庭に現れるようになって

ひと気を警戒して、ずっと気配を消して、

ご飯貰えるまで物陰に隠れて待ってたね。


他にご飯貰える所が無かったのかな?

他の猫に場所を取られないようにするためだったのかな?

だんだんうちの庭で過ごす時間が長くなった。


でも2ヶ月経っても警戒心は強く、少しでも近付こうとすると逃げてばかり。


でも、あの日、初めて逃げなかった。

緊張した顔で私の前にちょこんと座って。

そして、私の顔をじっと見て

”びゃ~” って鳴いた。


鳴くのは久々だったのかな?

猫とは思えない酷いダミ声で。


もしかしたらあの日、さっちゃんはうちの子になろうと決めたのかも知れない。


それで、勇気を振り絞って出したのが、あの “びゃ~“だったのかな。


今では色んな”にゃ~”を使い分けてお話しできるようになったね。


でも、私は、今でもあの“びゃ~“が忘れられない。