私が乗りこんだタイミングは

まだ現場は造成工事中だった。

(山を切り崩して地盤を作り上げる工事)

 

数々の現場を見てきたが

この段階から携わったことはない。

 

私に与えられた任務は

上司よりも先に

1人で乗り込み

この造成工事中で

土を埋め戻すタイミングに

電気の埋設物を入れてしまうという

「先行外構工事」を終わらせる事だった。

(後から自分らで掘り起こさずに済む)

 

土木の測量の知識が全くないので

最初は戸惑ったが他社の人にも

助けてもらいつつ

何とか終わらせることができた。

 

それにしても会社は

なかなか上司をよこしてくれない。

 

現場もいよいよ本格的に始まるし

建物の仕様を決める打合せや

他業者との施工図のやりとりが進んでいた。

 

機械設備業者は施工管理で

5人体制。

うち(電気)は私1人・・・

元請(建築)は7人・・・

(仮に優秀な人だったとしても1人では

絶対にできない規模の現場なのだ)

 

私は徐々に追い詰められていった。

 

そもそもやったことも無い仕事ばかり。

教えてくれる上司も近くにいない。

下請けもあまり協力的ではないので

頼るわけにはいかない。

 

私は必死に食らいついた。

私がリタイアすると

うちの社員が現場に

1人もいない状況になる。

誰も代わりがいないので

会社に迷惑がかかる。

 

現場の面倒も見る。

施工図も書く。

設計図を読み砕き施工の検討をする。

客先との定例打合せの資料作り。

下請けの雑用。

金だけは

遠く離れた上司が処理してくれたが・・・

 

それでも来てくれない上司

待ってはくれない仕事・・・



アパートの最寄だった黒磯駅

なんか綺麗になった?!