吉田・信濃・諸見里が改めて自己紹介し合う。
吉「花月工業二年の吉田や
ニヤリ
信・諸「花月工業ーっ!?
ガーン
花月工業の悪評は二人にもしっかり伝わっているようで、
信濃は腰を抜かし、諸見里はおしっこを漏らす仕草をする。

二人が舞台下手袖に逃げる。

吉「何、逃げとんや!戻ってこい!
タラー

信濃が舞台下手袖から顔だけ出す。
吉「ひょこっと、顔出すな!」

信濃と諸見里が戻ってくる。


吉「よろしく!」
と、吉田は握手しようと前に手を出す。

信「僕ら、殴られるんですか?
ガーン
吉「殴れへん!握るんや!
タラー

信濃が恐る恐る近付き、何とか吉田と握手する。
信「おーっ!
爆  笑
歓喜する、信濃。

信濃は諸見里の元に戻り、
信「行け!行け!
爆  笑

今度は諸見里が恐る恐る吉田に近付き、何とか吉田と握手する。
諸「おーっ!
爆  笑
歓喜する、諸見里

諸見里は信濃の元に戻り、
諸「次、お前、もう一回や!
爆  笑

また、信濃が恐る恐る近付き、吉田と握手する寸前で、
信「無理、無理、無理、無理!
爆  笑アセアセ
と、吉田から離れ、諸見里と一緒にはしゃぐ。

吉「一回できたやろ!」
吉「何のゲームや!度胸試し、ちゃうぞ!」


吉田は二人が屋台をアルバイト先に選んだ理由が気になるよう。
吉「何で、ここを選んだん?」

信「昔、虐められて、自殺を考えたんです」
信「その時、たまたま、ここのラーメンを食べて、感動したんです」
信「それで、自殺をやめました」
信「今は、このお店の味を少しでも多くの人に伝えたいんです」

諸「勉強に行き詰まって、ストレスで自殺を考えたんです」
諸「その時、たまたま、ここのラーメンを食べて、感動したんです」
諸「それで、自殺を思い留まりました」
諸「僕も、このお店の味を少しでも多くの人に伝えたいんです」

吉「無茶苦茶、真面目やないか!」
諸「吉田さんは?」
吉「俺?」

吉「…えー
アセアセ
吉「毎日、喧嘩に明け暮れて、心が荒んでた」
吉「そんな時、たまたま、ここのラーメンを食べて、美味しくて感動した」
吉「喧嘩する気持ちが無くなった」
吉「このラーメンが広まったら、喧嘩が無くなるんちゃうかな、と」
吉「いや、戦争も無くなるんちゃうかな、と」
笑い泣き
吉「この店のラーメンを広めて、平和な世の中にしたいねん」

信「素晴らしい!
照れ
諸「感動した!
照れ


三人は友情が芽生え始めたよう。

(舞台中央で、諸見里→↓信濃↓←吉田、というポジションで、)
吉「ふんっ!」
吉田が拳を合わせようと、前に拳を突き出す。
諸「ふんっ!」
諸見里も拳を吉田の拳に合わせる。

信濃も拳を合わせるかと思いきや、
信「ふんっ!」
と、しなちゃんダンスの両手を左右に広げた時のポーズを取る。

吉「何してんねん!」
信「すみません!
アセアセ
信「いつもはお手伝いさんがやってくれているから…」
笑い泣き
吉「意味がわからん!タラー


信濃が吉田に対し、
信「僕のポジション、やってみてください」

(舞台中央で、諸見里→↓吉田↓←信濃、というポジションで、)
信濃と諸見里が拳を合わせる。

吉田は、
吉「ふんっ!」
と、しなちゃんダンスの両手を左右に広げた時のポーズを取る。
吉「なるな、ここ
爆  笑

信「なりません
えー
諸「あじゃとい(=あざとい)
えー


吉田が諸見里に対し、
吉「ほな、やってみいや」

(舞台中央で、吉田→↓諸見里↓←信濃、というポジションで、)
信濃と吉田が拳を合わせる。

諸見里は、
諸「シュッ!
グー
と、サ行を握り潰す仕草をする。

吉「新しいん、増えたで!
タラー

信「まあ、まあ。三人、仲良くしましょ!
ウインク
吉「そやな!
ニコニコ
諸「よろしくお願いします!
ニコニコ

 
 


瀧見が出前から戻ってくる。

瀧見は三人を見て、
瀧「仲良うなってるな。ええこっちゃ
照れ

瀧「しかし、忙しいわ」
瀧「出前中に、もう一件、出前が入った」
瀧「今から作るわ」
瀧見が屋台の厨房に入る。


安世も出前から戻ってくる。
安「疲れたー!
アセアセ
安「出前先、エレベーターが故障してて、階段で10階まで上がったの」
安「汗、掻いたわ」

瀧「これで、汗、拭き
ウインク
と、タオルを安世に渡す。
安世がタオルで顔や首の汗を拭く。


安世はエプロンを着けた信濃と諸見里を見て、
安「あれっ?この人達は?」
瀧「今日から働いてもらう、バイトの子や」

信濃・諸見里・安世が自己紹介し合う。


瀧見がラーメンを作り終え、
安世がタオルを長椅子に置き、花月ビルに出前に向かう。


瀧「吉田君、水汲み、お願いできる?」
吉田がポリタンクを持ち、水を汲みに舞台上手袖に消える。

瀧「信濃君と諸見里君は鉢下げをお願い」
瀧見から住所を聞き、信濃と諸見里が鉢下げに向かう(=舞台上手袖に消える)。

瀧「俺は夜の分の仕込みや」
瀧「痛たっ…
ガーン
瀧見がお腹を押さえる、
瀧「お腹、下したかな…
ガーン

瀧見がトイレに向かうため、舞台下手袖に消える。

ラーメン屋台に誰も居なくなる。
 
 
その5に続く