司馬先生の幕末小説の1つです。

主人公は長州藩の大村益次郎

 

元は長州の村医者の子で宇和島藩→幕府→長州藩に有能な人材として見出されます。

医学→語学→兵学等へと学びを広げ、活躍の場が多岐に渡っていきます。

彼が表舞台に出るのは軍事司令官としてで、幕長戦争(長州藩側として)、戊辰戦争にて功績を納めます。

 

最期は、戊辰戦争時に薩摩藩首脳の1人であった海江田に無用な恨みをかってしまい刺客に襲われ、それが致命傷となり亡くなります。

 

作中の彼の人柄がかなり魅力的だったのでいくつか挙げてみます。

 

・まるで機械のよう

彼はまさに機械のような合理的頭脳の持ち主です。

戦の現場経験も無いのに、書物から得た知識や事前偵察をもとに頭の中で計算し、司令塔として勝利をおさめます。

そんな彼は政治には向いてなかったと思われます。

「今日も暑いですね」

「夏なんですから当たり前です」(無表情)

といった風な具合で人間味の欠片も感じられません。

「変わり者」といった印象で済めば良いですが、成り上がり者である経歴、人当たりが悪いのも相まって、その最期のように無用な恨みをかうことが多かったようです。

ただし、戦の際なるべく被害が出ないよう計算した彼の戦術から、根は優しい心を持っているのではないかと感じられました。

 

また「西からいずれ足利尊氏(西郷)のような者が現れる」と予言し、見事に的中しています。

 

・ミニマリスト?

彼からは私心・欲望を微塵にも感じられません。

どんなに大身になっても晩酌は定量の酒と豆腐で十分。

身なりや家なども質素にしていたようです。

 

来月には長州藩の歴史を感じるべく、山口県を歩いてみる予定なので楽しみです!