安堵した昌雄とサキが寄り添う。

 

奥重がサキに語り掛ける。
奥「サキ!…お前とは別れたる
ニヤリ

奥「俺を助けようとする二人を見て、俺の入る隙は無いと分かった」
奥「…」
奥「なーに、心配すんな!
ニヤリ
奥「彼女なんて、幾らでも居る・か・ら…さ!
キラキラ
と、人差し指と中指で銃のような形を作り、

自分のコメカミの上辺りに当ててから、サキに向け、その指を出す。

(キザに「あばよキラキラ」とでも言っているようようなジェスチャー、苦笑)

 

荒木が入り口まで駆け寄り、ホテル玄関の方を見て、
ア「友達、少ないでしょー?
ニヤリ笑い泣き

辻「荒木。お前と初めて同意見や。(苦笑)」

 

 


昌雄が由美にお願いする。
平「雅斗君と幸恵には、迷惑を掛けません
アセアセ
平「私は、ここを出て行きます」
平「だから、二人の結婚、認めてあげてください!

由美に土下座する、昌雄。
荒木が昌雄の横に行き、中腰になり、呆れたように掌に自分の顎を乗せ、
ア「土下座で何でも許されるもん、ちゃいますよ
プンプン笑い泣き
辻「究極の謝罪や!タラー

辻「荒木。空気、読もう!」

由美が昌雄に、
由「二人の結婚、許しましょう
照れ
平「ありがとうございます!」

ア「そんな簡単に許していいんですか?
プンプン笑い泣き
辻「なんで、ええ空気を壊す!?タラー
辻「下がっとけ!」
ア「下がります!」
辻「言わんでええ!
タラー

幸恵と雅斗がめでたく結ばれた。


昌雄が舞台中央の和久のもとに歩もうとするが、
和久は拒否し、舞台下手の壁まで行き、背を向ける。

昌雄が舞台中央から和久に話し掛ける。
平「和久。迷惑掛けて…」
『ピーポー ピーポー』
救急車のサイレンが台詞に被り、動揺した昌雄の台詞が止まり、

観客が笑い始める笑い泣き

辻「ええ場面なんで、先、処理しよう。(苦笑)」 笑い泣き
辻「ピーポーで動揺すな!(苦笑)」
辻「…笑っていただいたところで、改めて、ええ場面に
照れ

 

やり直し。
平「和久。迷惑掛けて、すまんかった
ショボーン
平「ワシ、出て行くから…


鞄を取りに舞台上手に向かう、昌雄。
荒木がダッシュし、鞄を昌雄に渡す。
笑い泣き
辻「なんで、渡すんや!タラー
辻「下がっとれ!」
ア「下がります!」
辻「言うな!
タラー


口元で『お静かに!上差し』のポーズをし、静かにゆっくり下がる、荒木。 笑い泣き


昌雄とサキが肩を落とし、ゆっくりと入り口に向かう。

幸「お父さん、待って!」
幸「お父さんに結婚式に出てほしい!」
雅「僕からもお願いします!」

 

昌雄は幸恵と雅斗の方を振り返り、
平「ありがとう
照れ
平「もう、ええ。二人、幸せなるんやで
照れ


辻本が壁際で背を向ける和久に、語り掛ける。
辻「和久君」
辻「…和久君の気持ちは分かる」
辻「お父さんが突然おらんようになって、ホテルは大変やった」
和「…」

辻「でも、今の姿を見たら分かるやろ?」
辻「お父さん、充分、反省してる
照れ

辻「お父さんのこと、『許してやったらどうや?』」
松浦が辻本の横に来て、
松「…訛ってますよ
ウインク
辻「訛ってる?



昌雄とサキが入り口に向かう。

 

その時、和久が振り向き、昌雄に対して、
和「待てーっ!
プンプン

昌雄とサキが振り向く。

和「あんたが出て行ったら、誰が幸恵のバージンロードを歩くんや!
プンプン
荒木が「はいっ!
パーおねがい」と、小学生のように大きく挙手する。 笑い泣き

辻「なんで、お前なんや!タラー
辻「普通はお父さんか、おらんかっても、親戚のおっちゃんや!」
辻「下がっとれ!」

荒木に『下がります!』を言う時間を与えず、立て続けに、
辻「(下がります!)言うな!」
笑い泣き
神妙な顔で下がる、荒木。


昌雄が和久に対し、
平「ワシのこと、許してくれるんか…」
和「二人とも、客室清掃員から始めてもらうぞ!
プンプン

荒木が腕まくりしながら、昌雄とサキに対し、
ア「客室の清掃、難しいぞ~
右上矢印口笛爆  笑」←標準語っぽく、楽しそうに
辻「お前だけや!
タラー

辻本が昌雄とサキに
辻「ビシビシ、しごきますからね
照れ

 
 
⒔ 終
和やかな空気に包まれる、ホテルロビー。

その時、辻本が何かに気付く。
辻「…ちょっと、待って
びっくり
辻「昌雄さんとサキさんが増えたら、従業員が多すぎるな…」

辻本が荒木の方を見て、
辻「ということで、荒木。今日で解雇や
ニコニコ

荒木は笑顔で、
ア「人件費を抑えなあかんもんね
ウインク
ア「誰か入ったら誰か抜ける。そういうもんやねウインク
ア「…」
ア「イヤや~っ!
ガーンえーん

辻「クビにして、すいません!」
ア「いぃよぉ~」

辻「今、『いぃよぉ~』、言うたね?
ウインク
辻「クビ~!
ウインク
 
 
終。
 
 
 
[雑感]

今回の作品のポジションは、

主役…アキさん

回し役・物語を絞める役…辻本座長

物語の主役…大島和久さん

といったところでしょうか。

 

座長以外が物語・笑いの主役級…というケースは良く見られますが、
今作は、非常にアキさん色の濃い作品で、
アキさんのペースで、時間を掛けてキャラクターが描かれているようでした。

 

会場を大きく沸かせた関節・クイーンのリズムネタを筆頭に、

アキさんの『エヴォるん精神』を感じました。

 

他の座員さんのネタも突然やってきたようなものばかりでした。

 


私の観覧回の大オチは『エヴォるん新喜劇』と同じものです。

 

この大オチからしても、
アキさんが基礎から関わった作品であることが伺えますね。

 

辻本さんから「従業員が多すぎるな…」と台詞が出た瞬間、
2週間前に観た大オチにニヤニヤしながら、
台詞を言うアキさんに、「行けーっ!!
爆  笑」と心の中で叫んでいました。
 
※補足
大オチに関しては、別の回では、
舞台中央で解雇を宣告された荒木が
ニコニコと演者・観客に手を振りながら舞台袖に捌けウインクバイバイ
ア「イヤや~っ!ガーンえーん
と戻ってくるパターンもあったようです。
 
毎回、少しづつ変化して、
各回、新しい発見があるのも新喜劇の良いところですね。
 

辻本さんは脇に回り、座員さん達のネタを背後で見守り、
終盤の重要な場面を締めにいった印象でした
照れ

辻本さんがアキさんのために自らの座長週を使い、力業で設けたような、
実質的なアキさんのリーダー週に感じました。
照れ拍手拍手

 

一回限りなのか、他劇場でもまた見られるのか、分かりませんが、
もし、TV放送されるNGKでも同類の公演が行われた場合には、
『真のアキさんワールド』が広く世間に知られることになり、
その反響は相当大きなものになるのではないでしょうか。

 

『♪We will we will rock you』を

観客が大合唱する日を楽しみにしています。

 

 

 

18/03/27~04/02
【西梅田劇場・辻本座長週】 完