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⑴
太田がナイフを取り出し、近くに居たまりこを人質に取る。
太「面倒や!金、払わんかい!」
すると、あき恵が激昂し、前に出て、
浅「待てや!」
浅「やり過ぎちゃうんか!」
新名があき恵に対し、優しい口調で、
新「べっぴんさんは引っ込んどき」
その瞬間、あき恵は目を見開き、乙女のようになる。
あき恵は烏川達の所に戻ってきて、
浅「てっちゃんは悪くない…」
烏「だから、悪いんやって!(苦笑)」
烏「今、人質を取ってる状況やぞ!(苦笑)」
⑵
藍五郎が動く。
藍「部長として、黙ってられへん!」
藍五郎は新名のもとに行き、新名のネクタイを掴み、睨む。
藍「この、極悪人!」
新「やめろ!」
新名がネクタイを掴んだ藍五郎の手を握ると、
藍五郎は目を見開き、乙女のようになる。
新名が藍五郎の手を除ける。
藍「新名ーっ!!」
藍「もう一回、手、握ってくれ!!」
新名が相手にしないと、藍五郎はラーメン屋台の方に行き、
頭を抱えて、悶え始める
藍「くそーっ!新名ーっ!!」
烏「惚れとんか!(苦笑)」
⑶
啓之が前に出る。
啓「まりちゃんを放せ!」
太「弱いくせに、出てくんなや!」
太田が啓之を殴り倒す。
倒れた啓之は太田の足にしがみつき、
啓「まりちゃんを…放せっ!」
太田が啓之を無理矢理起こし上げ、また殴り倒す。
すると、また、啓之が太田の足にしがみつく。
啓「…放せっ!」
⑷
太田がまた殴ろうとした時、オクレが口を開く。
オ「もう、ええ!」
太「…えっ?」
オ「この人(=啓之)、カッコいい『じゃん』」
烏「急に、なんちゅう喋り方するんや!(苦笑)」
オ「この人を見ていると、ワシらがやってることが恥ずかしくなってきた」
オ「もう、こんなしょうもないこと、やってられん」
オ「すいませんでした」
オクレが啓之達に頭を下げる。
オクレ、太田、新名、井上が去っていった。
⑸
藍五郎が舞台下手に行き、舞台袖を見て、
藍「新名ーっ!!」
烏「まだ、惚れとんか!(苦笑)」
烏「…極悪人やぞ」
一の介親子、三人も去っていく。
一の介が敬介と直子を諭す。
一「もう、騙されたらあかんぞ」
敬「…分かった」
直「…ごめんなさい」
⑵
敬介が一の介の手首の数珠に気付き、尋ねる。
敬「お父ちゃん、その数珠は?」
一「これか?これは、願い事が叶う数珠や」
直「幾らしたの?」
一「50万」
烏「騙されとるやん!」
三人が去っていった。
⑴
まりこが啓之のもとに駆け寄る。
ま「ヒロポン、大丈夫!?」
啓「大丈夫や」
ま「私のせいで…ごめんね」
啓「まりちゃんが無事やったから、ええって」
ま「ヒロポン…」
⑵
烏川達が啓之とまりこに声を掛ける。
烏「もう、お互いの気持ちに気付いているやろ?」
浅「二人とも、気持ちに正直になったら?」
政「強がらずに」
藍五郎も声を掛ける。
藍「桃太郎にこんなセリフがあるやろ?」
藍『お腰につけた吉備団子 一つ私に くださいな』
藍「…ってな」
啓「吉備団子……分かった!」
烏「今ので、何が分かったんや!?(苦笑)」
藍「分かったんやったら、まりこに気持ちを伝えるんや!」
⑶
啓之がまりこに告白する。
啓「まりちゃんのことが好きです!」
啓「僕と付き合ってください!」
ま「私もヒロポンのことが好き!」
ま「よろしくね!」
藍「良かった。おめでとうやな」
啓之とまりこが付き合うことになった。
⑷
啓之がまりこに対し、
啓「まりちゃんの誕生日には、貯めたお金でアニメのDVDをプレゼントするね」
ま「じゃあ、私は、ヒロポンの誕生日にガンダムのフィギュアをプレゼントする」
藍五郎達、漫画クラブの部員が「フーフー!」と冷やかす。
烏「盛りのついた猿か!(苦笑)」
藍「猿じゃないです」
烏「分かっとるわっ!例えや!」
⑸
啓之は預金通帳が無いことに気付く。
藍「分かった。さっきの奴らや!」
藍「俺がシメてきますわ!」
藍五郎が舞台下手袖に向かうが、烏川が前を塞ぐ。
烏川が藍五郎を問い詰める。
烏「…取ったんやろ?」
藍「疑うなんて、酷いじゃないですか!」
藍「そうか!パワハラか!…この店、最低やな!」
烏「ええから、出せって!」
藍「例えば、通帳がポケットに入ってるんやったら、いろいろ言われてもしゃあないですよ?」
藍「このように」
と、何故か、自分のエプロンのポケットから啓之の預金通帳を取り出す、藍五郎。
烏「入っとるやないか!」
烏川が藍五郎の手から啓之の預金通帳を取り上げ、啓之のもとに返す。
藍「返せーっ!!」
他人の預金通帳を盗んでおきながら、烏川に逆ギレする、藍五郎。
エンディング曲が流れ、幕が閉まっていく。
そんな中、藍五郎が繰り返し叫ぶ。
藍「返せーっ!!!」
18/06/26~07/02
【よしもと西梅田劇場・酒井藍座長回】
『オタク、恋してますか?』 完