銀河鉄道の父 門井慶喜 講談社文庫

さてまた「宮沢賢治」です。

 

第158回直木賞受賞作。受賞した時から気になっていましたが、文庫化されたので購入。

 

う~ん、おもしろかった。

宮沢賢治をよく知っている人も、あまり知らない人でも楽しんで読めると思います。

 

宮城県花巻で質屋を営む宮沢政次郎に、長男が生まれる。

長男は賢治と名付けられ、大切に育てられるが、7歳の折、赤痢に罹る。

政次郎は、病院に泊まり込んで熱心に賢治の看病をする。(当時としては、父親がそんなことをするのは、異例)

 

この時の経験が、その後の政次郎と賢治の関係を決定づけたように思われます。

 

その後、賢治は回復し、小学校に通い始めますが、色々と問題行動が・・・!

その時、政次郎は「不問に付す」ことで、賢治を守る。

 

政次郎があれこれ逡巡しながら、大事に子供たち(特に賢治とトシ)を育てていく。

 

宮沢賢治の生涯は、決して準風満帆でなかったことは規制の事実ですが、彼を支えた父親からの目線は、斬新かつ身近に感じられます。

実際の作品や、手紙、行動などを下敷きにしているので、「小説」ではなく「伝記」なのでは?と思えるくらいです。

 

「宮沢賢治の真実」はドキュメンタリー、こちらはフィクションですが、視点の違いと著者の解釈の差で、こんなにイメージが違うというのも、宮沢賢治自身の魅力なのかな・・と思いました。

 

書店で見かけて購入。