巷で噂の立ち喰いステーキ「いきなりステーキ」渋谷にオープンしたので覗いてみた

噂では行列に並ばなければならないってことであったが、ランチ時空き空きであった

店に入りメニューを確認してみる

ワイルドステーキ300g 1050円

300g…

私の49年の人生経験において300gのステーキは多いということは知っている

私は胃袋はおそらく300gの肉を食べることができない、ので

「あのーこれ200gにできないですか?」

「すみません、ステーキは300gからになります」

「300gも食べられないんですよ」

「大丈夫です、それがペロッといけちゃうんですよ」

おいおい、お前は私の胃袋事情まで知っているのか?

私は長年のひとり暮しの影響で超小食な男なのだぞ

「それと、300gくらいの厚みがないと肉の本来の旨みがでないんですよ」

おいおい、300gを200gにしたところでどんだけ味が変わるというのだよ

絶対に変わらん、お前が食っても絶対にわからん

「わ、わかりました、それじゃこの300gのランチください」



ほどなくしてステーキが出てきた、ライスまで付いている

「無理だ…」

一見して、絶対に食べきれないと思った

フォークとナイフを使って一口食った

腹が減っているときの一口目はなんだって美味いのである

ライスには一切も手をつけず、肉だけをひたすら食った

肉半分くらいで、お腹は満足した、つまりは150gでいい

だがまだお腹いっぱいではない

だからあと50gくらい、つまりはやっぱり200gくらいが丁度いいのである

残すわけにはいかないので、300gの肉は食べきった

私の少女のようなお腹はパンパンで、その上ライスなんてとんでもないことなのである

それからさっき「ペロッといけちゃいますよ」って言っていた店員さんをギロっとにらみ

「だから言ったでしょ、食べられないって」

のような顔をした

するとその店員さんは

「ほら、ペロッといけたでしょ」

みたいな顔をしてにっこりとしたので

「やっぱり300gは多かったです、200gってどうしてもできないんですか?」

としつこく訊いてみた

「できますよ」


できるんかい!