先日、飯田橋に行った。
 いつ見ても江戸城の石垣の組み方は見事だなと思う。

 今は、型枠を組んでコンクリートを流し込むという工法ばかりとなったが、エジプトのピラミッドや、中国の万里の長城、アンデスのマチュピチュなど、見事な石組は世界各地で見ることができる。
 その石造建築の最後と言われているのが、バルセロナのサグラダファミリア教会である。これが人類が作る最後の巨大石造建築物である。

 サグラダファミリア教会を石で作っていたのでは完成するのにいつまでかかるか分からないので、コンクリートにしようと発案した人々が何人も暗殺されている(冗談です、本気にしないで下さいね)。
 コンクリートにしようという話は何度も出ていたが、コンピュータ式の三次元スキャナーが開発されて、その話は消え、石造りが続行されている。石での作り方は、石を削って上に持ち上げて載せてみて、当たり具合を見て、降ろして地上で削って成形して、また持ち上げて置いてみて当たり具合を見て、という作業を繰り返す。そんな感じなので、いつ完成するのか分からなかった。三次元スキャナーが出来たので、それにかけると、適切な形状となっているのか分かり、上にあげて当たりを見なくても、ここが少し凸であるなどと分かるため、作業が格段に速くなった。
 ガウディが変態的な曲線美の構造を指示したから遅れているわけではない。石工がいないし、それに、ここは完全に「寄付」で建てられているため、寄付が少ない時は、石工に工賃を払えないので建設が中断され、そうこうするうちに石工が居なくなり、声を掛けても集まらない。そういう問題である。日本人の若者(外尾悦郎さん)が志願して、ここで石工として働いているのは有名な話である。
 江戸城の石垣を見ると、日本人に任せてもできるだろうなと思う。欧米のフリーメーソンは、石工組合が発祥なのに、最近はステータスクライマーの集団になってしまったようである。

 ついでに話すと、現在、欧米では二酸化炭素を出すことを嫌っており、コンクリートは石灰岩をコークスで蒸し焼きにして作るが、その際に大量の二酸化炭素が発生するため、コンクリートは使わない方向である。日本では、麻生セメントの御曹司が、首相にまでなっており、この話はしてはいけないことになっている。ともかくコンクリートは止めて、木造で超高層ビルを建てる実験が欧州で始まっている。既に10階建ての木造ビルは建てられている。
 木造建築は、日本では二級建築士免許で良いので、二級建築士が木造、一級建築士が鉄骨やコンクリート構造の建物の技術を持っている。裏を返すと、一級建築士は木造建築の知識を就職後に親方から教わるので、日本の大学には、木造建築の技術が無い。
 そんなことで、世界最古の木造建築があるなどと言っている割には、日本の木造建築技術の水準はかなり低い。麻生セメントが、「セメントで作れ」と言っているのも原因かもしらない。麻生太郎さんが、「これからは木造だろう」と言えば、風向きは変わるかもしれません。(この文章を書いた後、検索したら、昨年から、日本各地でも木造の10階建てビルが建設されるようになったそうです)。