18/07/11 【吉本新喜劇2028】 その７ 完

⒕
早苗が啓之のもとに駆け寄る。
早「啓之、大丈夫やった！？」
啓「うん！大丈夫！」

早「無事で良かった…」

早「ほんま、しゃあないな」
早「あんたは私が守ったるわ！」

啓「早苗ちゃん…」
早「啓之…」

少し頼りない啓之と男勝りな早苗、

二人の仲が深まったよう。

⒖ 終
⑴

佐藤は、つい先ほどまでまりこが居た場所(舞台下手袖)を見ながら、
佐「…まりこさん、きっと、更生してくれると思う」

しかし、ひで子は、
ひ「そうは思わないわ」
ひ「私、分かるのよ。あの女は、犯罪を繰り返すタイプよ」

⑵
佐藤の預金通帳が見当たらない。
佐「通帳、どこ行ったんや！？」

すると、舞台下手に居る、ひで子の様子がおかしくなる。

佐藤に見えないよう、背中に両手を隠し、
ひ「私、急用を思い出したので、帰ります」

佐「怪しすぎる…パクったな？」
ひ「…パクる？どういうことですか！？」

ひで子は、(物語の流れ上、おそらく)窃盗の常習犯のよう。

⑶

佐藤が問い詰めていく。

佐「ほな、背中の右手、出して？」
ひ「はい！」
ひで子が右手を広げて見せ、何も持っていないことをアピールする。

佐「左手、出して？」
ひ「…」
ひで子は右手を背中に戻し、もぞもぞした後で、
ひ「はい！」
左手を広げて見せ、何も持っていないことをアピールする。

佐「通帳、出して？」
ひ「はい！」
あっさりと通帳を見せる、ひで子。

佐「パクっとるやないか！」

ひで子は、佐藤を騙そうとしていたにもかかわらず、

ひ「騙されたーっ！！」

終。

［カーテンコール］
⒈
清水啓之さん。

出演者の中で芸歴が一番長いことが伝えられる。

金原早苗さんが清水啓之さんに、
金「今回も、お芝居を引っ張ってくれました」
啓「おいっ！馬鹿にしてんのか！？(苦笑)」

清水啓之さんのお人柄が窺えますね

⒉
松浦真也さん。

⑴
脇汗について。

真「それには理由がありましてね」

真「下着を着なくなったんですよ」
真「下着を着たら、どんな服を着ても、全部BVDの肌触りでしょ？」
真「服にはいろんな素材があるのに、その肌触りを楽しまないのは勿体ない」
と、独特な考えを熱弁する、松浦真也さん。 

佐藤太一郎さんが真也さんに、
佐「肌触りを気にするなら、まず、風呂に入れよ！(苦笑)」

真「濡れるから、嫌いです」
佐「そういうもんやん！(苦笑)」
真「濡れた後に乾かせるとか、意味がわからん」
真「なら、最初から濡らさんでええでしょ？」

佐「…話にならん。(苦笑)」

⑵
ヤンシー＆マリコンヌ『リンボ～！！』の配信開始について。

真「リンボーダンスの曲の配信が始まりました」
金原さんも宣伝に加わる。
金「皆さん、ダウンロードしてくださいね！」

真也さんが金原さんに尋ねる。
真「ダウンロードした？」
金原さんは即答で、
金「してません！」

劇中のキレ方で、大声で、
真「せえやっ！！！」 　

劇中もカーテンコールも、一際、印象的な松浦真也さんでした

［雑感］
⒈

物語について。

⑴
喫茶店のオーナー。

森田まりこさん扮する喫茶店アルバイト・まりこが詐欺師と分かった瞬間、
不在の理由が語られない、オーナーの安否が非常に気になり始めました。

大きな音や血といったショッキングな演出よりも、
心理的に迫ってくる方が怖いですね。

⑵

一方で、最後の「ありがとう…」は、本心にも思えました。

その部分も含めて、私も騙されているのではないか？

…と考えると、また面白いですね。

⑶

自分が恋した女性の未来を信じようとする、大将。

冷ややかな目で否定する、ひで子。

まりこについて対照的な評価が語られるエンディングも味わい深いものでした。

まりこという女性が詐欺師に至るまでの人生、また、逮捕後の人生を考えるうち、

藤山直美さん主演の映画『顔』という作品が思い浮かんできました。

⒉

『吉本新喜劇2028』は、普段とは違うポジションを演じるところも見どころですね。

今回は、佐藤太一郎さんが回し役、服部ひで子さんがメインボケでした。

森田まりこさんは、爆乳三姉妹ネタ以外はボケを封印した、真面目な役でした。

服部ひで子さんについては、劇場支配人から指名があったそうです。

不慣れな役どころで、ぎこちない部分も見られたように思いますが、
こういう挑戦は凄く良いことですね
 

⒊
⑴

・繰り返しの展開

・主人公が散々に扱われる

・キツめの言葉遣い・描写
といった、川畑座長回の特徴も目立った回でした。

⑵
今回に限らず、

若手座員さんのあの人にもこの人にも、川畑座長の影響が見られますね。

しかし、その場合、川畑座長は非常に厚く高い壁ですね。

「その方向性ならば、川畑さんが居るので…」となってしまうようにも思います。

⑶
特に、キツめの表現は、川畑さんだからこそ柔らかいものに変えられますが、
川畑さんの手法を模倣しても、キツさだけが際立つことも多いように感じます。
 

⒋
天才がしのぎを削るプロの世界と

他人の手による育成は、本来は相容れないものではないかと思っています。

育成された量産型が歯車となり、成立していく一般社会とは一線を画する

特別な世界だからこそ、
新しい色、その人にしかない魅力・個性が見られると嬉しいですね。
 

⒌
⑴

『2028』は、10年後の吉本新喜劇を担い手を作る名目の公演ですが、

若手座員さん、特に新人座員さんに目を向けてみますと…

頻繁に本公演に出演する新人座員さん、

なかなか出演機会が与えられない新人座員さん、
座員活動のスタートにして、既に二極化していますね。

最初に出演機会を与えられた新人座員さんが、また次の出演機会を貰い、
新喜劇の型にはまりながら、順調に成長しているように感じます。

結果的に、初期の出演機会の差が、
そのまま、新喜劇内での実力差に繋がりがちな印象を抱いています。

⑵
現在、関西の劇場で人気絶頂の若手漫才には、

『UP TO YOU！』等、自発的な成長を促すための登竜門が大小様々設けられていますが、
新喜劇の新人座員さんの場合、レッスン等はあっても、
実戦・実践の場は、現状では、あまり用意されていないように思われます。

⑶
新人座員さん達が主体となり、定期的に活動できる場があるならば、
可能な限り、劇場でその活躍を拝見したいと思っています。



［次回公演］
9月27日(木) 19:00～

　　

吉本新喜劇2028の翌日、9月28日(金)には、

『金の卵10個目LIVE　VOL..1』も開催されますね

 

[7月28日　追記]

吉本新喜劇若手ライブ

日程…9月13日(木) 19:30～

会場…YES THEATER　(なんばグランド花月ビル地階)

料金…2,000円

出演者は、金の卵6～9個目の以下の座員さんのようですね
(敬称略、順不同)
6個目…木下鮎美、鮫島幸恵、平田健太
7個目…石橋洋貴、小寺真理、高関優、瀧見信行、前園健太、もじゃ吉田、もりすけ
8個目…親泊泰秀、重谷ほたる、玉置洋行、松浦景子
9個目…カバ、小林ゆう、筒井亜由貴、松元政唯、本山悠斗

18/07/11
【吉本新喜劇2028】
『たこ焼きより熱い恋』　完