⒐
⑴
高校生の令・啓之・ほたる・早苗、
新人アルバイトのひで子、五人。
ほ「もうちょっとで成功やったのにね」
ほ「喫茶店にお客さんが来て、帰っちゃった…」
令「でも、気持ちは伝わったんじゃないかな?」
ひ「それが、ギターの音で大将が何を言っているか、聞こえてなかったみたい」
⑵
佐藤は落ち込んでいるようで、
皆で元気付けることにする。
令「じゃあ、こんなのはどうかな?」
皆で輪を組み、作戦を練る。
⑶
佐藤が現れる。
ひ「じゃあ、みんな行くわよーっ!」
佐「…?」
令がMC役になり、DJ OZMA『LOVE & JOY』の替え歌を歌う。
令「♪明日を変えてく 素敵なパーティ始まる」
令の軽快なMCに合わせて、
ほたるがヒップホップダンス、
早苗が竜踊り、
啓之がドリフのコミカルな踊りを披露する。
最後に、ひで子が人差し指を額に当てるような決めポーズを繰り返す、
変な踊りを披露する。
佐「ひで子ちゃん、何してんの?」
ひ「accessです」
ひ「『LOVE & JOY』は、accessの浅倉大介さんが作曲してるんですよ」
ひで子はaccessのファンらしい。
⑷
佐「みんな、何してんの?」
ひ「大将を元気付けようと思って…」
意外にも、佐藤の心に響いた様子。
佐「そうか…ありがとう」
佐「まだまだ、諦めへん」
ひ「しぶといですね」
佐「はーっ!?ほんまに元気付けたいの!?」
ひ「冗談です」
⒑
⑴
皆が佐藤を励ましていた時、
長髪の男性・椎森(もりすけ)が現れる。
椎森は舞台下手で止まり、公園の木々(壁)の方を向いたり、
喫茶店の方を見たり、
どこか、挙動不審に見える。
皆が椎森の方を見て、椎森に聞こえないように、
ほ「何か怪しくない?」
早「ほんまやね」
ひで子が何者か確かめに行くという。
ひ「私、気配消すのが上手いから、任せといて!」
⑵
ひで子が椎森の背後に立つが、
椎森は全く気づく様子がない。
今度は、ひで子が椎森の背後から椎森の両肩に手を置くが、椎森は全く気付かない。
佐「おかしいでしょ!?」
椎森が、自分の背後に居るひで子を肩越しに見て、目を合わせるが、
何事も無かったように、また前を向く。
佐「何で気付かんの!?」
⑶
ひで子が戻ってくる。
ひ「大将、一つ分かったことがあります」
佐「何?」
ひ「あの人、加齢臭、めっちゃ酷いです」
佐「肝心な事、何も分かってないやないか!」
⑷
佐藤が椎森に近付き、声を掛ける。
佐「あの、さっきから、何してるんですか?」
佐「あなた、行動が怪しいですよ」
椎「友達とはぐれてしまって…」
ひで子が椎森の前に立ち、
ひ「それなら、携帯で連絡を取ればいいじゃないですか!」
ひ「怪しいです!」
ひ「何か隠してるんじゃないですか!?」
ひで子が椎森を捕まえようとして、髪の毛を掴むと、
それはカツラで、椎森の頭部が露わになる。
ひで子が佐藤に、
ひ「ハゲ、隠してたみたいですね」
⑸
椎森は佐藤に、喫茶店で勤めている女性について、あれこれ尋ねてくる。
佐「何で、そんなこと聞くんですか?」
椎「僕、カフェマニアでしてね。店員のことまで、全部知りたいんです」
佐「…やっぱり、怪しいですね」
椎「怪しくないです」
椎森が逃げるように去って行った。
⑴
皆が佐藤を励ましていた時、
長髪の男性・椎森(もりすけ)が現れる。
椎森は舞台下手で止まり、公園の木々(壁)の方を向いたり、
喫茶店の方を見たり、
どこか、挙動不審に見える。
皆が椎森の方を見て、椎森に聞こえないように、
ほ「何か怪しくない?」
早「ほんまやね」
ひで子が何者か確かめに行くという。
ひ「私、気配消すのが上手いから、任せといて!」
⑵
ひで子が椎森の背後に立つが、
椎森は全く気づく様子がない。
今度は、ひで子が椎森の背後から椎森の両肩に手を置くが、椎森は全く気付かない。
佐「おかしいでしょ!?」
椎森が、自分の背後に居るひで子を肩越しに見て、目を合わせるが、
何事も無かったように、また前を向く。
佐「何で気付かんの!?」
⑶
ひで子が戻ってくる。
ひ「大将、一つ分かったことがあります」
佐「何?」
ひ「あの人、加齢臭、めっちゃ酷いです」
佐「肝心な事、何も分かってないやないか!」
⑷
佐藤が椎森に近付き、声を掛ける。
佐「あの、さっきから、何してるんですか?」
佐「あなた、行動が怪しいですよ」
椎「友達とはぐれてしまって…」
ひで子が椎森の前に立ち、
ひ「それなら、携帯で連絡を取ればいいじゃないですか!」
ひ「怪しいです!」
ひ「何か隠してるんじゃないですか!?」
ひで子が椎森を捕まえようとして、髪の毛を掴むと、
それはカツラで、椎森の頭部が露わになる。
ひで子が佐藤に、
ひ「ハゲ、隠してたみたいですね」
⑸
椎森は佐藤に、喫茶店で勤めている女性について、あれこれ尋ねてくる。
佐「何で、そんなこと聞くんですか?」
椎「僕、カフェマニアでしてね。店員のことまで、全部知りたいんです」
佐「…やっぱり、怪しいですね」
椎「怪しくないです」
椎森が逃げるように去って行った。
⒒
⑴
まりこが喫茶店から現れる。
ま「買い出しに行かなきゃ」
まりこが舞台下手袖に向かおうとして、佐藤が声を掛ける。
佐「まりこさん、ちょっと!」
ま「何ですか?」
佐「あの、今、怪しげな男がやって来て、まりこさんのことを調べてました」
ま「…」
⑵
ま「短い間でしたが、お世話になりました」
ま「私、この町を出て行きます」
佐「そんな、急に!…良ければ、お話、聞かせてもらえますか?」
ま「…」
ま「私、以前住んでいた町で、ある男性からストーカー被害に遭っていたんです」
ま「精神的にも追い詰められて、仕事をクビになりました」
ま「心機一転、この町に引っ越してきたのに、何でこんなことになるんやろ…」
⑶
佐藤がまりこに告白する。
佐「僕に、あなたを守らせてください!」
ま「…えっ?」
佐「あなたの笑顔が好きでした」
⑴
まりこが喫茶店から現れる。
ま「買い出しに行かなきゃ」
まりこが舞台下手袖に向かおうとして、佐藤が声を掛ける。
佐「まりこさん、ちょっと!」
ま「何ですか?」
佐「あの、今、怪しげな男がやって来て、まりこさんのことを調べてました」
ま「…」
⑵
ま「短い間でしたが、お世話になりました」
ま「私、この町を出て行きます」
佐「そんな、急に!…良ければ、お話、聞かせてもらえますか?」
ま「…」
ま「私、以前住んでいた町で、ある男性からストーカー被害に遭っていたんです」
ま「精神的にも追い詰められて、仕事をクビになりました」
ま「心機一転、この町に引っ越してきたのに、何でこんなことになるんやろ…」
⑶
佐藤がまりこに告白する。
佐「僕に、あなたを守らせてください!」
ま「…えっ?」
佐「あなたの笑顔が好きでした」
佐藤がまりこに惚れた理由が分かる。
佐「僕と付き合ってください!」
ま「…」
ま「ごめんなさい!」
まりこの返事を聞いた、ひで子。
佐藤に対し、
ひ「大将…、…アーッハッハッハ!」
ひ「この状態で普通、フラれるーっ?」
佐「…」
令が、フラれて落ち込む佐藤をカメラで撮影する。
令「来年の年賀状で使わせてもらいます」
佐「やめろ!」
⑷
佐藤がまりこに尋ねる。
佐「僕では駄目ですか?」
ま「そうじゃないんです!」
ま「私、亡くなった親の借金を300万円抱えてて…」
ま「こんな状況では付き合えません」
すると、佐藤が屋台の裏から預金通帳と印鑑を取り出し、まりこに渡す。
佐「これ、使ってください!」
ひで子が佐藤の行動を止めようとする。
ひ「大将の大事なお金、渡しちゃ駄目です!」
佐「ひで子ちゃん…」
ひ「私の給料、どうなるんですか!」
佐「えっ?」
ひ「こんな女に渡すなら、せめて私に半分ください!」
ひ「150万、ちょうだい!」
佐「自分のことしか考えてないやないか!」
⑸
佐藤が通帳をまりこに渡す。
ま「…ありがとうございます。(涙)」
ま「町を出る支度をしてきますね」
まりこが涙しながら、喫茶店に消えて行った。
⑹
啓之が佐藤に尋ねる。
啓「300万も、ほんまにいいんですか?」
佐「お金なら、また貯めたらええよ」
早苗は佐藤の行動に感動したようで、
早「大将。『色黒変態タコ坊主』言うて、すみませんでした」
佐「初めて聞いたぞ!」
早「陰で言うてただけです」
佐「…最低やな」
すると、佐藤が屋台の裏から預金通帳と印鑑を取り出し、まりこに渡す。
佐「これ、使ってください!」
ひで子が佐藤の行動を止めようとする。
ひ「大将の大事なお金、渡しちゃ駄目です!」
佐「ひで子ちゃん…」
ひ「私の給料、どうなるんですか!」
佐「えっ?」
ひ「こんな女に渡すなら、せめて私に半分ください!」
ひ「150万、ちょうだい!」
佐「自分のことしか考えてないやないか!」
⑸
佐藤が通帳をまりこに渡す。
ま「…ありがとうございます。(涙)」
ま「町を出る支度をしてきますね」
まりこが涙しながら、喫茶店に消えて行った。
⑹
啓之が佐藤に尋ねる。
啓「300万も、ほんまにいいんですか?」
佐「お金なら、また貯めたらええよ」
早苗は佐藤の行動に感動したようで、
早「大将。『色黒変態タコ坊主』言うて、すみませんでした」
佐「初めて聞いたぞ!」
早「陰で言うてただけです」
佐「…最低やな」
その6に続く