[セット紹介…第一部・第二部]

花月病院の『ロビー』。


舞台下手端・手前側…病院入り口通路

下手端・中央…診察室・MRI室・リハビリ室等、診療施設棟への通路

下手奥…入院病棟への通路

下手奥通路の右側…二階に上がる階段(左から右に掛けて上がる)

上手端・手前側…院長室等関係者用の通路

上手端奥側…売店
売店の奥に、バックヤードがある。


舞台中央…膝の高さほどのテーブル
テーブルを囲うように、四角い椅子×4


客席から見て下手端通路の左側壁…情報コーナー。書籍が飾られている

客席から見て売店の左側壁…マイコーヒーボトルの販売用展示棚


補足
一般的な辻本座長セットの改良型です。

 

 

[第一部 : 茂造編]
(敬称略)


 
キャラメルパッキングの曲『ツバサ』のボリュームが大きくなり、暗転。

辻本の掛け声(収録)。
辻本『辻本~!、新喜劇ーっ!!爆  笑
「新喜劇ーっ!!」の部分はエコーが掛かっている。

「♪ホンワカパッパ~」と通常の音楽が流れる中、幕が上がり、スタート。


舞台は、花月病院のロビー。

ロビー上手奥にある売店の店主、大島(大島和久)が中央テーブルを拭いている。
大島は、夏らしい水色のエプロンを着けている。
大島「今日は忙しいなあ」
大島「患者さんもお見舞いも多い」


ロビー下手端前側にある病院入り口通路から、
上下スウェットで首にコルセットをした入院患者・松本(松本慎一郎)が
バッグを持ち現れる。
松本「どうもニコニコ
大島「奥様、今日も着替えを持ってきてくださったんですね照れ
松本は入院が長期に及び、大島ともすっかり親しくなっている様子。

松本「コーヒーをお願いしますニコニコ

大島が売店奥のバッグヤードの方を見ながら、
大島「友梨さん、お願いします!」
永田『はーい!ニコニコ
男性が作ったような女性声が返ってくる。

大島が松本に怪我の状態を尋ねる。
松本「骨折した右手は治ってきたんですが、むち打ちの痛みがまだ…タラー


売店バッグヤードからお盆にコーヒーカップを乗せ、
永田友梨(永田良輔)が現れる。
永田「お待たせしましたー!爆  笑

永田は派手なメイクをして、スカート姿で紫のスパッツを履いていて、
オネエのように見える。

永田が松本に対し、
永田「綺麗な奥さんが今日も来てくださったんですね」
松本「友梨さんも綺麗ですよニコニコ
永田「そんな綺麗やなんて、もう、イヤやわあ~!爆  笑
と、お盆でおもいきり松本を叩く。
松本「痛ーっ!アセアセ
首を押さえる、松本。 笑い泣き

松本「何するんですか!アセアセ
永田「綺麗って言われたから、嬉しくて、つい~」

大島「だからって、むち打ちの患者さんに何てことを!アセアセ
大島「友梨さんは洗い物をしていてください!」

永田「すみませんでした!アセアセ
永田が松本に謝り、バックヤードに消える。


松本がコーヒーを飲んでいると、
リハビリ室のあるロビー下手端中央通路から、看護師の花子(山田花子)が現れる。

花子「松本さん。そろそろ、リハビリの時間よ?ニコニコ
松本「分かりましたニコニコ

花子は大島を見て、
花子「あっ、大島さんだ」
花子「二人っきりねラブラブ

大島「どこが!?」

空気を読んだ松本が上手端通路に消える。


花子と大島、二人。
花子「私を見ておねがい
大島が花子を見る。

花子「そんなに見つめないで…」
大島「あなたが『見ろ』言うから、見たんですよ!」

花子「大島さん、いつも私を見ているわおねがい
花子「そう、あの時だって…」
花子「♪ファン、ファン、ファン、ファン~」
と、花子による回想場面に。

花子は客席の方を見ながら、標準語のイントネーションで一人芝居を始める。
花子「あの夜は雨だったわ」
花子「『天気予報では曇りだったのに』なんて呟きながら、」
花子「雨宿りしようと屋根の下まで走ったの」
花子「雨宿りしていると、横に小さなケーキ屋さんが見えた」
花子「『だめ、だめ!今はダイエット中なんだから』…ぐっと我慢したわ」

花子「そのうち寒くなってきて」
花子「大通りまで出ればタクシーを拾えるんじゃないか、」
花子「そう思って、ジャケットを頭に被って走ったわ」
花子「タクシーに乗ることができて、家まで帰ったの」
花子「…」
ここで回想が終わる。

大島「出会ってない!タラー笑い泣き
大島「長々と一人で喋って!」


花子「私みたいなブス、付き合ってもらえないこと、最初から分かってたわ」
大島「そういうわけではないですタラー
花子「体だけが目当てなんでしょ?えー笑い泣き
大島「…(呆れ)」

花子「汗ばむわねラブラブ
花子「カモ~ン」
花子「早くしないと、花子が逃げちゃうぞ」
床に座り、誘惑しながら少しずつ距離を取る。

大島「そのまま、どっかに行ってください!」 笑い泣き

大島は上手端通路の方を見て、
大島「松本さん、帰ってきてください!アセアセ

松本が戻ってきて、バッグを客席側に置いて椅子に座る。
 
 
その3に続く