前回のPCM2704セルフパワー・モード化は、「全くの別物」と言う程、音の広がり、解像感が向上しました。


http://ameblo.jp/uchiday0714/entry-11548123964.html


ところで、「C8/C9は現状保留」とありますが、これは今回の改修を見込んでいたからです。

C9の近くにR8/R9(各1K)があります。

パターンを追うと、オペアンプ回路のバイアス電源+6Vを生成する分割抵抗だと解ります。

今回、この周辺の変更に着手します。前回同様に、劇的に音質が向上します。


☆★ 桐ヶ谷工房 ★☆-DigiFi Olasonic USB DAC改Ver.2(表b)


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内容としては


①OPアンプ用電源のDC-DCコンバータを+12V→+14V化既存の電源回路の部品を流用する為、電源アップは+14Vと控えめですが、ヘッドフォン出力が+8Vp-pほど出るので、クリップを避けるのには効果あり。


②±7V正負電源仕様

+14Vからレールスプリッタ方式にて、±7V正負電源化しました。


③オペアンプ回路のカップリング電解コンデンサを排除

正負電源化により、オペアンプ回路のカップリング電解コンデンサを排除。

透き通った高音、歯切れの良い低音を実現。


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<<改修方法>>


①OPアンプ用電源のDC-DCコンバータを+12V→+14V化

R2(15K)→27Kに変更


②±7V正負電源仕様

TI社製レールスプリッタIC TLE2426CP(若松¥180)を使用。

トランジスタ技術(CQ出版) 2013年2月号 P131参照


http://blog.digit-parts.com/archives/51637999.html


オペアンプ回路のバイアス抵抗であるR8/R9(各1K)を削除。

RCAピンコネクタとヘッドフォン端子のGNDをベタアースから分離。

バイアスの+6V(+7V)ラインは、レールスプリッタ上では仮想GNDとなります。

RCAピンコネクタとヘッドフォン端子のGNDを仮想GNDに接続。


R39/R40(各10K)をベタアースから、RCAピンコネクタのGNDに接続。

R55/R56(各10K)をベタアースから、ヘッドフォン端子のGNDに接続。

この際、抵抗を手持ちのコーワ製金属皮膜に交換、裏面で取り付け。


直接関係がないのですが、以前、100オームに交換したヘッドフォン保護抵抗を基板裏面にて、68オームに交換しました。

③オペアンプ回路のカップリング電解コンデンサを排除

音質劣化の醜悪の根元、C39/C40/C55/C56(220マイクロ)を削除。

両端をストラップ。

パラ付けのC41/C42/C57/C58は取り外し不要。


ケースに実装の際、6800マイクロの電解コンデンサが高さ制限により移動、電解コンデンサの足下にレールスプリッタICであるTLE2426を取り付けました。


基板表面
☆★ 桐ヶ谷工房 ★☆-DigiFi Olasonic USB DAC改Ver.2(表面)


基板裏面
☆★ 桐ヶ谷工房 ★☆-DigiFi Olasonic USB DAC改Ver.2(裏面)


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高域の品位の向上もさることながら、ぬかるみを歩いているような締まりのない低音がすっかりなくなりました。


カップリング電解コンデンサの容量を上げれば、低音が豊かになると言われますが、如何なものかと思います。

必要以上に容量を上げると、既に鳴りやんでいる音が残り、他の楽器の音をマスキングしてしまします。

それは音作りではなく、はっきり言って「劣化」と言います。


正負電源化はカップリング電解コンデンサを削減できるので、特効薬的な改善。

ヘッドフォン回路の見直し、PCM2704のセルフパワー・モード化に加え正負電源化を行った結果、DigiFi/Olasonicでも音の広がり感、引き締まった低音、解像感全てが改善。


改造版"LXU-OT2"に迫る高音質を実現しました。