『諸太郎 VS アンドロイド!?』
[セット紹介]
典型的な『花月うどん店』のセットです。
舞台上手奥に、カウンター・調理場への通路。
舞台上手袖に、従業員の休憩場所やトイレへの通路。
舞台下手寄りに、レジと入り口(引き戸)。
店内レジ寄り・カウンター寄りに、それぞれテーブルと丸椅子。
店先の道路。
[物語]
(敬称略)
⒈
⑴
舞台は、花月うどん店。
啓之(清水啓之)と紀佳(宮内紀佳)のカップルがうどんを食べている。
啓「食べた、食べた。お腹いっぱいや!」
いつも通り、物語には存在しないはずの客席をがっつり見る、啓之。
紀「ごちそうさまでした」
啓「紀佳ちゃんは食べ方が綺麗やなあ」
紀「うちのオヤジが『飯食うときは行儀よう食べえよ』って、うるさかったんで」
啓「音を立てずに食べるし」
紀「うちのオカンが『静かに食わんかい』って、うるさかったんで」
啓「美味しそうに食べるし」
紀「うちのババアが…」
啓「さっきから、口悪いなあ」
紀「でさあ、貴様はさあ…」
啓「『貴様』!?」
(敬称略)
⒈
⑴
舞台は、花月うどん店。
啓之(清水啓之)と紀佳(宮内紀佳)のカップルがうどんを食べている。
啓「食べた、食べた。お腹いっぱいや!」
いつも通り、物語には存在しないはずの客席をがっつり見る、啓之。
紀「ごちそうさまでした」
啓「紀佳ちゃんは食べ方が綺麗やなあ」
紀「うちのオヤジが『飯食うときは行儀よう食べえよ』って、うるさかったんで」
啓「音を立てずに食べるし」
紀「うちのオカンが『静かに食わんかい』って、うるさかったんで」
啓「美味しそうに食べるし」
紀「うちのババアが…」
啓「さっきから、口悪いなあ」
紀「でさあ、貴様はさあ…」
啓「『貴様』!?」
紀「冗談よ」
⑵
啓之は水のおかわりが欲しいようで、店員を呼ぶ。
舞台上手袖の従業員用通路からまりこ(森田まりこ)が現れる。
ま「どうも~、森田まりこでした~」
通路から消えようとするまりこを啓之が止める。
ま「失礼しました!」
ま「森田まりこは旧姓で、今は信濃まりこです」
⑶
まりこがコップにお水を入れる。
ま「カップルですか?」
紀「はい。付き合って、3ヶ月です」
まりこは啓之を指差しながら、
ま「また、なんで、こんなんと?」
啓「失礼でしょ!」
ま「もちろん、良い意味でですよ?」
ま「誤解を生むので、いい直しますね」
再び紀佳に尋ねる。
ま「なんで、こんなブサイクと?」
啓「失礼や!」
啓「それを言うなら、あんたもゴリラみたいやないか!」
ま「なによーっ!」
掴み合いの末、ゴリラになる、まりこ。
啓「元に戻ってもらっていいですか?(苦笑)」
まりこが人類の進化を見せ、人間に戻る。
ま「ゴリラって言われたから、思わずゴリッちゃった」
⑷
啓之がまりこでは話にならないと、他の人を呼ぶ。
⑵
啓之は水のおかわりが欲しいようで、店員を呼ぶ。
舞台上手袖の従業員用通路からまりこ(森田まりこ)が現れる。
ま「どうも~、森田まりこでした~」
通路から消えようとするまりこを啓之が止める。
ま「失礼しました!」
ま「森田まりこは旧姓で、今は信濃まりこです」
⑶
まりこがコップにお水を入れる。
ま「カップルですか?」
紀「はい。付き合って、3ヶ月です」
まりこは啓之を指差しながら、
ま「また、なんで、こんなんと?」
啓「失礼でしょ!」
ま「もちろん、良い意味でですよ?」
ま「誤解を生むので、いい直しますね」
再び紀佳に尋ねる。
ま「なんで、こんなブサイクと?」
啓「失礼や!」
啓「それを言うなら、あんたもゴリラみたいやないか!」
ま「なによーっ!」
掴み合いの末、ゴリラになる、まりこ。
啓「元に戻ってもらっていいですか?(苦笑)」
まりこが人類の進化を見せ、人間に戻る。
ま「ゴリラって言われたから、思わずゴリッちゃった」
⑷
啓之がまりこでは話にならないと、他の人を呼ぶ。
現れたのは、大将の信濃(信濃岳夫)。
信「どうも、いらっしゃいませ!」
啓「ちょっと、聞いてください!」
信「どうも、いらっしゃいませ!」
啓「ちょっと、聞いてください!」
啓之が内容を言う前に、
信「失礼しました…ブサイクって言ったり、ゴリッたり」
啓「聞いてるじゃないですか!」
信「失礼しました…ブサイクって言ったり、ゴリッたり」
啓「聞いてるじゃないですか!」
信「最後の方だけ、ちょっと…」
啓「どこから、聞いてました?」
信「うちのオヤジが…」
啓「最初やないですか!」
信濃が謝り、一先ず、啓之の怒りは収まった様子。
⑸
啓之が二人分のお金を払い、帰っていく。
舞台下手袖で二人が立ち止まり、
紀佳が啓之に対し、
紀「奢ってくれて、ありがとう。私もお金、払うね」
紀「ここはあなたが払ってくれたから、次の映画は私が払ってもらう」
啓「全部、俺やん!」
二人が去っていった。
信「変わった人やったな…」
⑹
信濃がまりこに対し、
信「なんちゅう接客してんの?」
ま「エンターテインメントを楽しんでもらいたいのよ」
信「その前にちゃんと仕事して!」
ま「は~い」
啓「どこから、聞いてました?」
信「うちのオヤジが…」
啓「最初やないですか!」
信濃が謝り、一先ず、啓之の怒りは収まった様子。
⑸
啓之が二人分のお金を払い、帰っていく。
舞台下手袖で二人が立ち止まり、
紀佳が啓之に対し、
紀「奢ってくれて、ありがとう。私もお金、払うね」
紀「ここはあなたが払ってくれたから、次の映画は私が払ってもらう」
啓「全部、俺やん!」
二人が去っていった。
信「変わった人やったな…」
⑹
信濃がまりこに対し、
信「なんちゅう接客してんの?」
ま「エンターテインメントを楽しんでもらいたいのよ」
信「その前にちゃんと仕事して!」
ま「は~い」
⒉
⑴
信濃とまりこが休憩に入る。
まりこが従姉妹の早苗のことに触れる。
ま「今日、早苗が子供を預けに来るって言ってたけど、まだかな?」
ま「早苗はシングルマザーなのに、キャリアウーマンとして凄く頑張っているわね」
⑵
まりこの従姉妹、早苗(金原早苗)がキャリーケースを引きながら現れる。
早「こんにちは」
信「早苗さん、相変わらず綺麗やなあ」
早「はい」
信「すらっとしていて、子供がいるとは思えない」
早「はい」
信「…ちょっとは謙遜して。(苦笑)」
早「女性はこのくらい強気じゃないと、会社ではやっていけないのよ」
早「目標にコミットして、行動をオーガナイズして…」
信「あの、何を言ってるんですか?(苦笑)」
早「ごめん、ついつい仕事の癖がでちゃって」
⑶
早苗がまりこ達に感謝する。
早「一週間、海外出張になって…息子を預かってくれて、ありがとう」
ま「いいのよ」
早苗の息子の話になる。
信「子供は今年、幾つやったかな?」
早「7歳。小学一年生よ」
信「親戚で集まった時、まだ赤ん坊やったのに、早いなあ」
信「大きなったんやな」
⑷
早「来てるから、呼ぶわね!」
早苗が呼びかけてると、息子で小学一年生の諸太郎(諸見里大介)が現れる。
諸太郎は黄色い帽子を被り、
小さなランドセルを肩ベルトがちぎれそうな状態で無理矢理背負っている。
早苗が諸太郎に、
早「一週間、お世話になるところよ」
早「挨拶して」
諸「いちんしゃんしゃんしゃんもろっしゅ」
信「滑舌悪すぎへん?(苦笑)」
諸「初耳~」
⑴
信濃とまりこが休憩に入る。
まりこが従姉妹の早苗のことに触れる。
ま「今日、早苗が子供を預けに来るって言ってたけど、まだかな?」
ま「早苗はシングルマザーなのに、キャリアウーマンとして凄く頑張っているわね」
⑵
まりこの従姉妹、早苗(金原早苗)がキャリーケースを引きながら現れる。
早「こんにちは」
信「早苗さん、相変わらず綺麗やなあ」
早「はい」
信「すらっとしていて、子供がいるとは思えない」
早「はい」
信「…ちょっとは謙遜して。(苦笑)」
早「女性はこのくらい強気じゃないと、会社ではやっていけないのよ」
早「目標にコミットして、行動をオーガナイズして…」
信「あの、何を言ってるんですか?(苦笑)」
早「ごめん、ついつい仕事の癖がでちゃって」
⑶
早苗がまりこ達に感謝する。
早「一週間、海外出張になって…息子を預かってくれて、ありがとう」
ま「いいのよ」
早苗の息子の話になる。
信「子供は今年、幾つやったかな?」
早「7歳。小学一年生よ」
信「親戚で集まった時、まだ赤ん坊やったのに、早いなあ」
信「大きなったんやな」
⑷
早「来てるから、呼ぶわね!」
早苗が呼びかけてると、息子で小学一年生の諸太郎(諸見里大介)が現れる。
諸太郎は黄色い帽子を被り、
小さなランドセルを肩ベルトがちぎれそうな状態で無理矢理背負っている。
早苗が諸太郎に、
早「一週間、お世話になるところよ」
早「挨拶して」
諸「いちんしゃんしゃんしゃんもろっしゅ」
信「滑舌悪すぎへん?(苦笑)」
諸「初耳~」
信「ゆっくり喋ろうか」
諸「1年3組33番、諸太郎でしゅ」
諸太郎の名字は一体、何なのだろうか?
既に聞こえるようになっているが、一応、サ行ネタに。
信「サ行を飛ばすな!」
諸「シャ行はまだ、習ってへん…ヘッヘッヘ」
信「何、笑ってんねん。(苦笑)」
※
注記。
ここからは、諸太郎の喋りが理解できるようになったものとして、
例外を除き、普通の喋り方で記載します。
実際には、多少『しゃししゅしぇしょ』になっています。
⑸
まりこが諸太郎に優しい声を掛ける。
ま「なんでも聞いてね」
諸「ありがとうございましゅ」
信「小学校、隣町やけど、歩いていくの?」
諸「電車に決まっとるやろが!隣町やで!ちょっとは考えろや!バカか!?」
と、自分の頭を人差し指で突いて、信濃を挑発する、諸太郎。
信「対応、違いすぎへん?(苦笑)」
⑹
早「それでは、息子をお願いします」
まりこが早苗を駅まで送ることにする。
ま「早苗、ほんま綺麗やわ」
早「まりここそ」
早「ヒップはビッグで、足はショート。全体的にはキングコング」
ま「ありがとう」
信「ただの悪口やん!」
二人が舞台下手袖に消えた。
⒊
⑴
信濃と諸太郎、二人。
⑴
信濃と諸太郎、二人。
信濃が諸見里に話し掛ける。
信「それにしても大きいなあ。…身長、何cm?」
諸「…」
信「どうしたの?」
諸「…知らない人と喋っちゃダメって、先生に言われてるんで」
信「親戚のおっちゃんや!信濃岳夫!」
諸「シナモン食べお?」
信「信濃岳夫!」
⑵
諸「ねえ、シナモン。鬼ごっこやろうや」
諸太郎はローラーシューズを履いていて、凄い勢いで滑りながら信濃に迫る。
信「怖いから、やめて!」
信濃が舞台の袖に行くたび、諸太郎が反対側からローラーシューズで迫る。
信「デカいから、迫力が凄すぎる!」
諸「踵にローラーが付いてる」
諸「流行ってる時、買ってもらえなかった」
諸「最近、やっと買ってもらえた」
信「確かに最近、見かけんな。(苦笑)」
鬼ごっこをしたことで、諸太郎と信濃は打ち解けた様子。
⑶
まりこが早苗の見送りから戻ってくる。
丁度、お店の電話が鳴り、まりこが受話器を取る。
ま「はい、もしもし」
ま「パーキングの向かいです。お待ちしております!」
まりこが電話を切る。
信「何の電話?」
ま「家事仕事を手伝ってくれる機械が来るの!」
信「えっ?」
ま「吉本研究所って知ってる?」
信「ロケットとかの?」
ま「そう!」
ま「その吉本研究所が完成前の機械のモニターを募集していて、話を受けたの」
どうやら、吉本研究所の人間が近くまで来ているらしい。
その3に続く