週刊少年ジャンプで連載中の漫画です。

 

・主人公の登場しない、世界会議編

・ワノ国編

と、俄然、盛り上がってきましたね。

 

コミックス90巻。

 

上述した場面が収められており、密度が濃く、素晴らしい出来ではないでしょうか。

過去キャラを通して、世界情勢を知ることができる回はワクワクしますね。

 

 

 

バトル漫画はほとんど読まないのですが、

『ONE PIECE』については、バトル漫画という捉え方はしておらず、

群像劇として楽しんでいます。

 

主人公が海賊の頂点(=海賊王)を目指す物語として、軽く読むこともできますが、

実は宗教問題や差別等、深いテーマも扱っていますね。

 

 

キーパーソンを何十巻も前に仄めかすような長期的な構想があり、物語に破綻がなく、

伏線の張り方・設定の活かし方に長けた作家さんですね。

 

締め切りに追われ、場当たり的な描写も多い週刊連載の中で、

この作品には、驚異的な作り込みが見られます。

読み返すたびに新たな発見があります。

 

キャラクターが、その場限りではなく、様々な場面で再登場するため、

連載が長くなるほど(=キャラクターが増えるほど)、物語に厚みが増していますね。

 

満足に睡眠時間を取ることも出来ない、仕事場での缶詰生活で、

20年以上トップを走り続け、未だにモチベーションが衰える様子の無い尾田先生は

プロ中のプロだと思っています。

 

24時間365日、情熱を傾けて、仕事の事を考えられる…

イチロー選手等と同じですね。

 

補足。

尾田先生の一日の睡眠時間は3時間程度で、

それ以外は仕事をされているそうです。

 

 

私がアーティストに対して、常々考えていること、

『肉体が滅びても、作品が生き続ける限り、作者も生き続ける』。

 

この考えが『ONE PIECE』でも描かれています。

 

第16巻・145話『受け継がれる意志』で、

医師・ヒルルクが悪人に殺されようとしている場面での、ヒルルクの台詞です。

 

「お前らにゃあ、俺は殺せねェよ」

「人は、いつ死ぬと思う?」

「心臓を銃で撃ち抜かれた時…違う」

「…人に忘れられた時さ」

 

『ONE PIECE』の中でも、特に好きな場面です。

 

私が応援する作り手については、作り手が永遠に生き続けられるよう、

凡人の個人的満足のために『作り手の限られた貴重な時間』が消費されることなく、

その才能を思う存分、作品制作に注いでほしいと願っています。

 

 

連載21年目に入り、物語は核心に迫りつつありますが、

結末が知りたいような、終わってほしくないような、複雑な心境です。

 

どれほど描くことが好きでも、やはり、大変なお仕事と思います。

最後まで、元気に描き続けてほしいですね。