⒋
⑴
⑴
裕とアキコ、二人。
上半身は白Tシャツ、下半身はジャージ姿の役柄『クレーマー』、
客の圭吾(もじゃ吉田)が怒鳴りながら、中央奥の客室通路から現れる。
圭「おーいっ!どないなっとんねん!」
圭「ここの大判焼きを食うたら、顔が生えてきたぞ!」
圭吾の白Tシャツのヘソ部分から、薄っすら『ひょっとこ(のお面)』が見えている。
また、圭吾はTSUTAYAのレンタルバッグを持っている。
⑵
圭「どうすんねん!?」
ア「辛いね~」
裕「今、原因を解明しているところでして…」
圭吾は、TSUTAYAのレンタルバッグをアピールしながら、
圭「部屋で『となりのトトロ』を観ようとしてたのに!」
圭「あの名ゼリフを聞きたかったのに!」
と、一言セリフのボックスから短冊を取り出す。
圭『散髪したいなあ』
圭「…」
⑶
裕が圭吾に対し、
裕「取り敢えず、生活に支障は無いでしょ?」
⑶
裕が圭吾に対し、
裕「取り敢えず、生活に支障は無いでしょ?」
圭「支障あるやろっ!」
圭「どっちの顔で飯食うたらええんや!」
裕・ア「…」
裕・ア「…上」
圭「どっちの顔で鼻かんだらええんや!」
裕・ア「…」
裕・ア「…上」
⑷
圭「どうにかせえよっ!」
圭吾が客室に去っていく。
ア「『となりのトトロ』のセリフ、見つけてくださいね」
⑸
ア「えー!こんなこと、初めて」
ア「警察に電話しよっ!」
アキコがフロントから警察に電話をする。
ア「あっ、もしもし!」
ア「花月旅館の者ですけど、客のおヘソから顔が生えてきて…」
ア「来てくださいっ!」
ア「…はい」
ア「……はい」
アキはなかなか電話を切らない。
ア「…」
ア「………はい」
裕「(電話)長いなあ!」
アキコが電話を切る。
⑹
ア「電話で聞いたけど、顔生えた人、いっぱい出てるらしいわ」
ア「たいへんや」
アキコは原因不明の症状に命の危機を感じたのか、
ア「私、あなたに言いたいことがあったのよ」
と、一言セリフのボックスから短冊を取り出す。
ア『ファミマよりセブンイレブン派』
裕「今、言うことちゃうやろ!(苦笑)」
圭「どっちの顔で飯食うたらええんや!」
裕・ア「…」
裕・ア「…上」
圭「どっちの顔で鼻かんだらええんや!」
裕・ア「…」
裕・ア「…上」
⑷
圭「どうにかせえよっ!」
圭吾が客室に去っていく。
ア「『となりのトトロ』のセリフ、見つけてくださいね」
⑸
ア「えー!こんなこと、初めて」
ア「警察に電話しよっ!」
アキコがフロントから警察に電話をする。
ア「あっ、もしもし!」
ア「花月旅館の者ですけど、客のおヘソから顔が生えてきて…」
ア「来てくださいっ!」
ア「…はい」
ア「……はい」
アキはなかなか電話を切らない。
ア「…」
ア「………はい」
裕「(電話)長いなあ!」
アキコが電話を切る。
⑹
ア「電話で聞いたけど、顔生えた人、いっぱい出てるらしいわ」
ア「たいへんや」
アキコは原因不明の症状に命の危機を感じたのか、
ア「私、あなたに言いたいことがあったのよ」
と、一言セリフのボックスから短冊を取り出す。
ア『ファミマよりセブンイレブン派』
裕「今、言うことちゃうやろ!(苦笑)」
ア「今、言うことちゃうよ!」
ア「今、言うことちゃうからこそ、よっぽど言いたかったんやと思う!」
ア「今、言うことちゃうからこそ、よっぽど言いたかったんやと思う!」
⒌
⑴
岩「一体、これ、どう言うことや!」
客室通路から激怒と絶叫の中間のような岩橋の声が聞こえる。
岩橋は白馬の顔で現れる。
岩「顔が馬になってもうたやないかっ!!」
裕は馬の顔の下にある白ベースのストライプのスーツから、
馬が岩橋であると気付く。
裕「ギネスの方ですよね?(苦笑)」
⑵
岩「こんな頭、要らん!」
裕「なんか、食べました?」
岩「お茶菓子みたいなやつ、食べた」
裕「大判焼きでは?」
岩「そうや、それや!」
岩「直す方法、考えてくれ!」
ア「もうすぐ、警察が来るんで」
裕「取り敢えず、お部屋で休んでいてください」
岩橋が客室通路に戻ろうとして、
前の椅子に足を引っ掛け、転びそうになる。
裕「(馬のマスクで)足元、見えてへんから。(苦笑)」
岩橋が客室に向かった。
裕「どうなるんや…」
⑴
岩「一体、これ、どう言うことや!」
客室通路から激怒と絶叫の中間のような岩橋の声が聞こえる。
岩橋は白馬の顔で現れる。
岩「顔が馬になってもうたやないかっ!!」
裕は馬の顔の下にある白ベースのストライプのスーツから、
馬が岩橋であると気付く。
裕「ギネスの方ですよね?(苦笑)」
⑵
岩「こんな頭、要らん!」
裕「なんか、食べました?」
岩「お茶菓子みたいなやつ、食べた」
裕「大判焼きでは?」
岩「そうや、それや!」
岩「直す方法、考えてくれ!」
ア「もうすぐ、警察が来るんで」
裕「取り敢えず、お部屋で休んでいてください」
岩橋が客室通路に戻ろうとして、
前の椅子に足を引っ掛け、転びそうになる。
裕「(馬のマスクで)足元、見えてへんから。(苦笑)」
岩橋が客室に向かった。
裕「どうなるんや…」
原因不明の症状への不安を口にする、裕。
劇そのものへの不安もあるのかもしれない。
劇そのものへの不安もあるのかもしれない。
⒍
⑴
役柄『チャラ男』、ホスト風のスーツを着た大島が
(造り物の)トマトを持ち、舞台下手袖・奥側から現れる。
同時に、パーティドレスを着て、大きめのサングラスを掛けた
役柄『女スパイ』の真希(前田真希)が
蜘蛛のようにセットに張り付きながら、舞台下手袖・手前側から現れる。
登場のタイミングが重なってしまい、
真希が蜘蛛のようにセットに張り付いたまま、舞台袖に捌ける。
裕とアキコも笑い出す
⑵
大島が裕とアキコに対し、
大「来ちゃった」
大島が自分の顔の近くからトマトを二人に見せ、
同時に、パーティドレスを着て、大きめのサングラスを掛けた
役柄『女スパイ』の真希(前田真希)が
蜘蛛のようにセットに張り付きながら、舞台下手袖・手前側から現れる。
登場のタイミングが重なってしまい、
真希が蜘蛛のようにセットに張り付いたまま、舞台袖に捌ける。
裕とアキコも笑い出す
⑵
大島が裕とアキコに対し、
大「来ちゃった」
大島が自分の顔の近くからトマトを二人に見せ、
ホスト風の軽々しい喋り方で、
大「ちょっトマット(=ちょっと待って)」
大「ちょっトマット(=ちょっと待って)」
裕・ア「…」
裕「…なんやこいつ。全然、おもんないぞ!(苦笑)」
⑶
大島が電話に出ようと、スマホを取り出す。
大「すぐ掛け直すね、ケイコちゃん」
自分を指名する客との営業電話のよう。
大島は、また電話に出ようと、ポケットから別のスマホを取り出す。
大「ごめーん、また掛け直すね」
大島は、また電話に出ようと、ポケットから『バナナ』を取り出し、耳に当てる。
アキコがオチの効果音を鳴らす。
『チャッ チャ』
⑷
大島が裕とアキコに対し、
大「二人が何を考えているか分かります」
大島が二人に卵を見せながら、
大「困っ卵(=困ったまご)」
裕「…なんやこいつ。全然、おもんないぞ!(苦笑)」
⑶
大島が電話に出ようと、スマホを取り出す。
大「すぐ掛け直すね、ケイコちゃん」
自分を指名する客との営業電話のよう。
大島は、また電話に出ようと、ポケットから別のスマホを取り出す。
大「ごめーん、また掛け直すね」
大島は、また電話に出ようと、ポケットから『バナナ』を取り出し、耳に当てる。
アキコがオチの効果音を鳴らす。
『チャッ チャ』
⑷
大島が裕とアキコに対し、
大「二人が何を考えているか分かります」
大島が二人に卵を見せながら、
大「困っ卵(=困ったまご)」
裕・ア「…」
大「じゃあね」
大島が去っていった。
裕「あの人は何しに来たんや!?」
⒎
⑴
大島が帰ったことを確認した真希が
蜘蛛のようにセットに張り付きながら現れる。
真希は店先で立ち止まり、
バッグから拳銃を取り出し、大袈裟に構える。
裕「変な奴、来たぞ。(苦笑)」
※
補足。
前田真希さんは、劇が終わるまで大袈裟な演技をしています。
⑵
真希が旅館に入ってくる。
真希はサングラスのサイズが全く合っておらず、
一歩歩くたびにズレ落ち、サングラスの位置を直す。
裕「メガネのサイズ、おかしいやろ!(苦笑)」
⑶
真希の一言目は、
真「アニョハセヨ~」
多国語を喋る女スパイ、という演技プランなのだろうか?
真「予約しているんだけど…」
裕「拳銃、持ってましたよね?」
真「…?」
真「これのこと?」
と、今度は、バッグから長方形の刃をした肉斬り包丁を取り出す。
裕「なんで、そんなもん、持っとんや!」
ア「誰かに追われてます?」
真「いえ、これが普通です」
⑷
真「一泊、いいかしら?」
真希が宿泊することになる。
チェックインや鍵を渡すなどの描写が無いため、
真希は客室がどこか分からず、
真「部屋はどこなの?」
と、前に一歩進んでは、後ろに一歩下がる、を繰り返す。
真「あなた達に一言、言っておきますね?」
と、一言セリフのボックスから短冊を取り出す。
真『これは痛風です』
⑴
大島が帰ったことを確認した真希が
蜘蛛のようにセットに張り付きながら現れる。
真希は店先で立ち止まり、
バッグから拳銃を取り出し、大袈裟に構える。
裕「変な奴、来たぞ。(苦笑)」
※
補足。
前田真希さんは、劇が終わるまで大袈裟な演技をしています。
⑵
真希が旅館に入ってくる。
真希はサングラスのサイズが全く合っておらず、
一歩歩くたびにズレ落ち、サングラスの位置を直す。
裕「メガネのサイズ、おかしいやろ!(苦笑)」
⑶
真希の一言目は、
真「アニョハセヨ~」
多国語を喋る女スパイ、という演技プランなのだろうか?
真「予約しているんだけど…」
裕「拳銃、持ってましたよね?」
真「…?」
真「これのこと?」
と、今度は、バッグから長方形の刃をした肉斬り包丁を取り出す。
裕「なんで、そんなもん、持っとんや!」
ア「誰かに追われてます?」
真「いえ、これが普通です」
⑷
真「一泊、いいかしら?」
真希が宿泊することになる。
チェックインや鍵を渡すなどの描写が無いため、
真希は客室がどこか分からず、
真「部屋はどこなの?」
と、前に一歩進んでは、後ろに一歩下がる、を繰り返す。
真「あなた達に一言、言っておきますね?」
と、一言セリフのボックスから短冊を取り出す。
真『これは痛風です』
アキコが真希に、
ア「だから足を動かしていたんですね!」
真「そうなの!」
真希が、前に一歩進んでは、後ろに一歩下がる、を繰り返す。
真希が客室に消えた。
裕「…痛風、凄いな」
ア「だから足を動かしていたんですね!」
真「そうなの!」
真希が、前に一歩進んでは、後ろに一歩下がる、を繰り返す。
真希が客室に消えた。
裕「…痛風、凄いな」
その6に続く