久しぶりにブログを書いてみます。
ずっと放置したまま、というのもなんだか気が引けてしまうのと、小さなことでも情報提供が出来たら嬉しいなぁ、と思いますので。


まずは、近況報告でもしましょう。
10月入局というイレギュラーな働き方をして、早いもので3ヶ月目に突入ですが、徐々に仕事に慣れてきたところです。まだわたわたしてしまいますし、分からないことばかりで先輩に聞いてばかりのことが多いですが、1ヶ月目の頃に比べたら、ごくごく基礎的なことについては聞かずとも自分の判断でしっかりと動けるようになってきました。
1ヶ月目の頃に、「本当に覚えきれるんだろうか」と不安になって、隣の先輩に「これだけのことをどうやって覚えたんですか?」と聞いてみたら「そのうち慣れますから、分からないうちは遠慮なく聞いてください」と言われ、「そういうものなのかなぁ…」と思いつつ、ただ淡々と目の前の仕事をこなしていたのですが、先輩の仰る通りだったようです。
覚えるべきことの量、理解すべきことの難易度、どれをとってもかなりハードなので、「早く覚えないと!」という心掛けは大事ですが、あまりそれにとらわれないようにした方が良いのかもしれませんね。
僕の指導担当係長も、毎日のように直属の課長補佐に色々レクチャーを受けているんで、最高幹部クラスに上り詰めるまでは、ずっと「教わる」日々の繰り返しなのかもしれません。

で、実際にどんなことをやっているかですが、具体的な内容は言えませんが、抽象化して言うと、メモの作成、ごく簡単な資料の作成、資料整理等をやっています。有り体、というか、敢えて悪い言い方をすれば、「雑用」です。
ですが、「雑用」だからと言って、簡単だったり、いい加減にやって良かったりするわけではありません。
例えば、メモというのは、書き起こしの議事録ではなく、会議の要点をまとめて見やすく整理した資料なのですが、雑多な情報と中核になる情報を選り分けて、大事な情報だけを文書に書き出して、かつ、一読了解の極めて分かりやすい文書に仕上げることが求められます。
「誰が読み手なのかを正しく理解し、その読み手にとって必要となる情報をしっかりと把握し、読みやすい簡潔な文書を作る」、端的に言えばこういうことなのですが、実践するのはとても難しいです。「相場観」のようなものが分かっていない新人係員にとっては、なおさらです。
また、皆さんが白熱してくると、本当に好き勝手に喋るので、その内容をすべて正しく理解した上で、行ったり来たりした議論をそのまま書き起こすのではなく、流れを綺麗に整理したうえで、表現を分かりやすく適宜修正する、ということも必要になってきます。
「雑用」とは言うものの、なかなか骨の折れる作業です。
もちろん、新人係員が一人でパーフェクトの物を仕上げる必要はなく、先輩係員、係長、課長補佐のチェックが入るので、修正してもらいながら、「なるほど、こうしたら良いのか」と勉強させてもらうわけですが。
資料の整理にしても「ただ穴あけてファイルに入れるだけでしょ」と思われるかもしれません。確かにそのとおりなのですが、なんでもかんでも穴をあけてファイルに綴じればいいわけではありません。
役所内では一日だけで膨大な量の書類が机の上にどっさりと積み重なっていきますが、これをすべてファイリングしていたら、スペースもファイルも、いくつあっても足りません。
文書を作る上での参考資料など(WEB上でも公開されているようなもの)も、職員の共通理解を作り上げる上で多数やりとりしますが、そんなものがよっぽど重要でなければ綴じる必要はありませんし、その他にも程度の軽重はありますが、要るもの、要らないものがあるので、適宜選り分けて整理しなければいけません。
迷ったら上司や先輩にお聞きすればいいのですが、先輩や上司も一杯作業を抱えているので、何でもかんでも聞けばいいわけでもないですし、新人係員とはいえ、色んな仕事が飛び込んでくるので、だらだらと資料整理に時間をかけるわけにもいきません。
ぱぱっと、的確に資料を整理するのも、最初のうちはなかなか大変です。
しかも、ファイルした資料は、将来の職員が「この年にどんな仕事をしていたのか知りたい」「過去に似たような事案があったようだが、当時はどういう過程を経て結論に至ったのか参考にしたい」というときに重要な意味を持ってきます。組織の普段の業務の基礎を支える重要な文書になるわけです。

こんな具合に「雑用」の仕事もとても奥が深く、重要なわけです。
そして、頂点まで上り詰めない限りは、常に「上司や他の部署への報告」も求められるので、どんなに年次・役所が上になっても、メモや資料整理の仕事は必要になります。私の直属の課長補佐も、ちょくちょく資料整理やメモ作成をしています。
官庁訪問でも、「はじめのうちは、雑用みたいな作業が多いけど、本当に良いの?」という質問は定番ネタとして問われます。私は当時も迷いなく「はい」と答えましたが、働いてみて、なおさら「はい」以外に選択肢はないと思い始めています。
確かに、雑用のような作業ではありますが、だからと言って「とても簡単」なわけでもなく、また「いい加減にやって良い」わけでもなく、日々の業務を支えるとても大事な作業なわけです。それを「そんな地味なことはしたくない」と拒否するのは、その仕事の重要性を理解していないだけだと私は思います。
また、地位が上になればなるほど、仕事の内容は答えのない難しいものなかりになり、また量も膨大になりますが、「雑用」程度のことができないような人が、そんな高度なことを適切にこなせるというのも、なかなか考えにくいでしょう。
徐々に仕事の出来る人間になっていく、そのプロセスの入り口として、こういった「雑用」を身に付けることは良いことなのではないでしょうか。


近況報告だけで若干長めになってしまったので、一旦ここで切ります。
余力があれば、また試験に関するお話なども書こうと思います。