新版忠臣蔵を完読しました。
吉川英治作品第3弾。
そして初の江戸モノ。
将軍綱吉の時代です。
生類憐みの令、犬公方…
歴史の授業が懐かしい…
話の大筋としましては…
赤穂藩主浅野内匠頭が
天皇家を巻き込んだ大イベントにて
勅使供応役に抜擢されます。
(天皇家からの派遣者の接待役)
※抜擢とはいえ、幕府にとっては費用を肥やした外様大名の懐を削ぐ狙いがあります。
天皇家絡みのイベントなので
御作法が当然厳しい。
その作法に精通しているのが吉良家。
なので例年抜擢された大名は
当主吉良上野介に教えを乞いつつ任務を全うします。
「吉良家にとっては教えるのが、役割なのだから贈呈品を豪華にするのもかえって気を遣わせるだろう…」
と考えた浅野は贈呈品を控えめにしました。
その結果、吉良の癇に障り、意地悪をされ始めます。
騙し、嘲笑される日々…
武士のプライドをズタボロにされ、我慢がならなくなった浅野は公の場で吉良を切り付けます。
殿中での斬りつけは御法度。
ただ「喧嘩両成敗」の時代の筈が結果浅野のみ切腹。吉良は何の処分もありません。
将軍に抗議するも叶わず。
赤穂藩を取り潰しにまでされてしまいます。
可哀想なのは家臣達。
亡き君主の復讐の期を伺うも
吉良に当然警戒され、守衛も堅い。
その警戒を解く為
約2年もの期間下準備の上
遂に吉良の首を挙げるのです。
…という内容で
仕えた君主を思う強い志から
武士道を感じられる話です。
私の率直な感想としては
「よく2年も待てたな!」
浅野家臣達の恨みは日々膨大。
それに重ね浪人で金もなく生活苦。
当然進路変更も考えられた筈です。
だけど主人を想う志は変わらなかった。
「慎重にならずに、まずは動いてみよう」といった即行派の私ですが、確実性を求める時は、じっくりコトコト物事を寝かせるのも有効かと思いました。
確かに吉良を一度打ち損ねると、殺害未遂で処罰され、機会は二度と無いですからね…
「善は急ぐべし」とは限らない。
たまには焦らず待ってみる。
機は必ず熟す。
今日中と思っていることも
実は思い込みかもしれませんし!
さて次は何を読むか…