2025/11/17 【末成歌劇団特別公演 〜はじまりのとき〜】

 

 

 

[あらすじ]

人気低迷で劇団存亡の瀬戸際にある、末成歌劇団。

スポンサー候補が現れるが、新作の内容を見て契約を判断したいと告げられる。

末成歌劇団存続を懸けた新作『ロミオとジュリエット』が今ここに幕を開ける。

 

 

[公演時間]

劇:90分

カーテンコール:10分

計:100分

 

 

[画像]

 

 

 

 

 


 

[キャスト]

末成歌劇団公演『ロミオとジュリエット』 

 

☆モンタギュー家

ロミオ / 金原早苗、トップスター

ロミオの友人・マキューシオ / 小林ゆう、男役トップ

モンタギュー / 重谷ほたる

モンタギュー夫人 / 前田まみ

使用人 / 大塚澪

 

☆キャピュレット家

ジュリエット / 松浦景子、娘役トップ

ジュリエットの従兄弟・ティボルト / 森田まりこ

キャピュレット / 岡田直子

キャピュレット夫人 / 島田珠代

ジュリエットの世話係 / 吉岡友見

使用人 / 服部ひで子

 

☆修道院

修道僧ロレンス (末成さんはローレンと発言) / 末成映薫、劇団創設者

修道僧ジョン、パリス伯爵、草(もとい茂み)、天使の4役 / 酒井藍

 

☆語り部役 / たかおみゆき

 

 

末成歌劇団・関係者 

新人マネージャー / 吉田裕

スポンサー候補・花月ホテル社長 / 浅香あき恵

劇団OG / 紅ゆずる

 

 


 

[物語構成]

一幕:新喜劇 25分 (キャラクター紹介&物語のゴール提示)

 

・新人マネージャー吉田の登場 ←特に第二幕のツッコミ役で必要なため

・劇団員の紹介 →各人の定番ネタ披露や容姿弄り

・OG紅ゆずるによる演技指導

・人気低迷で劇団存亡の瀬戸際にあることが明かされる

・スポンサー候補の登場→新作『ロミオとジュリエット』の出来次第で契約決定

・劇団員たちは一丸となって新作公演に臨む

 

 

二幕:末成歌劇団『ロミオとジュリエット』 60分 (今イベントのメイン)

 

・吉本新喜劇座員による悲劇的な物語のミュージカル

・ロミジュリのパロディではなく、本筋はそのままで笑いをまぶしたもの

・笑いは物語の空気を壊さない範囲で、普段の吉本新喜劇と比較して控えめ

舞台端に立つマネージャー吉田が演者には聞こえない体でツッコミ

・簡易のフィナーレあり

 

 

三幕:新喜劇 5分 (オチ)

 

・劇はスポンサー候補の期待する内容ではなく、契約不成立

・OG紅ゆずるが再登場し、劇を絶賛

・スポンサー候補は紅の大ファン→紅から頼まれスポンサー契約成立

・ただし、契約条件として誰か一名の人員削減を求められる

・新人マネージャー吉田が解雇され、終了

 

 


 

[カーテンコール]

浅香あき恵さん

 

浅香「次は劇団員で出たいです」
酒井「末成歌劇団は個性があれば誰でも入れます。合格ですニコニコ

酒井「次はウンチの役でお願いしますニヤリ」 笑い泣き

自身が演じた『草(もとい茂み)』以下の役を挙げ、観客の笑いを誘う。



紅ゆずるさん

 

紅さんのスタイルの良さ・相対的な顔の小ささに驚く=褒める、藍ちゃん。


紅「大阪で育ったから、吉本新喜劇に出させていただけるのは凄く名誉なことで」
紅「タカラヅカに受かった時よりも家族が喜んでくれました」 笑い泣き

 

 

 


 

[雑感]

ミュージカル『ロミオとジュリエット』がメイン

 


始まりこそ「♪ホンワカパッパ」が流れるものの、

末成歌劇団員のドタバタを描く吉本新喜劇というよりは

末成歌劇団のミュージカル『ロミオとジュリエット』がメイン。

劇中劇とはいえ、真面目に人の死が描かれます。

 

つまり、公演の大半は吉本新喜劇座員による真剣なミュージカルです。

 

吉本新喜劇の舞台経験が活きにくいミュージカルで、

上手側下手側合わせて4か所の捌け場所と演出多めの内容。

短い練習時間だったそうですが、

完璧に成功させた新喜劇座員やスタッフは凄いですね。

 

一方、笑いの量は悲劇的な物語の空気を壊さない程度に抑えられていました。

 

したがって、凄みが面白さを上回った印象です。

 

末成歌劇団イベントに吉本新喜劇を求めるか末成歌劇団ミュージカを求めるかで、

評価が大きく分かれそうですね。


今回の路線なら、次はより純粋な形の末成歌劇団公演を見てみたいです。

全編、末成歌劇団ミュージカルで、

カーテンコールも末成歌劇団員になりきって挨拶する。


時折、吉本新喜劇が顔を覗かせるより、

水谷千重子さん風に嘘を貫き通す方が更に楽しいと思うんですよね。

吉本新喜劇はNGKで幾らでも観られますし。


とはいえ、末成歌劇団には舞台端のツッコミ役が必要ですから、

例えば、開演時に吉田裕マネージャーが現れ、

吉田「末成歌劇団マネージャーの吉田裕です」

吉田「皆さん、今日は最後まで楽しんでいってください」

吉田「僕も側でチェックしたいと思います」

と舞台端にいる理由作りだけして、後は全て末成歌劇団ミュージカル。


で、末成歌劇団員のドタバタ劇の方はNGKの新喜劇で催せばいいんじゃなかな、と。

 

 

客層

 

観客は0.59.5くらいで、普段の新喜劇とは随分違って見えました。

紅ゆずるさんのファンも多数駆け付けたのでしょうか?

 

 


 

[笑い]
「凄みが面白さを上回った」中で印象的な笑いを探すと…


開演前に流れるBGM

壮大なオーケストラ、泣かせるメロディ、合唱団による清らかな歌声なのに、

歌詞が出鱈目なんです。笑い泣き

インガスーンガスーン 光を集めて〜
インガスーンガスーン 未来へ羽ばたく〜
インガスーンガスーン 今日が始まるよ〜
インガスーンガスーン 小さな魔法で〜
インガスーンガスーン と叫べばまつ毛が伸びるよ〜



末成歌劇団の思い出

ミュージカルの準備時間確保のため、一幕後に流れるVTR

観客が一瞬も笑わないほど、空気を読まないトークを続ける西川忠志さん
最後までシュシュシュと何を言っているか分からない、諸見里大介さん

いつもなら頃合いを見てカットするところを各人2分も続くシュールな内容。
人によっては地獄のような時間だったでしょうが、
私は会場の空気を堪能しました。
あの空気はなかなか味わえません。

 


アクシデント


ジュリエットをロミオと呼び間違える、末成映薫さん。
ミュージカル中、演者には聞こえない体のツッコミ役である吉田裕さんが、
吉田「どう見てもジュリエットやないか!(苦笑)」 笑い泣き


ジュリエットと会う場面で階段に掛ける右足を踏み外す、ロミオ役・金原早苗さん。
吉田「一番大事な場面やないか!(苦笑)」 笑い泣き


カーテンコール時の吉田さんの話では、
ミュージカルの雰囲気を壊さないよう、ツッコミには細心の注意を払ったそうです。



見た目で笑わせる男役三名

ティボルト役・森田まりこさん

キャピュレット役・岡田直子さん
モンタギュー役・重谷ほたるさん

結果的に、男役としては小柄過ぎる三人が二幕の笑いの中心になっていました。

過剰なほど男役口調のまりこさんは体型とミスマッチな点が面白く、
岡田さんと重谷さんは基本真面目に演じているのですが、
男性らしさを強調する大きな衣装や過剰なメイクが笑いを起こしていました。

 

岡田さんは色味も含めてパタリロみたいでしたね。



酒井藍さん

カーテンコール時に中央で挨拶していたので、イベントの中心人物だとは思います。

ただ、物語上は端役で、普段の新喜劇時に比べて出演時間も控えめでした。
出演中、定期的にボケながらも劇を壊さないよう意識されている印象でした。

 

 

 

2025/11/17 【末成歌劇団特別公演】 完