⒋
⑴
まりこは、うどん屋に住み着いてしまい、
勝手に働き始めた。
まりこは、まだ、徹郎のことをケンタロウと思っているよう。
ま「ウロケンタ」
新「…?」
ま「間違えた…ウロタンケ」
ま「幽霊ジョーク」
⑵
早苗がまりこに対して、
早「徹郎さんは私の夫で、ケンタロウさんじゃないんです」
ま「本当に、ケンタロウさんじゃないの…?」
♪ピアノの演奏が流れる。
ま「私、ケンタロウさんと一緒にうどん屋をしたかった」
ま「気持ちを伝える前に、交通事故で死んでしまって」
ま「彷徨っていたところをお札で封じられたの」
まりこは、ケンタロウの事でこの世に未練がある様子。
⑶
まりこが奥に消えた時に、
銀行員・松本が再来する。
松「幽霊が出るって、噂になってますよ!」
松「融資の件は再検討させていただきます!」
どうやら、客だった岡下と直子が
まりこの件をあちこちで広めているよう。
松本が去って行った。
早「面白くなってきたわね♪」
新「他人事みたいやな!」
⒌
⑴
岡下と直子が、うどん屋にやってくる。
徹郎も早苗も奥に居て、
二人だけの場面。
直「霊媒師に扮して、大金を要求しましょう」
二人が、この街で最近多発している詐欺犯だったよう。
⑵
徹郎と早苗が奥から出てくる。
直「私の彼氏は、霊媒師なんです」
直「幽霊が出ているようで…お祓いしましょうか?」
徹郎は融資のために藁をも掴む思いで、お祓いをお願いする。
直子が岡下に小声で
直「私が雰囲気作りするから…」
直子は徹郎にトイレを借りると言い、奥に消える。
⑶
岡「凄い邪気ですね」
岡「では、お祓いします!」
直子がお店のライトを消し、
岡下がそれらしい声を上げる。
岡「ハーッ!」
しかし、次の瞬間、直子が誤ってライトを点けてしまう。
岡下が、まりこを無理矢理、引っ張っていく姿が現れる。
新「こっちが、『はぁ?』って、言いたいわ!」
⑷
直子が奥から出てきて、岡下に小声で、
直「上手く、騙せた?」
岡「それ以上言ったら、俺らが詐欺師ってバレてしまう」
大声で言い、バラしてしまう。
⒍
⑴
バレたら仕方ないと、ナイフを取り出し、
徹郎を人質にし、金を要求する、岡下と直子。
まりこが説得に当たる。
ま「その人を離しなさい!」
ま「両親が悲しむと思わへんの!?」
ま「思わへんのよね~」
ま「やっていい事と悪い事、分かる!?」
ま「分からへんのよね~」
岡下と直子に喋る機会を与えない、まりこ。
ま「何なん、こいつ。話す気ゼロ!」
岡「話させろや!」
全く、説得の効果なし。
そもそも、説得する気はあったのか…(苦笑)。
⑵
早苗が岡下と直子の前に行き、後ろを指差し、
早「ちょっと、あんたたち…UFOよ!」
新「そんなんじゃ、あかんやろ!」
後ろを振り向く、岡下と直子。
まりこが、隙を突いて、ドリザッパで叩く。
二人は観念したよう。
ま「手を焼かせやがって!」
まりこが、岡下と直子を『気』で交番に送った。
新「その能力、最初から使ってください」
⒎
⑴
銀行員・松本が現れる。
融資の承認を取り消す旨を伝えにきたよう。
その時、まりこが松本を見て、
ま「ケンタロウさん!」
徹郎と松本は似ても似つかないが…
松本の方も、まりこを覚えていた。
一応、徹郎が松本に確認を取る。
新「ケンタロウさんですか?」
松「はい、松本ケンタロウです」
⑵
松本がまりこに語り掛ける。
松「まりこをずっと探してた」
松「結婚せずに、仕事一筋で…」
松「元気そうやな」
新「死んでますよー」
松本とまりこで『愛あればこそ』を歌い、
愛を確かめ合った。
⑶
徹郎がまりこに対して、
新「ケンタロウさんに、会えて良かったですね」
ま「ケンタロウさんに会えて、この世への未練が無くなったのかしら?」
ま「天国から、お迎えが来たみたい」
⑷
まりこが天国へと旅立つ際に、
ま「ケンタロウさん。いい人を見つけて、頑張ってねー!」
上手奥に消える。
松「まりこーっ!」
新「行ってしまいましたね…」
ま「それから…」
戻ってくる、まりこ。
ま「ケンタロウさんに出会えて、幸せだった」
ま「じゃあねー!」
上手奥に消える。
松「まりこーっ!」
新「行ってしまいましたね…」
ま「それから…」
新「もう、ええわ!」
新「未練を残さず、天国に行ってください」
まりこが天国に旅立った。
⒏ 終
松「まりこに会えて、良かったです」
松「融資の件、継続させてください!」
新「ありがとうございます」
新「まりこさんのお陰や」
新「まりこさん、ありがとう!」
ま「呼んだ~?」
あっさり天国から帰ってくる、まりこであった。
終。
17/05/14
【漫才劇場・吉本極新喜劇】 完