宮台真司さんを殺そうとした犯人が自殺していたということが報道されていた。
 この事件、宮台さんに危害を加えて言動の内容を変えさせようとする脅迫なのか、宮台さんを殺そうとしていたのか、これまではっきり発表されていなかった。今回、殺すことが目的であったと発表された。警察の調査で、宮台さんは頸動脈の位置を複数回切られ、大腿動脈の部分も切られており、明確な殺意があったと事件直後に断定されていたようである。

 宮台さんは武術を習っていたそうで、なんとか命拾いしたようである。どのような武術を習っていたのかネットで見ると、クラヴ・マガというイスラエルの白兵戦技であった。この特徴は、攻撃を受けた場合に、自分の意思とは関係なしに体が勝手に動いてしまうという武術である。

 先日の僕の体操教室で教え始めた武術も、これと同様である。やはり、自分の意思とは関係なしに体が勝手に動いてしまうような武術で無いと、いざという時に使いものにならない。

 このような現象がなぜ起きるのかと言う話は、昨年の体操教室で、脳の情報処理の仕組みについて説明した際に解説した。この脳の情報処理の仕組みは、2000年頃(今から20年前)に分かっていたのに、ほとんど一般には知られることが無く(ネット上に書かれていない)、専門家の間だけで常識化していることである。それは、こうして現在、実際に使われているから、犯人には教えたくないということなのであろう。

 現在のような文明ができる前、ホメロスの時代には、「ゼウスが私の体を以てして相手を倒した」というように、戦闘が自分の意思で行われていないことが表現されている。
 現代の文明は、「私」というものが確立され、ミーイズムとも呼ばれるように、自分だけが良ければという思想が蔓延している。しかし、その「私」とは何であろうか?。自分の意思とは異なる仕組みで、自分の体が動くという現象は、ホメロスの時代には常識であったが、現代ではそれは非常識であり精神疾患であるとされる。2500年かけて人類は自分自身をそのように考えてきた結果、「私を優先」という弊害が出始めている気がする。

 

 

 

 

 

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