さて、昨日から読んでいた紫金陳の『知能犯之罠』であるが、読み終えた。ネタバレするので、読みたい人は、これ以降は読まない方が良い。

 結論は、司法当局が冤罪を作り出す仕組みを、犯人が利用して、完全犯罪を行うというストーリーであった。
 政府が、冤罪で人一人を有罪にする事ができるのなら、知能犯なら冤罪を故意に発生させることも可能だというアイディアが、この作品である。
 法律の世界に首を突っ込んだことがある人なら、誰もが知っていること、つまり「証拠は自分で創るものである」ということである。もっと正確に言えば、その事が否定される証拠が何も無ければ、その事を主張することで証拠となるのである。否定される恐れが無ければ、嘘も三遍唱えれば真実となるということである。