一般では未だ市民権を得ずマニアの域から出ていないとは言え、今旬なオーディオ製品の一つと言えば、ネットワーク・オーディオ・プレイヤですね。
早速、いや、もう一年経ちますが、デノン製DNP-F109SPと言う機種を購入しました。
DENON DNP-F109
実際に購入したのはシャンパンゴールド(黒は海外のみ)
表示画面が日本語対応で文字が大きく大変見やすく、また操作も他社製品よりは比較的扱いやすい。
また、値段も手頃。
しかし、一番の決め手は早送り再生、巻き戻し再生が可能、ギャップレス再生対応。
音は出ないとはいえ、長時間の収録音源には早送り・巻き戻し再生は必須。ギャップレス非対応は論外。
この機種、並びに中身が殆ど同じ姉妹機のDNP-720SP、いずれも共通する欠点は、デジタル音声出力にサンプリング周波数ステータスが載っていない不具合があります。
藤沢にあるメーカーのサービス部門も、完全にさじを投げた状態。
http://www.denon.jp/jp/News/Pages/DigitalOut.aspx
実際、手持ちの全てのデジタル音声入力対応機器を引っ張り出して接続したところ、半々の確率で動作。
しかも、同じブランドどうしでも接続できないとは・・。
仕方がないので、サンプリングレート・コンバータを経由して使用。
サンプリングレート・コンバータを通せば、任意の周波数にサンプリング周波数を生成するから動作はします。
しかし、サンプリングレート・コンバータの入力サンプリング周波数ステータスは挙動して表示。
サンプリングレート・コンバータ
サンプリング・ステータスが挙動
これから購入検討される方はくれぐれも御注意の程。
諸悪の根源はコレ
CX870-3B-D60
https://wikidevi.com/wiki/Standard_Microsystems_CX870-3B
http://www.microchip.com/wwwproducts/Devices.aspx?product=DM870
CX870-3B-D60 表面(シールドカバー外して)
CX870-3B-D60 裏面(シールドカバー外して)
AirPlay、iPod入力、Wi-Fi、DLNA、USB入力、Vtuner(ネットラジオ)、S/PDIF出力等全てのネットワークオーディオの機能を一つのモジュールでこなします。
オーディオ・メーカーはシステム・マイコンとD/Aコンバータ、電源回路を組み合わせるだけで製品が出来る優れモノ。
デノン、マランツ等数多くのオーディオ・メーカーで採用されているそうです。
一方、アナログ音声はと言うと、中高域はなかなかの再現性。
残念なのは、本来低音が『ボーン』と鳴るところ、『ボヨヨ~ン』と再現されてしまいます。ジャズやフュージョンには不向き。
気になるD/Aコンバータ・チップですが、旭化成AKB、訂正、AK4424。
+5Vの単一電源で2Vrms出せるバッファ内蔵がうたい文句。
2Vrmsと言うことは5.6Vp-p。当然、単一5V電源では不可能なのでチャージポンプ回路を内蔵しています。
スイッチング電源の一種ですが、発信周波数をオシロスコープで実測すると70KHz。
-4.8V生成 70KHz
可聴域範囲ではないので、STEREO誌のUSB-DAC LXU-OT2みたいにのりピー現象はありません。
しかし、所詮チャージポンプ方式。大電流が流れる低音は不得意。
改造を検討。しかし、DAC部は丸々バッファ内蔵。正負電源もDAC内部で生成。
やるとしても、電解コンデンサと出力の抵抗交換だけ。
チャージポンプ用コンデンサを含めたDAC周辺の電解コンデンサは、エルナー製のオーディオ用電解コンデンサ。
それ以外、電源モジュールやデジタル回路等の全ての電解コンデンサは、今迄見たことのないSUMYOUNGと言う韓国のメーカー品を採用。
早速、これらの電解コンデンサを交換実施。
DNP-F109SP内部(交換後/¥100玉は渦中のモジュール)
小容量のデカップリング用電解コンデンサを手持ちの三洋OSコンデンサに、音声信号を通すカップリング用電解コンデンサに日コン製MUSE KZ(2ケ)、それ以外を低ESR品の電解コンデンサに交換。
アナログ出力周辺の炭素被膜抵抗をコーワ製金属皮膜抵抗(1/2W標準品)に交換。
電源モジュールの大容量品などの4か所は、予算の関係で今回保留、サムヤングのまま。
交換した結果、うるさい感じがなくなりスッキリ、肝心な低音はと言うと??
やはり、D/AコンバータAK4424に限界。
せめて、同じシリーズのCDプレイヤDCD-F109に採用されているバーブラウンPCM1796であれば、かなり期待できるのですが・・・。
DNP-F109SPとDCD-F109、同じシリーズなのに全く音が異なる。
元々、DNP-F109は、ベースのDNP-720からアナログ・チューナを削除して小型化したモデル。
コスト優先で低価格実現なのは致し方がない。
であれば、デジタル音声出力は互換性にしっかりした製品を望む。
何しろ、同じブランド製品ですら、接続不可とは如何(いか)に・・・。
取り外された部品たち
左:サムヤング、中央のありんこ:炭素被膜抵抗、右:日コンのオーディオ・グレード品?
それはそうと、インターネット・ラジオ vTunerって、便利ですね。
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<<7月12日追加>>
電源基板の残された韓国産。
やはり気になるので、刷新しました。
スイッチング・レギュレータのC4(68μ400V)ですが、秋葉原でも三栄無線しか在庫がない。
しかも、値段は¥580と高価。
スイッチング・レギュレータの一次側、むやみに容量を上げるのは非常に危険です。
しかし、なかなか68μ400Vなんてないので、仕方がないので東信のUTWHS 100μ400V105度を採用。
千石通商にて安価に販売、¥150也。
しかし、音質的に一番効果が大きかった。
これで、すっかり韓国産がなくなりました。
加えて、出力カップリングの電解コンデンサMUSE KZにルビコンのフィルム・コンデンサ0.1μをパラ付け。
秋月で単価¥10也。
音質とは直接関係がないのですが、メイン基板のレギュレータICが素手で触れないほど高熱。
品質的に好ましくないので、簡易型放熱器をネジ付けしました。
千石通商にて¥60也。
今迄の改修費用ですが、サンヨーOSコンデンサとフェライト・コアは全て手持ちを使用。
電解コンデンサとフィルム・コンデンサ、金属皮膜抵抗、放熱器合わせて、総費用¥950。
流し聴きなら、"OK"レベルまで行ったと「思い」込みます。
少なくとも、聴いていて楽しいレベル迄には達したと自負しております。
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<<7月21日追加>>
前面フロント・パネルのディスプレイ基板にもサムヤング製電解コンデンサが生息。
安価ながら、手持ちの和製電解コンデンサに交換いたしました。