。
ようやく、茂造がスマホを取り出し、
茂造「もしもしー口笛

五人が倒れこみ、肩で息を整える。

全員の頑張りに優しい顔で拍手する、茂造照れ拍手


大島が茂造に対し、
大島「電話やったら、早よ出ろや!アセアセ
大島「全員、死にかけたわ!」
大島は観客に対しても、
大島「おたくらも共犯ですよー!プンプン笑い泣き

アキと森田が起き上がる。
アキは森田のお尻を押すように蹴り倒し、八つ当たり。 笑い泣き

アキが茂造に対し、
アキ「お爺さん!ムキー
茂造「はあいニコニコ
アキ「『はあい』じゃないでしょ!プンプン
アキ「何、その、お風呂から出てくる感じ!プンプン笑い泣き

アキ「どこ見てたの、ずっとーっ!ムキー
茂造「え~…、谷さん」 笑い泣き
アキ「音響の人やないか!ムキー笑い泣き
アキ「鳴らすタイミングとか、音響室とか、今どうでもいいでしょ!」 笑い泣き
アキ「見たかったら、プライベートで見て!」 笑い泣き

ここから、
・下手床の×印→アキ「一ヶ月前から練習してたでしょ!」
・手首の強い地域、弱い地域
等のネタの後、
アキ「お爺さん、早よ止めなあかんやろ!」
茂造「すいません!」
アキ「いぃよぉ~照れ

久々の二人での『いぃよぉ~』に観客が大きく沸く。

大島「いいんですか!?」
アキ「いいよー」
アキ「お爺さんが『すいません!』って言ったら、『いいよー』って」

アキ「話を続けます」
大島「…マイペースやなタラー


アキ「返せっちゅうとんじゃい!プンプン
松本「少しだけ待ってください!、知り合いにも当たりますんで!」
アキ「しゃあないな!…ちょっとだけ待ったるわ」
アキ「返済の段取りが付いたら、連絡してこいえー

アキ「森田、行くぞ!」
アキが先に去る。


森田が松本に対し、
森田「返せへんかったらどうなるかわかってるやろな!?」
茂造「どうなるんですか?ニヤリ
森田「えっ?(苦笑)」
逃げる森田を茂造が連れ戻す。 笑い泣き

茂造「返せへんかったら、どうなるんですか?」
茂造「松本さんも知っときたいと思うんで」
松本「はい」

茂造「どうぞ!ニヤリ
森田が松本を指差し、
森田「返せへんかったらー!アセアセ、」
森田「お前の自転車のサドル、前と後ろを反対にするぞ!アセアセ
全員「…(苦笑)」
展開上スベるべき場面で絶妙にスベる、森田。

すると、アキが戻ってきて、
アキ「お笑い、苦手なん?口笛笑い泣き

茂造「あんた、お笑い、苦手なん?」 笑い泣き

 

茂造が演者に促し、
茂造「あんた、お笑い、」
演者「苦手なん!」

茂造が観客にも促し、
茂造「あんた、お笑い、」
全員「苦手なん!!爆  笑

茂造が客席を見て、
茂造「めっちゃ参加するやん!びっくり(ニヤリ)」 笑い泣き

森田が観客に対し、
森田「苦手ですよーっ!アセアセ
と言い、逃げ去っていった。

茂造が入り口通路に対し、
茂造「次来る時は覚えとけよ!ニヤリ

茂造が北代に尋ねる。
茂造「お笑い苦手なんは、お医者さんでも治せませんか?」
北代「治せません」 笑い泣き


松本が高井たちに謝る。
松本「ご迷惑をお掛けしました」

松本「妻に相談してきます!」

松本が下手奥通路に消えた。

 

 

その6に続く