『うどん屋・お化け大作戦』

[セット紹介]
うどん屋。

舞台中央奥に、調理場のあるカウンター。

舞台上手奥に、休憩場所等へと続く通路。

舞台下手に、お店の入り口。

という、典型的な新喜劇のセット。
漫才劇場の新喜劇は、毎回、このセットです。



[物語]
(敬称略)


舞台は、うどん屋『花月うどん』。

開店前に、大将の裕(吉田裕)がテーブルを拭いている。
裕「掃除はこんなもんかなニコニコ

 

うどん屋の入り口の方を気にする素振りをして、
裕「それにしても、遅いなあ」
裕「アルバイトの面倒の時間、過ぎてるけど…」


軽薄な感じの男性・令(レイチェル)が来店する。
レ「チーッスッ!口笛
裕「…食事ですか?タラー
レ「いや、アルバイトの面接に…」
裕「なら、帰ってもらえますか?えー
レ「…とか言っちゃって♪」

裕「…?」


裕「帰って!えー
レ「…そんなこと言っちゃって♪」

裕「帰れ!えー
レ「…とか言っちゃって♪」

裕「それ、やめろー!タラー



令は裕の胸を触り、
レ「良い体してますね♪」


レ「まさに…」
レ「♪ダイナマイトなバティ でも品が無い」
裕「品をくれ!タラー


裕に謝る、令。
レ「すみません!」


掌を広げ、裕の頭を押さえ、自分のスマホに話し掛ける。
レ「OK,Google. 記憶を消して!ウインク
裕「そんな便利な機能、付いてないわ!タラー


レ「すみません、採用してください!お願い
レ「頑張りますんで!」
頭を下げる、令。

裕「…しゃあないなあ!ちょっと様子、見たるかタラー
裕「採用や!」
レ「ありがとうございます!おねがい

 




裕「早速、今日からお願いするわ」

裕が自己紹介する。
裕「大将の吉田裕やニコニコ

レイチェルも自己紹介するが…
レ「俺の名前は…」
ボイスパーカッションを始める。
レ「♪~トゥクトゥクトゥク トゥートゥクトゥクトゥク トゥー」
裕「全く、分からんわ!タラー

レ「…とか言っちゃって♪」
裕の肩にもたれ掛かるように、
レ「楽しい~口笛
裕「楽しんでるの、お前だけや!タラー


レ「僕の名前も、『吉田』って言うんです」
レ「…ってことは、タメ口でいいですよね?ウインク
裕「なんで、そうなんねん!タラー
レ「…令です。(苦笑)」


裕が令に勤務時間等を伝える。
裕「朝10時~夜6時」
裕「休憩は1時間ね」

レ「では、行ってきます」
令がうどん屋入り口の方に向かう。
裕「どこいくんや!タラー
レ「休憩口笛
裕「あかんやろ!タラー

令が椅子に腰掛け、
レ「あ~あ~、ブラック企業か~」
裕「どこでもや!タラー

令もエプロンを着け、早速、働くことになった。
 

 



裕の彼女の景子(松浦景子)が現れる。
景「裕君、おはようニコニコ

レ「こんな可愛い彼女、どこで、捕まえたんですか?」
裕「失礼やな。紹介されて、知り合うたんや」

レ「そういう意味じゃなくて、物理的に…」
レ「出っ歯で?ニヤリ
裕「出っ歯で捕まえる奴、おるか?タラー
レ「大将、『顔面ブルドーザー』みたいだからニヤリ
レ「初めて聞くわ、その例え。(苦笑)」


景子が裕に対して、
景「裕君、こちらの方は…」
レ「♪トゥットゥク トゥーク トゥットゥットゥッ トゥーク…」
裕「もう、ええって!タラー


景「えー、今日から入ったアルバイトの令さん?」
裕「景子ちゃん、凄いな!今ので、よう分かったな!びっくり
景「…とか言っちゃって♪」
裕「景子ちゃんもー!?キョロキョロアセアセ

 



今日は、裕が景子の母親と初めて会うことになっていて、
母親は、駐車場に車を止めに行っているという。

裕「お母さんに、うどんを食べてもらうんや!」
レ「食べログの評価、『1.2』ですけど、大丈夫ですか?ニヤリ
裕「マジでっ!キョロキョロアセアセ
裕「評価の方がおかしいんちゃうか?味には、自信あるぞー!アセアセ


裕は緊張気味。
裕「景子ちゃんのお母さんは、吉本商事の社長やねん」
レ「あの、大会社の?」
裕「そや。…なんか、緊張するなあアセアセ

令が勇気づける。
レ「いつものお前で行けば、いいんだよウインク
裕「お前とは、3分前に知り合ったばっかりやないか!タラー

 




景子の母親・日和子(守谷日和)が現れる。

あまりの見た目に、
レ「雄のゴリラやんびっくり
守「酷い!プンプン


守「でも、そんなこと言われると、ゴリラになっちゃいそう」
守「あ~、ゴリラになっちゃう」
守「ゴリラに、ならー…ない!照れ
裕「ならんの?」
守「ギリギリのところで、ならない!照れ


裕が景子の母親に挨拶する。
裕「景子さんとお付き合いさせてもらっている、吉田裕と申します」
裕「景子さんと結婚させてください!」

守「二人の結婚は認めません!プンプン
守「こんな小さなお店では、景子が可哀想よプンプン
裕「お店は小さいかもしれませんが、景子さんに対する気持ちは誰にも負けません」
裕「お願いします!」
頭を下げる、裕。

守「頭を下げても無駄よ!」

日和子が去って行った。
裕「…」
 

 



日和子と入れ替わりで、チンピラ風の地上げ屋、
津田(マルセイユ・津田)と別府(マルセイユ・別府)が来訪する。
津「邪魔すんでーニヤリ
裕「邪魔すんやったら、帰ってーニヤリ
津「あいよーニヤリ
津「って、なんでやねん!アセアセ
津「用があって来たんやプンプン


津田が裕に土地買収の話を持ち掛ける。

津「この一帯がマンションの建設予定地になっとってなニヤリ
津「兄ちゃんとこの土地、売ってもらえんかな?ニヤリ
裕「親父から受け継いだ店やし、売るわけにはいきません」
津「売らん、ちゅうんか?プンプン

津田が別府に対して、
津「この兄ちゃん、ビビらせたれ!ニヤリ
別「分かりましたーニヤリ


別府が裕の前に行き、大声で、
別「わっ!!!」
裕「ビビるわ!びっくりアセアセ
裕「ほんで、ビビらせるって、そういう意味?(苦笑)」
別「すぐ、そうやって言うやろ~♪」
裕「…?」


別府が裕にお願いする。
別「蕎麦を食べる真似をしてもらえますか?」
裕が渋々、蕎麦を食べる真似をする。
別「すぐ、そうやって食うやろ~♪」
レ「…とか言っちゃって♪」
別「すぐ、そうやって言うやろ~♪」
裕「何の言い合いや!タラー

レ「すぐ、そうやって言うやろ~♪」
別「…とか言っちゃって♪」
裕「逆になってるぞ!タラー

別府と令が裕の肩にぶら下がるようにして、
「楽しい~口笛
裕「気、合わすなよ!」


津田が裕に対して、
津「どうや、売る気になったか?ニヤリ
裕「なるわけないでしょ?」


景子が津田の前に出る。
景「こんんこと、やめてください!プンプン
津「女は引っ込んどれ!ニヤリ
景子を突き飛ばす、津田。

裕「景子ちゃん、大丈夫か!」


裕「警察呼びますよ!」
津「…分かった。出直してくるわアセアセ
裕「今度は、いつ、来るんですか?」
津「10分後や!」
裕「それ、出直す意味、あります?タラー

津田と別府が去って行った。


景子が母親の説得に向かった。

悩む、裕。
裕「結婚は反対されるし、地上げ屋は来るし」
裕「俺はどうしたらええんや…ショボーン

令が慰める。
レ「こんなときこそ…」
レ「♪何も言わずに 突き刺すよ 君の眼球」←『サンキュ.』の替え歌
裕の眼球を指で突き刺そうとする、令。

裕「びっくりするわ!びっくりアセアセ
裕「来るなら、来るって言えよ!アセアセ
レ「元気、出ました?ウインク

 

 

その3に続く