裕の弟で、高校一年生の敬介(もりすけ)が帰宅する。
も「ただいまーニコニコ
も「友達と遊園地のお化け屋敷に行ってきたわ」

楽しかったようで、幽霊の変装グッズをたくさん買ってきた。
も「兄ちゃん、うどん屋でもお化け屋敷をしようよウインク
裕「アホなこと言うな!タラー


レ「…!びっくり
令が閃く。

レ「これですよ!」
レ「幽霊になって、地上げ屋を追い払いましょう!」

裕「…そやな。やるか!」


も「それやったら、俺も頑張るわ!」
も「奥でメイクしてくるから、着替えてて」

白装束を着て幽霊になる、裕と令。


そこに、景子が戻ってくる。
景「お母さん、全然言うこと、聞いてくれへん!ショボーン

景子は幽霊姿の裕を見て、驚く。
景「キャーッ!ガーン
裕の頭をドリザッパで叩く。
裕「景子ちゃん、俺や、俺!アセアセ

裕の顔をしっかり確認する、景子。
景「…」
なぜか、裕の頭を再びドリザッパで叩く。 笑い泣き


景「なんや、裕君か…おねがい
裕「最後、なんで叩いたん?えー


奥から、白装束で、顔を真っ白に塗った敬介が現れる。
裕「千と千尋の『カオナシ』やん!びっくり
も「…」
も「あ…」
も「あ…」

景子にも作戦を説明し、幽霊になってもらう。
 

 



地上げ屋を驚かせる練習をすることに。

令が曲を流す役になり、

その曲を合図に、物陰に隠れた皆が出て行くことにする。


裕が令に、
裕「出易い曲を頼むわ!」
令「了解!」

練習スタート。
皆が所定の位置に着き、令が音楽を流す。
流れてきたのは、AKB48『会いたかった』の替え歌。

『♪うらめしや うらめしや うらめしや Yes!』
皆が一斉に出て、陽気に踊る。
『♪うらめしや うらめしや うらめしや Yes!』

『♪君に~』

裕「ストップ、ストップ!」
裕「なんやねん、この曲ー!」
レ「出易い曲ですウインク
裕「確かに、出易かったけどー!」
裕「楽しい感じじゃなくて、怖がらせる感じのやつやー!」


皆が所定の位置に着き、令が音楽を流す。
流れてきたのは、『仁義なき戦い』のテーマ曲。

皆が睨みながら登場する。
景子が椅子を持ち上げ、うどん屋の壁を椅子で叩きながら、叫ぶ。
景「うらめしや、こらーっ!ムキー


敬介も叫ぶ。
も「うらめしや、出さんかい!ムキー笑い泣き

も「うらめしや、いてまうぞ!ムキー

裕「ストップ、ストップ!」
裕「『うらめしや、出さんかい!』って、どういう意味や?(苦笑)」
裕「ほんで、景子ちゃん、怖すぎ!(苦笑)」 笑い泣き

裕が令に対して、
裕「怖がらせる言うても、ヤクザじゃなくて、お化けの方やー!」


皆が所定の位置に着き、令が音楽を流す。
流れてきたのは、『オバケのQ太郎』の曲。

『♪Q Q Q オバケのQ』
『♪ぼくは オバケのQ太郎』
誰も出て行かない。

裕「ストップ、ストップ!」
裕「どのタイミングで出て行ったらええか、わからんわー!」
レ「4回目のQですウインク


裕「お化け屋敷で流れるような曲、ない?」
レ「こんなんしかないですけど…」

令が音楽を流す。
『♪ドロロロロ~』
一般的なお化け屋敷の曲が流れる。

裕「最初から、これでええんや!えー

一先ず、練習が終わった。

 

 



雰囲気作りのため、うどん屋の照明を暗くする。

舞台は青暗い照明になる。

皆が所定の位置に着き、地上げ屋の登場を待つ。
裕「10分経ったし、そろそろ地上げ屋が現れる頃やな」


景子の母の日和子が現れるが、
お店の照明を暗くしているため、
裕達には相手の顔が分からず、足音しか聞こえない。

裕は地上げ屋が現れたと勘違いし、令に小声で合図を送る。
裕「今や!」
令がお化け屋敷の音楽を流す。

裕達が日和子の前に出て行く。
裕「うらめしや~」
守「ギャーッ!!ガーン
日和子が倒れる。

裕「よっしゃ、成功や!グッ
お店の明かりを点け、倒れている人の顔を確認する、裕。
裕「お母さん!びっくり


日和子が怒る。
守「一体、どういうことよ!プンプン
裕「違うんです!アセアセ
裕「幽霊に変装して、地上げ屋を追い返そうとしていたんです!」
守「…地上げ屋?」


そこに、地上げ屋の津田・別府が現れる。
津「今の話、聞いたでプンプン
津「俺らを追い返すやと!プンプン

津田は怒り、景子を人質に取る。
津「土地を譲らんと、この女、殺すぞ!ムキー


裕が津田達の前に出ようとするが、敬介が制止する。
も「兄ちゃん、俺に任せろ!」

敬介が津田達の前に出る。
津「殺すぞ!」
敬「…殺すな!」 笑い泣き
裕「どんな返しやねん!…気持ちで負けてないか?(苦笑)」

結局、あっさりやられる、敬介。


裕が津田達の前に出る。
裕「その子は、俺の命よりも大切な人なんや!」
裕「その子だけは離してくれ!」

津「ほな、土地を譲ってもらえるかな?ニヤリ

裕「…」
裕「…分かった」


その時、日和子の大きな声がする。
守「待ちなさい!プンプン

津田達の前に出る、日和子。
ファイティングポーズを取り、
守「かかってきなさい!プンプン
津「お望み通り、やったらあ!」

津田が殴り掛かるが、日和子は攻撃をスルスルとかわす。
そして、天を突くような綺麗なアッパーカットで津田を倒す。

別府も殴り掛かるが、自ら倒れた。


津田と別府が日和子に恐れをなして、逃げ去っていった。
守「これで、解決ね照れ

 


⒑ 終

裕が日和子に謝る。
裕「景子さんを危険な目に合わせて、すみませんでしたショボーン


日和子が裕に語り掛ける。
守「謝るのは、こちらの方ですショボーン

♪ピアノの演奏が流れる


守「あなたは、店を売り、体を張って、景子を守ろうとした」
守「私の考えが間違っていたようです」
守「失礼なことを言って、すみませんでしたショボーン

裕「お母さん…おねがい
景「お母さん…おねがい
レ「おじさん…ニヤリ
裕「見た目で言うな!タラー

皆が敬介の方を見る。
も「あ…」
裕「やっぱり?(苦笑)」
も「あ…」

も「あ…」
も「あーあ」
裕「なんやねん、『あーあ』って。(苦笑)」


景子が母親に対して、
景「私達の結婚、認めてください!」
守「…」
守「認めま~す♪口笛

裕「…キャラ、変わりましたねタラー
守「内心、二人はお似合いだと思ってたの~♪口笛
守「気持ちを抑えてたの…その反動~♪口笛
裕「…面倒くさい人やなタラー

裕が母親のためにうどんを作ると言う。
守「食べる、食べるぅ~口笛


日和子がお化けの件を思い出す。
守「私、幽霊だけは苦手なのよ」
守「お店には出ないわよね?キョロキョロアセアセ
守「出るなら、結婚は認めませんからね?」

その時、舞台上手奥から、
白装束で長髪で髪の隠れた女性?のお化けが現れる。
守「出たーーっ!ガーン

裕「出っ、出るわけないでしょ!アセアセ

裕が幽霊のもとに駆け寄る。
裕「どういうことや?キョロキョロアセアセ
幽「…」
幽「…」


幽霊が前髪を上げると、現れた顔は、地上げ屋の別府。
別「すぐ、そんなこと言うやろ~♪」


裕「お前かーい!えー


終。



17/06/10~11
【漫才劇場・吉本極新喜劇】 完