2.5mm⇔2mm変換基板を探しにaitendoへ行ったら、ヘッドフォンアンプ・キットK-LIANG5532Bを衝動買いしたのは先のご紹介のお話。

 

aitendoの電池式ヘッドフォンアンプ K-LIANG5532B
https://ameblo.jp/uchiday0714/entry-12358680107.html

 

その前の昨年末、aitendoにてK-5532DBなるヘッドフォンアンプ・キットを購入。

http://www.aitendo.com/product/13629

 

K-5532DB

 


型番では5532と表記していながら、現物添付のオペアンプはOPA2134。
これが2個付いたキットが税別とは言え、¥750なので興味津々購入してみました。

オペアンプOPA2134PAは、5年前に秋葉原の秋月電子で税込み¥170で販売。

今では¥320と大幅値上げ。

 

以前の値段ならともかく、現在の値段で2個付けたキットが税別¥750とは超破格!!

 

渦中のオペアンプOPA2134PAですが、aitendoキット添付品と秋月電子で販売品は外観が異なる。
秋月電子や著名オーディオ・メーカーの製品実装などで多く見かけるOPA2134PAと比べて、aitendoの方はIC左端、1番ピン上に切り込みがない。

 

突っ込みどころ満載のaitendoヘッドフォンアンプ・キットK-5532DB、先ずは作製してみます。
「aitendoではディスクリートによるA級ヘッドフォンアンプ・キットがあるじゃないか!!」と更に突っ込みながら、読んでいただければ幸いです。

 

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このキットも他の製品同様に回路図がありません。
本機はLch/Rch独立型回路です。

片チャンネル分ですが、早速書き上げてみました。

 

見るからに俗に言うA47式です。

 

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>SV-DA10のヘッドフォンアップの回路はChu-Moなんちゃらではなく、ClassAA !!

 

Panasonic SV-DA10 DATレコーダ

 

SV-DA10 ヘッドフォンアンプ基板 (一部部品交換済み)

 

こちらも回路図を書いてみました。

 

先の『aitendoの電池式ヘッドフォンアンプ K-LIANG5532B 』で触れていた件ですが、20年前、SV-DA10のヘッドフォンアップ回路を真似して作ってみました。今はどこかに行方不明。

 

さて、aitendoのA47式ヘッドフォンアンプですが、47Ω抵抗周辺部をブリッジ抵抗に変更すれとClassAA式?

と言うことは、このK-5532DBもClassAA式に改造が可能?


早速、やってみました。

基板のパターンカットはたったの四か所。
各オペアンプの6pin - 7pin間のパターンをカットして抵抗3.3KΩを追加。
ヘッドフォン出力コネクタへ接続するパターンをカットして抵抗120Ωを追加。

 

他の抵抗等は回路図、実体写真の通りに変更、追加するだけでお気軽ClassAAヘッドフォンアンプの出来上がり。

 

 

基板表面 (上:オリジナルA47 / 下:ClassAA改)

 

基板裏面 (上:オリジナルA47 / 下:ClassAA改)

 

A47とClassAAの聴き比べ

入力信号も電源(±12V)も全く同じ。部品も同じ。

気になる音ですが、是非やってみてください。

¥1000以下(基板上のみ)で幸せになれます。

 

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オリジナルのA47式、ClassAA改共に電圧増幅+電流増幅と二段式なので、電力出力が強くないOPA2134でも常識の範囲内でクリップしません。

この改造方式の最大、かつ唯一の難点は、ClassAAの電圧増幅アンプと電流増幅アンプが同一。

この為、電圧増幅と電流増幅を別々のオペアンプにすることが出来ない点となります。


電圧増幅系に解像度高め(OPA2134PA等)、電流増幅系に電力高めのオペアンプ(NJM4556ADやNJM4580DD、MUSES8920)と言った使い方が出来ません。
交換する場合、否応なく価格が高めのオペアンプを使わざるを得ない。

A47は単純にブーストしているだけなので構わないのですが、ClassAAではLch/Rch独立式ではなく、電流増幅系と電圧増幅系で分けた方が理想的。

 

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<<ここで不思議な現象>>

 

注)付属のOPA2134PAですが、未だ各特性を観ていないので、本物か贋作かは判断しかねます。

 

標準のA47式、及び、ClassAA式では得体の知れない付属のOPA2134PAの方がMUSES8920より音が良い。
また、電源OFF時のポップノイズもMUSES8920より標準添付品の方が少ない。
音もポップノイズもオペアンプ一発式の場合はMUSES8920が遥かに良いのですが、ここでは覆しています。
MUSES8920は電流出力が大きいので、二発駆動はご法度なのか?

 

また、ナショナルセミコンダクタ社製オペアンプLME49720NAがネットで評判高いので秋月電子で二個購入したのですが、A47式、ClassAA共に音に疑問?
大容量の電源±12Vで印加。正負電源なので出力カップリングコンデンサを削除して聴いてみると、コントラバスの弦がたるんでるような立ち上がり。
一見(?)低音が充実しているように聴こえるのですが、低音の立ち上がりがぬかるみを歩いている様な状態。

まるで出力カップリングの電解コンデンサを1000μF以上付けて、低音が充実していると言っている程度の音。
一般ウケの音とはこの程度なのか大いに疑問。
オーディオメーカーの大変さが垣間見れました。

 

この付属のオペアンプOPA2134PAが本物であれば、非常に価格の安いキット。

贋作のOPA2134PAであれば、非常に性能の高い贋作と言えます。

 

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aitendoではA級式のヘッドフォンアンプ・キットも販売していますが、この改造版もイケるので基板のバラックでは勿体ない。
いずれはケースに入れなければ…。
電池式にするか?AC電源式にするか迷いどころ…。