[セット紹介]
『鉄道・はなつき駅前の広場』
舞台奥下手寄りに、駅入り口。
舞台奥上手寄りに、伝言板。
舞台下手袖に、喫茶店。
舞台上手袖に、土産物店。
喫茶店・土産物店の客席寄りが、舞台袖に捌ける道路。
駅の屋根の向こう側には山が見え、地方の町と思われる。
18/04/10~16のNGK本公演
『伝言板の前にも3年!?』のセット流用です。
⒈
⑴
曲『ホンワカパッパ・エンタメバージョン』が流れ、
舞台中程の黒幕が開く。
舞台は『鉄道・はなつき駅の広場』。
啓之(清水啓之)・早苗(金原早苗)・ぢゃいこ(ぢゃいこ)が舞台袖から現れる。
啓「いや~、楽しかったなあ」
啓之が早苗を見て、
啓「可愛い子と一緒に観に来られて、最高や」
金「可愛いやなんて、もう、イヤやわ~!」
と、バッグで啓之の頭をを叩く。
啓「痛ーっ!何すんの!?」
金「ごめんなさい。可愛いって言われたから、つい…」
啓「今度から気を付けてな?」
ぢ「大衆演劇、見惚れちゃった」
啓「アキ之丞、カッコよかったな」
三人は、列車に乗り、アキ之丞の公演を観に来たよう。
広場のあちこちに、
『はなつき小屋』という町の劇場で、4/12~30まで公演が行われているよう。
⑵
啓之がアキ之丞の真似をする。
早「啓之君、めちゃめちゃ似てるわよ…ビリケンさんに」
啓「…ビリケン?」
ぢ「『ビリケンさん』って、早苗、上手いこと言うわね」
啓「なんやねん!そっちこそ、相撲取りやないか!」
啓之がぢゃいこの肩を突く。
ぢ「何よ!」
と、啓之の肩を突き返す。
啓「突っ張り」
ぢ「腹立つわ、もう!」
まるで四股を踏むように地団駄を踏み、
最後はジャンプして両足を地面に叩きつけ、地を揺らす。
派手に倒れる、啓之と早苗。
ぢ「そんな、倒れるわけないでしょ!」
⑶
早苗が仲裁に入る。
早「まあまあ、二人とも仲良くして」
啓「…そやな」
啓「次の電車まで時間があるし、コーヒーでも飲んで行こか?」
⑷
喫茶店の奥に呼び掛けると、店主の吉田(もじゃ吉田)が現れる。
吉田の髪型に驚く、啓之。
もじゃもじゃのカツラのくだり(脇に挟む→股間に挟む)があり、
啓「コーヒーを3つ、いただけますか?」
吉「かしこまりました」
喫茶店に貼られたアキ之丞のポスターを早苗が見つけ、
早「あっ、ここにも、アキ之丞のポスター、貼ってる!」
吉「もしかして、アキ之丞の公演を観に来られたんですか?」
啓「そうなんです」
吉「僕も観てきました。夢芝居、色気あるなあ」
吉「僕もあんなん、出来たらなあ」
ぢ「やってみて下さいよ!」
ぢゃいこがスマホで『夢芝居』を流す。
吉「えっ?えー?ここで、踊るの?」
仕方なく、自分の夢芝居を披露する、吉田。
しかし、啓之・早苗・ぢゃいこは吉田には興味が無いようで、
三人で何やら話している。
吉「無視すなー!」
ぢ「早く、コーヒーを入れてもらえます?」
⑸
店先に用意したテイクアウト用のコーヒーを入れる、吉田。
啓「静かで長閑な場所で、良いところですね」
吉「この町の皆さんは、人情味があって、温かいんですよ」
⑹
そこに、町長の中田(中田はじめ)が現れる。
中「こんにちは」
吉「町長、今日は何のようで、こちらに?」
中「休日なので、町を散歩して、皆さんと交流を図ろうと」
⑺
啓之が中田を見て、
啓「町長?本当は、正義のヒーローですよね?」
啓「まさか、こんなところでお会いできるとはか!TVで観てます」
中「誰と間違えてます?」
啓「アンパンマンでしょ?」
中「違う!」
ここから、
・良い体してますね→やめろ!→アンパンチ、いただきました
・顔を取ろうとする→鼻をすする→あんこ出た→鼻くそや
・弱点を知っていると、「ペペペペ」と唾かけ→「頭が濡れて力が出ないよ」
等、啓之から中田への攻撃が続く。
中「アンパンマンから離れて!」
全員が走って奥に消える。
中「俺から離れるな!」
中「戻ってきて!」
全員が戻ってくる。
啓「もしかして、ばいきんまん?」
中「アンパンマンや!」
啓「認めましたね」
中「釣られただけや!」
中「私は、はなつき町の町長!」
⑻
中田ははなつき町のPRを始める。
中「はなつき町は良いところがいっぱいあるんですよ」
中「牧場、温泉、それにパン工場」
啓「やっぱり、アンパンマンやん!」
中「違います。普通の美味しいパン工場です」
中「ゆっくりしていってくださいね」
⑼
中「では、次の場所に行くので、失礼します」
中「危なー!もうちょっとで転けるとこやった」
吉「思いっきり、転けてますよ!(苦笑)」
中田が去って行った。
⑴
今日から働く、喫茶店アルバイトが遅刻しているようで、
苛立つ、吉田。
吉「何をしとんや、アキコさん!」
男「うわぁー、助けてーっ!!」
声を上げ、逃げる男性(ジャボリ ジェフ)。
男性を追いかけるように現れたのは、何かを持った、アキコ(アキ)。
アキコは黄色い服を着て、青色のエプロンを着けている。
⑵
ジャボリは舞台上手袖に逃げ切るが、
今度は、吉田・啓之・早苗・ぢゃいこを追いかける。
倒れた吉田を(優しく)踏み付ける、アキコ。
吉田が捕まり、靴を脱がされる。
アキコが手に持っていた何かを吉田に着せていく。
それは、豹柄のスパッツ。
直立させられ、胸の位置まで着せられる。
吉「何や、これ!」
⑶
吉田がスパッツを脱ぎ、
手に握りしめて、アキコに尋ねる。
吉「アキコさん、これは何や!?」
息切れして言葉が出ない、アキコ。
ア「…はぁ、はぁ」
ア「…スパッツです」
ア「隣町で、軽四にスパッツを山積みして売っていた人が居て…」
ア「『スパッツは裏切らへん!』、『スパッツの時代が来る!』って言ってて」
ア「30分言い合いした結果、二枚買うてしまいました」
ア「間違ったこと、言ってなかったから」
ア「街中でスパッツを持って走っていたら、皆逃げるから、面白くなってきて」
ア「裏切らへんのやな、って」
⑷
アキコは、啓之が着ているカジュアルスーツのパンツの太もも部分を掴み、
ア「これ、直ぐ、裏切られるやつや!」
ア「炭水化物を食べたら、二、三日で裏切られる」
ア「スパッツは甘いもん食べても、大丈夫」
ア「最終的には、世界的にゴムなんやね」
啓「…(苦笑)」
ア「笑い事ちゃうよ!」
吉田がアキコに対し、
吉「何に熱なってんねん!(苦笑)」
ア「スパッツですよ!」
アキコはスパッツおっさんにすっかり感化された様子。
⑸
苦笑いしながら見ている啓之・早苗・ぢゃいこに対し、
ア「あんたら、スパッツに納得してないやろ!?履かそうか!?」
アキコが三人を追いかける。
啓之と早苗は駅構内に逃げ切ったが、ぢゃいこが駅入口で捕まる。
片足にスパッツを引っ掛けられたところで、何とか逃げ延びた。
吉「アキコさん、ほんま、何考えてんの!?」
ア「…フフフッ」
吉「笑うな!」
⑹
吉田とアキコ、二人。
吉「何、してんの?ウチのお客さんやったのに!」
吉「この豹柄のスパッツも、どうすんの?」
ア「コーヒーとセットで売りましょ」
ア「裏切らないコーヒーと裏切らないスパッツで」
吉「そんなん、あかんわ!」
ア「じゃあ、もうええわっ!!」
吉「アキコさん、癇癪持ちやな。(苦笑)」
吉「…とにかく、まじめに仕事して!」