⒗
⑴
そこに、圭吾が現れ、皆にドスを向ける。
圭「残念ながら、文化祭じゃない」
岩橋が圭吾に、
岩「文化祭やって!」
圭「お前ら、利用させてもろうた」
圭「俺は、テロリストの親玉や!」
更におかしな展開になっていく。
アキコが圭吾に、
ア「入院した方がええって」
ひょっとこの顔や毛が生えて、焦っていた圭吾は、
岩橋達の文化祭を利用して、体に異常が生じるカプセルをばら撒いていたらしい。
自分で企んで、自分でカプセルを飲んでしまうとは、何と愚かな男なのだろうか。
※
補足。
もじゃ吉田さんは、この場面で、
『20世紀少年』のマークのようなものをマジックで手に描いて、出ていました。
⑵
その時、サキがドスを取り出し、
圭吾の横に付く。
サ「アニキー!」
サキもテロリストで、圭吾の弟分のよう。
圭「椎森と祐代の技術を自由にさせたら不味い」
圭「椎森と祐代、連れていくぞ!」
⑶
大島が圭吾とサキに対し、ホスト風に軽々しく、
大「そこまでだよー」
大島が警察手帳を見せ、
大「大阪府警だよー」
裕「今まで、ダジャレ言いに来たり、何やったん?」
大島はホスト風に、
大「気になってー、チョロチョロしてみたー」
裕「いちいち、腹立つ奴やな!」
⑷
その時、奥重が大島に、
奥「流石ですね、大島刑事!」
奥重が警察手帳を出す。
『台本のない新喜劇』でありながら、
毎回、台本のようになりつつある展開になる。
⑸
大島・奥重が圭吾・サキを逮捕しようとすると、
圭吾・サキが大島達の腕をドスで切りつける。
圭「俺たちは警察にビビるような組織じゃない!」
ここで、チャイムが鳴り、
舞台袖でから『5分前』のボードを掲げたスタッフが現れる。
⑹
圭吾・サキが舞台上手袖に居る椎森・祐代を人質に取る。
他の皆が舞台下手に移動する。
⒘
⑴
舞台上手袖の圭吾達と舞台下手のアキ達が対峙する。
ア「やめろーっ!」
アキコが岩橋が持っていた拳銃を取り出し、圭吾達にドスを捨てるように促す。
圭「やってみろよ!」
アキコが発砲音の効果音を鳴らしながら、圭吾に拳銃を発射する。
圭吾は顔色を変えることなく、ドスを振り、目の前に飛んできた弾を容易に弾く。
只者ではないことが分かる。
実弾が入っていたのだろうか?
やはり、圭吾が文化祭で盛り上がる岩橋達を利用していたよう。
⑵
サキが祐代を見て、
サ「やばい!こいつ、記憶を戻しそう!」
祐代は、組織にとって不味い情報でも持っているのだろうか?
⑶
アキコが圭吾に尋ねる。
ア「あんたらの目的、何?」
圭「…世界征服やっ!」
ア「…」
ア「アホやん」
圭「うるさいっ!」
⑷
圭吾が裕に対し、
圭「それより、番頭!…お前、朝、何を食べた?」
裕「…おにぎり?」
圭「具は?」
裕「…タラコ?」
圭「甘かったやろ?…カプセルを仕込んでおいた」
裕「…」
⑸
裕がアキコに告げる。
裕「ちょっと奥、行ってくるわ」
裕は症状を皆に見せまいと考えたのだろうか?
しかし、アキが体にしがみつく。
ア「行かせない!」
裕「行かせてくれ!」
圭「あと5秒で症状が出る」
裕「…」
圭「5、4、3、2、1…」
裕は客席に背を向け、準備し、
ひょっとこのお面を腹に持ちながら客席の方に振り向き、
「ギャーッ!」と叫ぶ。
圭「お前に仕込んだカプセルは強力だから、後5分で死ぬ」
劇が強制終了する時間に物語を合わせていく、圭吾。
※
補足。
この場面、カーテンコールで語られた話では、
アキさんは、吉田裕さんと真希さんをお題『結婚記念日』に絡めたかったようで、
そのためには、裕さんを何としても舞台から捌けさせたくなかったようです。
一方、吉田裕さんは、感染した状態になる準備をしに、奥に行きたかったようです。
⑹
そこに、祇園カンパニーの伊賀が現れる。
伊「旅館を売る気になったか?」
裕「今、それどころじゃないんですっ!やばい、やばいっ!」
チャイム。
『3分前』のボード。
⑺
伊賀がポケットから薬瓶を取り出す。
伊「これ、使って。ワクチン」
裕「えっ?」
裕がワクチンを飲むとひょっとこが取れる。
裕「やったー!取れたーっ!」
裕が伊賀に感謝する。
裕「ありがとうございます!」
伊「何でもお金で手に入る」
祐代に異変が起こる。
朗「あの、記憶が戻りました」
裕「…で?

朗「状況が分かりません」
裕「一緒やないか!


⑴
皆が椎森を励まし始める。
奥「椎森!テロリストを倒すには、お前の力が必要や!テンションを上げろ!」
奥「頑張れっ!」
ア「あなたーっ!」
椎森のテンションが上がり、髪の毛(=カツラ)が生える。
ア「あなた、やったー!

アキコと椎森が唇と唇で実際にキスをする

チャイム、
『1分前』のボード。
⑵
裕「…えっ?


ア「私の旦那

ア「皆に協力してもらってたの。私たちの『結婚記念日』のために


ア「結婚記念日に、旦那のマイナス思考を直すための芝居

3つのお題の一つ、『結婚記念日』をクリア
これで、お題全てクリア
⑶

裕「皆、知ってたの?


舞台の全員が頷く。
世界征服、借金取り、お金持ち、医者、スパイ…全て作り事だった。
そして、裕だけには何故か伝えられてなかった。
カプセルについては、どうなのだろう?
何も知らされていない裕は
ストレートヘアーになったり、ひょっとこが生えたりしていたが…
椎森については、
芝居であることを知っていたとしても知らなかったとしても、
劇中の言動が非常に恐ろしく感じてくる。
物語を冷静に振り返ってはいけないのだろう。
チャイム、
『30秒』のボード。
⑷
椎「僕、明るくなりました!」
アキコがMJ『Bad』を流すと、プラス思考になった椎森が楽しそうに踊り出す。
⑸
残り10秒になり、スタッフがボードを持ち現れ、
10、9、8、と数字が減っていく。
アキコが裕以外の皆に対し、
ア「協力してもらって、すいませーん!」
皆「いぃよぉ~」
アキコと椎森が抱き合う
裕「なんやねん、これーっ!!」
ボードの数字が0になり、劇終了を知らせる爆発音がする。
エンディング曲が流れ、緞帳が降りる。
裕の声は、
自分だけ芝居の話が知らされていなかったこと、
50分間、でたらめな劇であったこと、
両方に対するものなのかもしれない。
終。